【創作長編小説】天風の剣 第148話
第十章 空の窓、そしてそれぞれの朝へ
― 第148話 重たく厚い雲を割るように ―
雪の空一面に広がる、まばゆいばかりの金の光。大勢の高次の存在たち。
シトリンは少し苛立ったように、んーっ、と声を上げつつ、顔をしかめた。
自然現象のまぶしさなら別に平気だ。一体や二体の高次の存在の光ならまだいい。しかし、この高次の存在の群れの光だけは、いつだって、うっとうしくて不快だなあ、とシトリンは思う。
まったく、派手なんだから!
「もうー、まぶしいなあ。もっと、光抑えてくん