『ミスター・ノーバディ』(2009) 最後、老人ニモが「アナ」とつぶやいたのがひっかかる。少年の想像の世界にいた可能性を秘めたままの何者でもない存在としてのニモが、少年がある人生を選び取ることを決断したことでその人生が現実化して「誰か」になれたことを表しているように見える。
『ミスター・ノーバディ』 「このままいったら自分は…」と現時点の自分から考えを巡らせてしまうと9歳のニモの妄想と似たような結末に陥ってしまう。結末のない結末。