はんなり堂薬局 店主 石津 愛子

和歌山県岩出市、高瀬付近にある国際中医専門員、薬剤師の店主が営む小さな漢方相談薬局です。 漢方相談・健康相談・サプリメント相談実施中。noteでは中医学的な観点からさまざまな病気や症状についてのご説明、おすすめの漢方薬などをご紹介していきます。

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マガジン

  • 専門家目線になる漢方薬の使い方

    漢方薬の知識を深めたい登録販売者の方向け。ドラックストアなどで漢方薬をスムーズにご紹介するための、それぞれの漢方薬の解説や似たような漢方薬の使い分けをご紹介しています。

  • 中医学応用編〜症状を中医学的に考える〜

    日常で起こりやすい症状を中医学的に考え、その証にあった漢方薬をご紹介しています。

  • わかりやすい!漢方薬

    漢方薬が好きな方、漢方薬に興味がある方のための知っておくと便利な漢方薬の知識をご紹介!

  • わかりやすい!中医学の基礎

    中医学を勉強してみたいけれど、難しそう・・・ 中医学初心者、本を読んでもよくわからない・・ そんな方に向けて、できるだけわかりやすく『中医学の基礎』を解説していきます。 中医学を身近に感じ、ドラックストアや通販でご自身で漢方薬を選ぶ時の知識となれば嬉しいです!

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専門家が説明:高麗人参について

高級生薬として有名な『高麗人参』、今日はその詳細についてご紹介いたします スーパーで見かける人参と高麗人参は全くの別物 スーパーで見かける野菜のにんじんは、『セリ科』、高麗人参はウコギ科の植物で、全くの別物です。 根が別れて『人のような形』をしているため人参という名前になったと言われています。 朝鮮半島から伝えられた高麗人参 日本で高麗人参の栽培は、八代将軍 徳川吉宗が、対馬藩に命じて高麗人参の種苗を朝鮮半島から入手したことから始まります。 その後、各地の大名に『御

    • 専門家目線になる漢方薬の使い分け14〜ストレス対処の方剤〜柴胡剤②

      前回に続いて、『柴胡剤』についてご紹介いたします。 今回は、『実証タイプ』に合う漢方薬2つ、 ●大柴胡湯 ●柴胡加竜骨牡蛎湯 のご紹介です。 『ストレスに使える』といっても、明確な違いがあるのでぜひ覚えておきましょう。 大柴胡湯 『大柴胡湯』は、ダイエットに使える漢方薬でもご紹介致しましたが今回は『ストレス』という面から詳しくご紹介いたします。

 『大柴胡湯』は、日本漢方の視点で言えば『最も実証』のタイプに使う漢方薬で中医学の『証』では、『肝胃実熱・肝うつ化火

      • 専門家目線になる漢方薬の使い分け13〜ストレス対処の方剤〜柴胡剤①

        些細なことでイライラする・寝つきが悪い・すぐに怒ってしまう・ため息ばかりつく・疲れやすい・胃がもたれる・・ 思い切って病院に行っても、特に異常はなく、先生曰く『ストレスですね』 そうはいっても、どうすればいいのか・・ 生きる環境をごろっと変えてしまえば、ストレスは無くなるのか? そんなことはありませんよね。また、新しいストレスが生まれるだけです。 なぜなら、ストレスはご自身を取り巻く環境によってもたらされるものだから。 でも、それを『ストレスと感じるのか感じないの

        • 専門家目線になる漢方薬の使い分け12〜ダイエットに使える漢方薬〜防已黄耆湯

          中医学で考える肥満のタイプ3つ 中医学で考える肥満のタイプは、3つあるというお話をしました。 簡単にまとめると ① 脂っこいものや甘いものが好きで食欲旺盛なタイプ ② ストレスで食べすぎてしまい、代謝が悪く太ってしまうタイプ ③ 普通に食べているのにも関わらず太ってしまうタイプ です。 ③の場合には、エネルギーとなる『気』が不足しているために胃腸のはたらきが低下し、通常に食事をとっているにもかかわらず、栄養を自分のエネルギーとして利用することができず、利用されない分

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          専門家目線になる漢方薬の使い分け11〜ダイエットに使える漢方薬〜大柴胡湯

          大柴胡湯の合うタイプ 大柴胡湯は、前回の『防風通聖散が合うタイプ』と同じ、「胃腸の消化・吸収能力以上に食べ過ぎてしまっているために、痰湿がたまり体重が増えてしまっているタイプに適する漢方薬です。 では、何が違うかというと、大柴胡湯はその名前の通り、『柴胡』がメインとなった漢方薬で、いわゆる ストレスで食べ過ぎる! という方にピッタリの漢方薬。 生薬の「柴胡」は、ストレス緩和や自律神経の調整、炎症の抑制、抗アレルギー作用をもつ生薬で、特にストレスが身体に負担となっている

          専門家目線になる漢方薬の使い分け11〜ダイエットに使える漢方薬〜大柴胡湯

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑩ダイエットに使える漢方薬〜防風通聖散

          中医学で肥満を考える 中医学では、胃腸のはたらきが正常でないため、食べた飲食物が体の栄養素として利用されずに蓄積してしまうことが「肥満」となる原因だと考えています。 胃腸の働きが低下してしまう3つの要因 胃腸の働きが低下する原因には、大きく分けて次の3つのタイプがあります。 ①食べ過ぎや食事のかたよりで飲食物がスムーズに栄養物質にならずにネバネバしたものとなって蓄積している   ②血のめぐりが悪いため、栄養素がスムーズに全身に運ばれず、局所に蓄積している ③食べる量

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑩ダイエットに使える漢方薬〜防風通聖散

          中医学の応用⑤症状別の考え方 頭痛

          突然の頭の痛み・・・そんなときに使える漢方薬のご紹介です。  頭が急に痛くなるというのは、『外因性』のことが多く、その原因を除くと痛みがなくなるのが特徴です。 その原因になるのは、風寒・風熱・風湿・肝火など があります。 急性ではなく、慢性的に、また繰り返すような頭痛が起こる場合には、『内因性』=体の内部に原因があることが多く、外因はその頭痛を誘発する原因となりますが、誘発する原因を除いても繰り返すことがあり、体の内側から整えていく必要があります。  また、別の疾患、

          中医学の応用⑤症状別の考え方 頭痛

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑨ 〜『桂枝湯』と『桂麻各半湯』

          春休みも終わり、新年度の始まりですね。 今回は、前回ご紹介した麻黄湯に続いて、風邪の時に使える漢方薬についてご紹介いたします。 桂枝湯桂枝湯は、多くの漢方薬のベースとなっている漢方薬です。 例えば次のような漢方薬は桂枝湯に何らかの生薬を加えて作られました。 ●葛根湯 ●桂枝加竜骨牡蛎湯 ●柴胡桂枝湯 ●桂枝加芍薬湯 ●小建中湯 ●桂枝茯苓丸 桂枝湯の適応 桂枝湯は、風邪は風邪でも虚弱者の風邪に適した漢方薬です。 適応:悪寒発熱や頭痛を感じ、汗ばむ感冒症状を訴える

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑨ 〜『桂枝湯』と『桂麻各半湯』

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑧ 子どもの風邪・発熱に

          春になり、日差しは暖かく感じられるようになりましたが、朝夕と冷え込み、体調を崩しやすい時期でもあります。 春休み、お子様が急に体調を崩すこともありますよね。 お子様の風邪に最もよく使われるのは「麻黄湯」です。 今回は麻黄湯について少し詳しくご紹介いたします。 麻黄湯 麻黄湯は、数ある風邪薬の中でも最も『実証』タイプに使われる漢方薬です。 以前、陰陽の分類について説明ましたが、大人と子どもでは子どもの方が『陽』に分類されますよね。 ここでいう実証とは、体力の有無だ

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑧ 子どもの風邪・発熱に

          中医学の応用④症状別の考え方〜『不眠』

          『睡眠障害』とは、満足な睡眠がとれていない状態を自覚することで、睡眠時間が短くても本人が満足し日中の生活に支障がないようなら睡眠障害ではありません。 逆に、寝ている時間が長くても、睡眠が浅く日中も眠たい、夢ばかりみて寝た気がしないなど、睡眠に不満があれば対処が必要となります。 睡眠リズムと陰陽 中医学では睡眠のリズムを陰陽のリズムとしてとらえています。 睡眠リズムは、主に五臓の『心』がコントロールしていると考えられています。 太陽が昇って『陽気』が盛んなときには、心

          中医学の応用④症状別の考え方〜『不眠』

          中医学の応用③・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜湿滞タイプ

          毎日疲れる、からだがだるい・・そう感じる時の3つ目は『湿』が原因となっているものです。 湿滞タイプ 様々な原因で体内に『湿』が多すぎるために、気の流れが悪くなっている状態で、、余分な水分をかかえるためからだが重だるく、血管を圧迫したり神経伝達を圧迫して全身のはたらきが低下する状態です。 2つの湿滞タイプ 湿滞タイプは、主に2つのタイプに分けられます ●湿阻気機タイプ :余分な湿が気の流れを滞らせてしまう状態 ●湿熱壅滞タイプ :余分な湿と熱が気の流れを滞らせて

          中医学の応用③・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜湿滞タイプ

          中医学の応用②・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜気滞タイプ

          今回ご紹介するのは、気の流れがスムーズでないために全身にエネルギーが行き届かず、『疲れ』として感じるタイプです。 中医学では、これを『気滞(きたい)』と言います。 『気滞タイプ』 過度の緊張・ストレス・自律神経の失調などにより、気の流れがスムーズでないためにエネルギーが全身に行き届かず、疲労・倦怠感を感じるものです。 ずっと疲れている状態というよりも、突然、あるいは疲れたり疲れなかったりする状態であることが多く、少し休めばまた回復することが多いのが気虚タイプとの違いで

          中医学の応用②・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜気滞タイプ

          中医学の応用①・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜気虚タイプ

          『中医学の基礎』を以前ご説明しましたが、その知識をもとに具体的に症状がある場合の、考え方、漢方薬の選び方をご紹介していきます。 今回は、『疲れ』について。 40代、50代になると、若い頃はなんともなかった日常生活が、『やけに疲れる』と感じる方も増えてきます。 コンビニやドラックストアでも、エナジードリンクや滋養強壮剤がよく売れていますよね。 エナジードリンクを利用して、カフェインと糖分でからだを一時的な興奮状態にして『元気』になったような気がしても、その効果が切れてし

          中医学の応用①・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜気虚タイプ

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑦花粉症 V0.2 〜

          前回に続き、花粉症に使える漢方薬を少し専門的にみていきます。 今回は、『小青竜湯』が効果的な『寒証タイプ』についてです。 寒証タイプの花粉症 『寒証タイプ』では、『冷え』が症状の原因となっていることが多いタイプです。 この冷えは、余分な水分が体内の局部に過剰にたまったものが原因となっています。 もともと、陽虚(体を温める力が不足しているタイプ)体質の方や、胃腸の働きが低下しているが花粉症になると、この『寒証タイプ』の症状が表れやすくなります。 花粉症の症状(水っぽい

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑦花粉症 V0.2 〜

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑥〜花粉症〜

          そろそろ本格的に花粉症のシーズン到来ですね。 ドラックストアなどでも、花粉症の薬が勢ぞろい! 病院でしか処方できなかった『抗アレルギー薬』も、ドラックストアや通販で購入できるようになり、花粉症の症状コントロールもしやすくなっています。 が、抗アレルギー薬には「眠気」や「口の渇き」といった副作用も起こることが多く、花粉症よりも薬の副作用の方がつらいという方もいらっしゃるでしょう。 また、西洋薬の花粉症の薬(抗アレルギー薬)は、症状がひどくなってから飲んでも薬の効果も出に

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑥〜花粉症〜

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑤〜月経痛〜

          女性の3大漢方薬のご説明が終わったところで、今回は、『月経痛』に対しての3つの漢方薬の使い分けを詳しく見ていきましょう。 月経痛 月経痛は『毎回の月経期あるいは月経前後数日に、主に腹や腰の痛みが起こること(頭・胃・四肢など他の部位が痛むこともある)』と定義されます。 痛みが生じる時期・部位・痛みの性質は、その方の弁『証』と深く関係しています。 痛みが起こる時期 痛みが起こる時期は、大きく分けて ●月経前半(月経前〜月経期間の前半 ●月経後半(月経期間の後半~終了後

          専門家目線になる漢方薬の使い分け⑤〜月経痛〜