中医学の応用③・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜湿滞タイプ
毎日疲れる、からだがだるい・・そう感じる時の3つ目は『湿』が原因となっているものです。
湿滞タイプ
様々な原因で体内に『湿』が多すぎるために、気の流れが悪くなっている状態で、、余分な水分をかかえるためからだが重だるく、血管を圧迫したり神経伝達を圧迫して全身のはたらきが低下する状態です。
2つの湿滞タイプ
湿滞タイプは、主に2つのタイプに分けられます
●湿阻気機タイプ
:余分な湿が気の流れを滞らせてしまう状態
●湿熱壅滞タイプ
:余分な湿と熱が気の流れを滞らせてしまう状態
湿阻気機タイプ
体内の『湿』は、脾で生まれやすいと言われています。
本来、『脾』はカラッと乾燥している状態を好むので、湿度が高い日本の夏は特に脾のはたらきが悪くなりがちです。
夏場に冷たいものをとりすぎたり、甘いものや油っこいものを食べすぎたりすると、胃腸に負担がかかってしまい、『湿』が生まれてしまいます。
湿阻気機タイプの主な症状
✔︎ 倦怠感がありからだがおもだるく、むくみを伴う
✔︎ 食欲不振・吐き気・泥状便
✔︎ 頭がぼんやりする・いつも眠い
✔︎ べっとりした厚い舌苔
湿阻気機タイプに使える漢方薬
●胃苓湯
●藿香正気散
湿熱壅滞タイプ
湿邪が停滞して熱が生まれた、または過度の飲酒などが原因で体内で生まれた湿熱が原因で、気の流れが悪くなっている状態です。
熱で蒸されるような症状が現れるのが特徴です。
体内の水分停滞と同時に炎症や神経系の興奮による熱症状を呈する病態で、ウイルス性疾患・自律神経失調症・飲酒癖・美食・大食などで見られます。
湿熱壅滞タイプの主な症状
✔︎ 全身倦怠感・からだが重怠い・むくみ
✔︎ 頭の発汗
✔︎ 口が粘る・強い口臭や体臭
✔︎ 腹満・下痢
✔︎ 微熱
✔︎ 尿が濃く少ない
✔︎ 悪臭のあるおりもの
✔︎ 黄色くべっとりとした舌苔
湿熱壅滞タイプに使える漢方薬
●茵蔯五苓散 など
このタイプでは、湿と熱を除く必要があります。
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