ハンソクマケ

特撮、映画など好きなものについて。

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最近の記事

渡辺勝也研究① 補 -「スーパー戦隊らしさ」とは何か-

先日、「渡辺勝也研究①」なるnoteを公開した。 数多のスーパー戦隊シリーズを手掛けている渡辺勝也に注目し、その監督作を続けて見ていったら何か発見があるのではないか?という試みだ。 そして、延いては「スーパー戦隊らしさ」というものを言語化できないか、という命題を打ち立てている。 ①では『ジェットマン』から『カクレンジャー』までを取り上げたが、今回は現段階で「スーパー戦隊らしさ」と言えそうなものを、備忘録として残しておきたい。 まぁ…至らない箇所も多いので、肩の力を抜い

    • 渡辺勝也研究①

      はじめに渡辺勝也という映像作家がいる。 Wikipediaを見ると、フィルモグラフィーのほとんどは東映の特撮ヒーローものである。 90年代初めから現在に至るまで、スーパー戦隊、メタルヒーロー、仮面ライダーまで、手がけたシリーズは多岐に渡る。 中でも多いのはスーパー戦隊シリーズであって、その歴史の成立には渡辺勝也が大きく関わっていると言っていい。 今回は、「渡辺勝也研究」と題して、まぁ研究と言ってしまうと大袈裟ではあるのだけれど、氏の作品を順繰りに、なるべく網羅的に見て、なに

      • 私見 特撮ドラマ編 -自己紹介も兼ねて-

        前置きさて、今回は特撮ドラマに関して自分が思っていることをサラッと書いてみる。 というのも、現在「渡辺勝也研究」というnoteを書いているのだが、その前に自分のスタンスを表明しておいた方が伝わりやすいのではないかと思ったから。 その中で、少し自己紹介的な話題にもなっていきます。 前置きを長々と書くのも苦手なので、とっとと本題に入る。 呼称についてまず、呼称について一応の定義をする。 (読み飛ばしても差し支えないです。) 現在、仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマン

        • 『Cloud クラウド』を見て -陰謀論・悪意・女・ドア-

          黒沢清監督最新作『Cloud クラウド』が大変面白かったので、その感想をば。 以下、多少ネタバレを含むので鑑賞後にお読みくださるのが良いかと思います。 陰謀論に囚われた世界なるほど確かに00年前後の黒沢清の作風だった。意図的にロケーションを引用している節もある。しかし、「あの世」に踏み込んでいくような諸作に対し、今作が連れていってくれるのは陰謀論の延長線のような世界に留まっているように思える。具体的には以下の通りだ。 物語後半、5chのようなネット掲示板を通じて、転売屋・

          仮面ライダーガッチャードを見終えて

          明確に良い回と悪い回がハッキリと分かれていた印象。まぁ好き嫌いかもしれない。 まず、渡辺勝也が素晴らしい。5・6話のプロレス回は長谷川脚本の熱量をしっかり画面に乗せていてブチ上がる。長谷川脚本は料理の仕方によってはクドくなることも多いんだけど、ナベカツは巧いね。 続く14話ではりんねと宝太郎の橋でのやり取りがスゴい。りんねが橋の上で宝太郎に悩みを話す→回想→りんねだけ橋の下に降りている、宝太郎は背景となった橋の上に立っている→回想→宝太郎、りんねの側に寄り添う。この一連の

          仮面ライダーガッチャードを見終えて

          デ・キリコ展に行く

          4月末日、東京都美術館で開催中のデ・キリコ展へ行ってきた。 開幕してすぐであったので混んでるかと思いきや、そこまででもなく、じっくり見ることができた。 ということでぽちぽち感想を書いてみたい。 ちなみに解説文は真剣に読んでないので、ぼんやりとした記憶と直感のみの感想です。公式HPで確認できるところは頑張って補足してますが、誤りがあったらごめんなさい。 ホッパー的な光 最初は〈SECTION1 自画像・肖像画〉のコーナー。あんまりピンと来ず。上手いけど、みたいな。さらっ

          デ・キリコ展に行く

          2023年映画ベスト

          1.『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』マリア・シュラーダー  目を惹く存在感のキャリー・マリガンに対して、ゾーイ・カザンは場に目を向かせる。たとえば自室でマッゴーワンからレイプの仔細を聞くショットではカザンよりも背後の揺れるカーテンに目が行くし、横断歩道でグウィネス・パルトローから電話がかかってきて、渡り切った先の少し芝生のある歩道で話をする彼女を捉えたロング・ショットなども印象的。ただ聞く、という画面をこれだけ持続させているのは、構図/逆構図の際のショット・

          2023年映画ベスト

          2023.12月の俳句

          毎月末更新、ワタクシの詠んだ俳句を出来の良し悪しにかかわらず曝け出していく回です。 ↓前回はこちら↓ ******* 基本的に上から順に気に入っております。 それではどうぞ。 カラカラの銀杏落葉の死に損い 銀杏落葉ってそれこそ絨毯のようにぶわーっと地面に広がっている風景を思い出しがちですが、カラカラに干からびた葉が1枚だけ道路脇に残っている景を見て「ああ、いいなあ」と思い句にしました。ただ1枚だけだってことが伝わりづらい気もしますが…。 しもやけをあえて育てて後悔

          2023年11月の俳句

          毎月末更新、ワタクシの詠んだ俳句を出来の良し悪しにかかわらず曝け出していく回です。 ↓前回はこちら↓ ******* 基本的に上から順に気に入っております。 それではどうぞ。 河豚と云ふそのいめえじの白さかな 白いか…?というのはさておき、古風な雰囲気を出せました。 また食べたいなぁ、河豚。 冬林檎笠置シヅ子を口遊む まあそのままですね。単なる連想ゲームというか。 今月はなんと2句でした…。 来月は時間を割きたい! ではまた。

          2023年11月の俳句

          2023年10月の俳句

          毎月末更新、ワタクシの詠んだ俳句を出来の良し悪しにかかわらず曝け出していく回です。 ↓前回はこちら↓ ******* 基本的に上から順に気に入っております。 それではどうぞ。 冷まじや発車時刻は刻々と 徐々に寒い朝を迎えることも増えてきて、季節感はいい感じに表せたかなーと。なんとなく俳句らしい佇まいな気もして気に入っています。 コーギーも魔女の格好ハロウィーン コーギーで詠みたかっただけでしたが、案外悪くないかと。 可愛い姿が目に浮かびます。 冬支度リッスント

          2023年10月の俳句

          毒を以て毒を制す -『ジャッカー電撃隊』の美学-

          今でこそ「スーパー戦隊シリーズ」の第2作として知られる『ジャッカー電撃隊』(1977)。 大人気を博した『秘密戦隊ゴレンジャー』の後番組として放送されるも視聴率は振るわず、数々のテコ入れを行うも最終的には35話で打ち切りとなったため、世間的には失敗作と見做されている…と思う。 しかしシリアスな序盤を評価する声も多く、実際そこはおもしろいのだ。そこをヒントに、では何がダメだったのか、今回思うところがあったのでちょっと書いてみることにした。もちろんいろいろな要因があるわけで、あ

          毒を以て毒を制す -『ジャッカー電撃隊』の美学-

          2023年9月の俳句

          毎月末更新、ワタクシの詠んだ俳句を出来の良し悪しにかかわらず曝け出していく回です。 ↓前回はこちら↓ ******* 基本的に上から順に気に入っております。 それではどうぞ。 秋風が吹くラジオ消し目を瞑る 本当に暑い9月でしたが、風にだけは秋を感じます。この句は5・7・5の中に動詞を詰め込めるだけ詰め込めたのがなんとなく気に入りました。 折り紙を折る秋風が吹き抜ける これもやはり風と動詞。 月光や中の見えない寿司屋かな 中は見えないけどひと気のある寿司屋、街

          2023年9月の俳句

          2023年8月の俳句

          毎月末更新、ワタクシの詠んだ俳句を出来の良し悪しにかかわらず曝け出していく回です。 ↓前回はこちら↓ ******* 基本的に上から順に気に入っております。 それではどうぞ。 炎天下オープンバスの朱さかな 都内の観光名所でたまに見かけるオープンバス。僕は赤いのしか見たことがないんですが、夏らしいなと思います。まぁ死ぬほど暑そうですが…。 しかし「赤」にするか「紅」にするか「朱」にするかでかなり迷いました。結局気を衒いましたが、ストレートに「赤」でもよかったかなぁ。

          2023年8月の俳句

          2023年7月の俳句

          毎月末更新、ワタクシの詠んだ俳句を出来の良し悪しにかかわらず曝け出していく回です。 ↓前回はこちら↓ ******* 基本的に上から順に気に入っております。 それではどうぞ。 町会の小さく強き夏祭り その辺の小さな公園とかで櫓が組まれていたり提灯がさがっていたりする風景が帰ってきました。大きな祭りや花火大会は結局大味な気がして、風情でいえば小さな祭りに軍配が上がると思います。そういう愛おしさが伝わっていたらいいな。 生ビール片手に騒ぐ恋敵 最後に「恋敵」みたいな

          2023年7月の俳句

          おれはホミサイドを見たぞ! - 6.4後楽園ホール NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY NIGHT 1 -

          久々にプロレス観戦へ行ってきました。 「NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY NIGHT 1」! 僕がプロレスを見に行く基準は大きく分けて二つあって、ひとつはシンプルに見たい試合があるかどうか。もうひとつは見たことない外国人選手を見れるかどうか。今回は主に後者が目的でした。 もうずーっとトム・ローラーとジョン・モクスリー、WCWCは生で見たかったんですよね。それが一挙に見れるとあっては行くしかない!と久々にチケットを購入。 正直高かったけど、でも元を

          おれはホミサイドを見たぞ! - 6.4後楽園ホール NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY NIGHT 1 -

          2023年6月の俳句

          どうも、反則負けです。 今回は毎月末更新、ワタクシの詠んだ俳句を出来の良し悪しにかかわらずさらけ出していく回です。 すっかり夏バテ中ですが、負けずにやっていくぞ! ↓前回はこちら↓ ******* 基本的に上から順に気に入っております。 それではどうぞ。 梅雨空や唸りを上げる重機かな 最近身近は建設ラッシュで、いろんな重機が動いている。雨の日も風の日も晴れの日も。 曇天の雰囲気と重機が合うかなと思ってるけどどうでしょう。「梅雨晴れ」でもカッコよかったかもしれないと

          2023年6月の俳句