〔ショートショート〕逃亡
奴らの包囲網をかいくぐり、俺は小さなボートで島を離れた。夜明けまでにどこかの無人島まで逃げたい。俺は一心不乱にボートをこいだ。
東の空が明るくなる頃、前方に島が。軋む腕に鞭打って、俺は漕ぐスピードを上げる。やがて島に到着し、俺はボートを下り砂浜に倒れ込んだ。助かった!
「マダ早イヨ」
突然、耳元で声がして跳び起きる。見ると、死神のような鎌を持ったロボットが、袋を2つ並べて俺を見ていた。
「大キナ福袋ト小サナ福袋、ドチラガ良イ?」
福袋?どちらを選んでもきっと、中身は「福」では