昭和31年発行の古書に「押し蟲」を発見した。 この小さな生き物は、いつか誰かがパタンッと閉じたその瞬間に絶命したまま何年も、或いは何十年もの間ここにひっそりと存在し続けたのだろうか。 そこに居るはずのない過去の痕跡を眼にすると、とても不思議な気持ちになる。