膝が痛くてもしゃがんでみる。そこには彼らがいるから。
【虫エッセイ】【昆虫写真】
もう1ヶ月半以上も前になるだろうか。
我が家の狭小ベランダにて、観葉植物等等の植え替えをした。
全ての工程が非常にスムーズに進み、あとは植え替えた鉢を家の中に入れるだけ、となっていた。
両手で鉢をつかんでよっこいしょ。
そのまま窓を跨いでえいこらさ。
自分が開けたドアに顔面を強打して、メガネを壊す私。
地元の子供遊園地でゴーカートに乗った高1の夏、縁石や他車に衝突を繰り返し、係員から下車(出禁)を言い渡される私。
要するに、非常におっちょこちょいで、自らの車(肉)体感覚が救いようがないほどゼロに近い私なのである。
で、話を戻すと…跨ぐ瞬間に、窓枠の出っ張って角ばった部分を、突き出した膝で思い切り蹴り上げた。
かなり正確な位置で、膝関節の隙間とスキマに硬く平らなサッシが食い込んだ。
「イッターーーーイ!!!!」
鉢を持ったまま、泣いた。
本当に、泣いた。
鉢を落とさなかっただけエラかった。
我が家では、週に2回の頻度でこの「イッターーーーイ!!」を聞くことができる。
ちなみに、最新イッターーーーイ!!は昨日。
左手甲を棚の角に強打した。そこも未だ腫れている。
あのイッターーーイ!!から1ヶ月半。
私の膝は、受傷前の6割程度にしか回復していない。
強く押すと痛いし、長く歩くと痛いし、なによりしゃがむのが痛い。
生活していると、いかにしゃがむ場面が多いのかを、膝が痛くなって初めて思い知る。
患者さんの傍に行くとき。
日に何度となくしゃがむ。
心のなかで「痛い痛い、あーよっこらしょ」と言いながら。
そして、虫を探して、虫を見つけて、虫の写真を撮るとき。
虫探しは、無理な体勢で行うことが多い。
横に反って、後ろに反って、葉の裏を頭に血が上る姿勢で観察して。
そして、しゃがむ…というよりしゃがみ込む。
しゃがんでから立ち上がるときももちろん痛い。
でも、痛いのと虫とを天秤にかけたら、もちろん虫を取るに決まっている。
だから、私はしゃがむ。
膝が痛くとも。
たとえ朝露に殿部がまぁるく濡れようとも。
なんのはなしですか
先週末も、たくさんしゃがんで、たくさん虫を撮ったはなし。
大放出します。
はい。北海道からは以上です。