春惜しむポストに友の手紙無く
指先だけが繋がる手と手。前に伸びる大小の影。 少し肌寒いが暖かい風は頃合いだというように私たちの間を通り過ぎた。 どちらともなく手が離れ、影は別々に歩きだす。 一歩一歩離れるたび決断を鈍らせ、私はつい振り返る。 自分の将来へ迷わず進む彼の背中はそのまま雑踏の中へと消えていった。
お隣の奥様からのLINE。 ふ…と見ると、「急ですが引っ越すことになりました」と…。 ショックでした。 昨年、犬友で仲良くしていたふたりがそれぞれ離婚をし、マンションを出ていった。 唯一、お隣さんは居ると思ってたから。 皆、アメリが繋いでくれた縁。 寂しくなる。
今日職場の年上の部下の男性が退社した。不器用だけど、僕の数倍コミュ力のある人だった。 そして僕は明日から時給で働く事になった。 好きなラジオ番組もふたつ終わってしまう。 いつまでも変わらない物なんてないと知っていても、寂しさはつきまとう。新しい季節が始まろうとしている。