hanauta
私 心の内
朝 一日の始まり
夕暮れ~夜 思いにふける
恋模様 儚さ
こうして文章を書くのは久しぶりです,hanautaです。 いつも私の詩を読んで下さり本当に有難うございます。これまで続けられたのも皆さんの応援が無ければとても無理でした。心より感謝しております。 そしてお知らせがあります。 タイトルの通り,はじめての詩集を出させていただくこととなりました。 『 街灯のある帰り道 』 花 詩子 著 アメージング出版 ( 花 詩子はhanautaのペンネームです。) 昨年の冬頃に
いつもある ほんの今日の一日が やりきれないほど遠すぎて 思うようになりたい私を 思うようにいかない心が 眩しそうに見送るばかり もどかしい足踏みが 敷き詰められた 落ち葉の音を鳴らしている 鮮やかに往く秋の日の その明日は 何処のほうかと 心を見ては 空を見て すり抜ける時の風が 真っ直ぐに寒くなるのを 羨んでいる
手のひらを かざして握る 秋の陽を 心に宿せば 涙もひかる 飲み込んだ 言葉と想い 今もまだ 心に生きる あなたと共に 想うこと 傷つけること 違いさえ 分からないまま 過ぎ去った恋
もみじが秋に寄り添って ひとつひとつ色を増す いつも変わらず美しく そして いつも変わらずやって来る 移り行く日々 変わらない日々 その曖昧が相まって 知らず知らず幸せが そっと隣を流れている ありふれていることが 当たり前ではないことに 時にはそっと気付きたい 今年も鮮やかな 葉色に心を澄ませながら
揺れるバスから見えたのは あの頃によく似た坂の道 面影があたたまり 車窓にそっと蘇る 手を伸ばしたくなる程に 生きている私がそこにいる 込み上げる切なさは 満たされていた頃への憧れと 流れる涙が呟いた あの眩しさを 心が知っているのなら きっと歩き方を思い出せる きっと生き方も思い出せる 遠ざかる景色を後にして 前を向き行き先を確かめる 「明日」行きと 心がそっと頷いた 詩集が出ました
秋の陽に 揺れる面影 今もなお 通りに探す 心が探す 忘れてと 願いながらも 落ちてゆく 涙の音を あなたに刻む 散り行くは 花ばかりとは 限らない 合わせた想い 静かに落ちる 詩集が出ました
なびく髪 伸びた分だけ 時は経ち 心だけまだ あの時のまま 行くのなら あなたがいいと 手を取った 遠い昔の 恋物語 色褪せた 頃が見ごろの 過ぎた恋 懐かしさに酔う 今は遠くに
まっさらな青空を 小さな雲が一つ行く 届かないのに 懐かしく 追い掛けて いつかの空の続きを見る 時は経つほどに 涙の味も溶かしては 思い出を やさしい色に変えている 握る心を温めている もう一人の持ち主の 空も心も どうか晴れていてほしい 届かぬ雲に 今はただ願うばかり
良く似合う 茶色のシャツの 模様まで まだ目に浮かぶ 懐かしい日々 時の波 押し寄せるのは 後悔の ごめんなさいが 今も痛む 遠くなる あなたの声を 忘れ往く 乞う涙に 時は冷たく 詩集が出ました
目覚めれば 寒さが心地よさを遠ざけて 羽織る上着も秋の色 また一つ 進む季節に手を引かれ 一歩ずつ 遅れる心を抱きしめる 時と共に生きるより 心と共に生きてみる 見送る秋の 後ろ姿も きっと変わらず美しい
足跡が あなたの中に 残るなら それだけでいい 今は静かに ため息の 味にも慣れて 一人きり 恋の終わりの 苦さのみ知る 置いて行く 終わった想い 振り向いて 涙で見えず あなたが見えず 詩集が出ました
秋の風に雲が揺れ 隠れた月を待つ間 寂しくなった夜を見る 流れる季節に 上手く時間に 乗ってたつもりが 少しずつ 時から私が零れ落ち 知らないふりだけ上手になる 弱さも嘘も寂しさも 全部揃って私だから 月が出たなら そのやさしさで 私を拾い集めよう
また明日 言える今日が いつまでも 続くと信じ 笑っていた頃 またいつか その言葉には 意味はなく さよなら言えず さよならをした 元気でと 想いを残す 別れ道 涙隠して 日傘差すふり
響く虫の音に 宵闇が深まって そっと秋が傍に寄る 肩に揺れる 使い古しのカバンでも 来る季節が舞い込めば 明日が新しくなりそうで 今日の荷物を少しずつ 心の荷物を少しずつ 風に任せる帰り道 秋が寄り添う帰り道 詩集が出ました
往く夏を 見送りながら つま先は 終わった恋に 向かうばかり はにかんで 差し出された 左手の やさしさだけは 消えることなく 愛情を 出し惜しみした 後悔も もう遅すぎる 戻らない人 詩集が出ました
空色が澄み始め 浮かぶ雲もやさしくなって 涼しそうに風が吹く きっと 過ぎた程には 過ごせなかった 夏の忘れ物が多いほど 心はカラカラ音を立て 切なさを響かせる 一人には大きすぎた夏 何時かの夏の面影が 何時かのあなたの面影が 心に顔を覗かせて カラカラとさらに響かせる あの夏を連れ また一つ夏が往く 詩集が出ました