伊賀焼作家・小島陽介さんの黒い器は、朽ちて醜怪になったものを嫌うことなく、寄り添って照らします。それは高田郁の時代小説「銀二貫」で、大火によって顔半分に火傷を負った真帆を妻として迎えた、松吉の深い愛の様です。そして、川月清志さんによる敷板は、井川屋にまつわる心優しき人々の様です。
幾度も、時には声をあげて泣いた。人間を描いた文章を文学と呼ぶのならば、いったい何が私の心を揺さぶったのだろう。何の感慨もなく歩いた事があるだろう大坂に興味も覚えました。夕食はもちろん、寒天を食べました。 / 高田郁『銀二貫』 https://amzn.to/2z8xDYk