おすすめ時代小説
私は子供の頃から時代劇が大好きで
悪代官と越後屋のように、
悪人は、どこまでも悪人で
善人は、どこまでも善人といった
勧善懲悪(善事をすすめ、悪事をこらすこと。)
な所が好きですなんです。
そして、
人情味あふれる人々の暮らしぶり
四季折々の出来事の様子に
読んでいて、とても幸せな気持ちになります。
根が単純なんでしょうね。
早速、お気に入りをご紹介します。
🏮 蜩ノ記 葉室麟 著
藩の陰謀により幽閉切腹を命じられるも抗わず
藩のため、農民のため、家族のため武士としての信念を貫いた
戸田秋谷という武士の物語です。
戸田秋谷は若い頃から文武に優れ、27歳で郡奉行に抜擢され、
12年前には江戸表の中老格用人に出世したが、
7年前の8月に事件を起こして失脚し、向山村に幽閉の身となる。
事件というのは江戸屋敷で側室と密通し、
それに気付いた小姓を斬り捨てたというもの。
即刻切腹となるべきところ、
前藩主の慈悲で、刑の執行は10年後とされ、
その間は三浦家譜の編纂を命ぜられた。
戸田秋谷の見張り役として、
檀野庄三郎という者が遣わされる。
庄三郎は、村人にも人望の篤い戸田秋谷の
武士のとしての人となりを見るにつけ
戸田秋谷の無実を信じるようになる。
そして、事件の真相に迫り、
ついに、庄三郎は切腹の儀の取りやめを殿に願いでます。
しかし。。
なんでやねん!!
と最後には
何とも言えない気持ちになり、まさかの号泣です。
真面目で誠実な主人公が、何ゆえ切腹しなければならないのか。
犯した罪とは。。。
時代劇ですが、ミステリー的な要素もあり
目が離せなくなります。
著者の葉室麟さんは、2017年12月に逝去されています。
残念です。
役所広司さんが、主役の戸田秋谷を演じています。
ピッタリだと思います。
🏮 孤宿の人 宮部みゆき著
何とも不思議な物語です。
これも時代劇だけれど、ミステリーです。
主人公の「ほう」は、純真無垢な9歳の女の子。
頭が悪いので、「あほう」から「あ」をとって
「ほう」と呼ばれていた。
江戸から金比羅代参に連れ出され、
挙句の果てに、
海と山々に囲まれた丸海藩に1人置き去りにされるのです。
結局、それが目的のようでもありました。
幸いにも、藩医を勤める井上家に引き取られるが、
ある日、
世話をしてくれた琴江が毒殺されてしまいます。
かつて、病を封じ込めるために建てられた「涸滝の屋敷」。
その屋敷で、江戸からの罪人・加賀守守利(妻子と側近を惨殺)を
預かることになった。
やがて領内では、不審な毒死や謎めいた凶事が相次いで起こる。
加賀様は悪霊だ。
丸海に災厄を運んでくると祟りを領民は恐れた。
そのため、加賀様のお世話をするものが、いなくなってしまう。
涸滝の下女として「ほう」に白羽の矢が立てられる。
純真無垢な「ほう」は、頑なに心を閉ざす加賀殿と
いつしか気持ちを通わせていく。
水面下では、藩の存亡を賭した秘策が粛々と進んでいた。
ラストシーンに思わず涙、感動の時代ミステリーです。
最高傑作と言っても、過言ではありません。
ただ。。
宮部みゆき氏に一言いいたい。
この人の作品を数々読みましたが、
必ずと言って、結末はハッピーエンドではありません。
何故なんでしょう。
🏮 銀二貫 高田郁著
大坂天満の寒天問屋の主・和助は、
仇討ちで父を亡くした鶴之輔を助ける為
天神さん奉納するはずだった銀二貫で救います。
引きとられ松吉と改めた少年は、
丁稚として厳しい躾と生活に耐えていくことになります。
武士として育った松吉には、「へぇ」という返事さえも辛く
丁稚として商いの難しさを感じます。
武士の子として教育されてきた主人公が
畑違いの丁稚として生きるのは過酷としか
言いようがありません。
しかし、大阪天満の情深い人々に支えられ、
松吉は新たな寒天作りを志します。
厳冬のなか、過酷な状況での寒天作りの修業を得て
次第に、大人になっていく松吉。
商人の道を必死で歩んで行く姿には感動します。
私は関西在住のため、天神さんには馴染みがあって
大阪商人が、いかに天神さんを大事にしていたかを知り
嬉しくなるばかりです。
おまけ
みをつくし料理帖
これは、大阪から江戸に来て活躍する女料理人である
数奇な運命の持ち主の物語です。
本もオモシロかったのですが、
テレビドラマで北川景子・黒木華さんが主役を演じていらして
とても可愛らしかったのす。
鱧をさばくシーン
黒木華さん主演
🏮 清須会議 三谷幸喜著
織田信長が明智光秀に滅ぼされ、
その光秀も羽柴秀吉軍に討たれた後、
織田家の後継者と領地の配分を決めるために
清洲城で開かれた会議をテーマにした時代小説です。
清須会議の事前工作から決着まで
物語の構成が良くできています。
登場する戦国武将が、主導権争いをする思惑などが
三谷幸喜らしいコミカルに描かれた作品です。
映画も観ました。
ここでも、役所広司さんが出演されています。
だだ、柴田勝家とはチョットイメージが違います。
そう思うのは私だけかな。
キャストと相関関係
🏮 竜馬がゆく 司馬遼太郎著
もう今更、ご紹介するまでもないのですが
坂本龍馬のファンであります故。
この本は、竜馬ファンのバイブルとも言えましょう。
幕末に何が起こっていたのかを知るには、
とても良い本だと思います。
時代が目まぐるしく動いていて
当時の人たちも、この世はどうなるんだろうと
危惧されたに違いありません。
ある程度知っていても、ワクワクしましたので。。
私は今から40年ほど前に読んだのですが
文庫本とは言え、
1巻が分厚く、値段も高かったので
1巻読んでは、紀伊国屋書店に続きを買いに行っておりました。
また、結末を知っているだけに、終盤は辛いものがありました。
テレビドラマで「JIN-仁-」というものがありましたが、
ドラマの主人公の南方仁と同様に
坂本龍馬の死が近づくにつれ
何とかならないのものか!!
と悲しくて、寂しくてたまらないわけですよ。
おしまい。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
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