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『Cloud クラウド』を見て -陰謀論・悪意・女・ドア-
黒沢清監督最新作『Cloud クラウド』が大変面白かったので、その感想をば。
以下、多少ネタバレを含むので鑑賞後にお読みくださるのが良いかと思います。
陰謀論に囚われた世界なるほど確かに00年前後の黒沢清の作風だった。意図的にロケーションを引用している節もある。しかし、「あの世」に踏み込んでいくような諸作に対し、今作が連れていってくれるのは陰謀論の延長線のような世界に留まっているように思える。具
仮面ライダーガッチャードを見終えて
明確に良い回と悪い回がハッキリと分かれていた印象。まぁ好き嫌いかもしれない。
まず、渡辺勝也が素晴らしい。5・6話のプロレス回は長谷川脚本の熱量をしっかり画面に乗せていてブチ上がる。長谷川脚本は料理の仕方によってはクドくなることも多いんだけど、ナベカツは巧いね。
続く14話ではりんねと宝太郎の橋でのやり取りがスゴい。りんねが橋の上で宝太郎に悩みを話す→回想→りんねだけ橋の下に降りている、宝太郎
2023年映画ベスト
1.『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』マリア・シュラーダー
目を惹く存在感のキャリー・マリガンに対して、ゾーイ・カザンは場に目を向かせる。たとえば自室でマッゴーワンからレイプの仔細を聞くショットではカザンよりも背後の揺れるカーテンに目が行くし、横断歩道でグウィネス・パルトローから電話がかかってきて、渡り切った先の少し芝生のある歩道で話をする彼女を捉えたロング・ショットなども印象的
毒を以て毒を制す -『ジャッカー電撃隊』の美学-
今でこそ「スーパー戦隊シリーズ」の第2作として知られる『ジャッカー電撃隊』(1977)。
大人気を博した『秘密戦隊ゴレンジャー』の後番組として放送されるも視聴率は振るわず、数々のテコ入れを行うも最終的には35話で打ち切りとなったため、世間的には失敗作と見做されている…と思う。
しかしシリアスな序盤を評価する声も多く、実際そこはおもしろいのだ。そこをヒントに、では何がダメだったのか、今回思うところ
おれはホミサイドを見たぞ! - 6.4後楽園ホール NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY NIGHT 1 -
久々にプロレス観戦へ行ってきました。
「NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY NIGHT 1」!
僕がプロレスを見に行く基準は大きく分けて二つあって、ひとつはシンプルに見たい試合があるかどうか。もうひとつは見たことない外国人選手を見れるかどうか。今回は主に後者が目的でした。
もうずーっとトム・ローラーとジョン・モクスリー、WCWCは生で見たかったんですよね。それが一挙に見
ズームの魔術師 - ロバート・アルトマン傑作選 -
同じ作家の映画を続けてみるといろんな発見がある。なのでなるべくそうしたいのだが、時間が取れなかったり、途中で味変したくなったりでなかなか続かない。
しかし今回のロバート・アルトマン特集は3本のみ。コンプリートしやすそうだったので行ってみるかと思い立つ。
アルトマンは随分前に『Dr.Tと女たち』をアマプラで見たっきりで、自動翻訳っぽい字幕だったのもあり全然覚えていない。というわけでほぼほぼ初遭遇