思ひ出の金木犀を嗅ぎに行かむ 君と眺めたそば屋の角に
前世はねジュゴンだったのかもしれない アマモの森がこんなに恋しい
戸惑いやプライドは捨ていざ行かむ 知るは喜び学びは楽し
国道沿い耕作放棄の田の跡に アワダチソウの一斉に咲く
幾百のプロペラ機空を行く音 未明の窓を開けば静か
ブラウン管今更だけど写真くらい 撮っておけば良かったと思う
その街は君を包んでくれますか もうすぐ寒い風が吹きます
このリズム娘三人寝かせたる 匠の業ぞ眠れ初孫
土砂降りの6分間の暗闇に かけた願いも15年前
年寄りて大型犬のへたりたる 明日は我が身だ哀れじゃないさ
獣追う空砲谷に轟きて 湯面微か揺らすは誰そ