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【建築家の女房役?】構造家って何者?SDレビューに入選したので考えてみよう【マンガで分からない構造設計一級建築士】
構造家の夫が携わったプロジェクトが、SDレビューにクレジットは載せていないけど入選したらしいので、これを機に『構造家』とは…?を、建築設計や建築史の道を通らず生きてきた私、『ハッカ』が考えてみようと思います。
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■今までの夫の観察日記
マンガで分からない構造設計一級建築士を先読みしたい方はコチラからどうぞ
『SD Review』ってなんだ?
まず、そこから行きましょう。この記事は、もしかすると、こんな人が興味を持って読んでくれているのかも知れません。
■こんなあなたは、『建築フリーク』
・建築家だ/構造家だ/建築学生だ/建築学科に所属していたことがある
・建築が好きだ/建築に興味がある/建築史を研究している
・近代建築やレトロ建築が好き/モダニズムが好き
・建築を見たいので国内旅行/海外旅行/留学している
・建築関係の仕事をしている/建築関係の就活中だ
・一級建築士とかだ/一級建築士試験とかを受けようとしている
・アートやデザインが好きだ
・とりあえず何かしらのオタクだ
いわゆる建築好きな人だったり、建築道を志す人、建築界隈でご飯を食べて生きている人…などなど。
しかし!人生を選択するうちにいつの間にか、『建築フリーク』との生活が始まった人も私の様にいると思うのです。
この記事は、そんな風に建築の超初心者が送る観察日記ですが、建築上級者の方は『俺ら(私ら)って、こんな風に見られているんだな〜』と思いながら読んでくれたら嬉しいです。
今年のSDレビュー入選者は13組!
SDレビューについて調べました。
SDレビューとは
建築家の槇 文彦氏(1928-)の発案のもと、1982年に第1回が開催され、以降は継続して、毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会と、建築専門誌での誌上発表が行われる。若手建築家の登竜門として名高い。
実現の見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集しているのが特徴で、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程が、ドローイングと模型によって提示される。
『若手建築家の登竜門』、『実際に「建てる」という厳しい現実』…。
なんだか思ってたよりゴリゴリのカッチョイイ賞だったっぽいです。
公式の入選者発表を見てみると…。
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審査員:青木 淳・中山英之・山田憲明・金野千恵
アドバイザー:隈 研吾
あっ…!審査員の方やアドバイザーの方が、建築に詳しくない私でも、オシャレスポット紹介雑誌とかで見た事ある名前の方達だー!という事が分かりました。
おそらくこの賞は、すごい人たちが選ぶのだから、きっとすごい賞なのだろう。
私は、夫から細かくプロジェクトの話は聞いていないので、詳細はまだわからないのですが、Xでフォローしている建築界隈の方がSDレビューに注目している様子や、夫のクレジットが載せられなかった事を悔しがってくれる方や、入選を喜んでくださる方を見ると、
『若手建築家の登竜門』と言われる賞なだけあって、『すごい人が選ぶ位なのだからきっとすごい賞なんだろう。』という浅めの認識は、完全に権威性で判断している感想ではあるものの、あながち間違っていない様です。
そんなSDレビューですが、入選作品はしっかり展覧会も行うらしい。確かに夫も『展示に向けて模型がどうのこうの…』と言っていました。
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そうなると勿論私も夫とともに展示を観に行く事になるのですが、そこでよぎるのは、『建築界隈の知り合いに妻として紹介されるタイム』の不安です。
建築人の『ご出身はどちら?』=『出身大学か研究室』説
建築に特に大きな関心が無かったとはいえ、夫の晴れ姿は見ておきたい。という事で、夫の設計した家の内覧会や上棟式、参加展示やプレゼンを観に行く機会もしばしば。
そして気付いた事がひとつ。
構造家の夫がいると、自分も建築関係者だと思われるらしい
これ、すごく不思議だなあ〜と思います。
私は美大出身で、自分も絵を描いたり何かを企画したりと、美術〜デザイン業界に居た身なので、周囲に作家やデザイナーの友人はたくさん居ます。でも、彼ら、彼女らのパートナーも、同じクリエイティブ業界だろうなという前提で見た事は無かったんですよね。
でも、建築関係の各種イベントで、夫の知り合いの方からよく『ご出身はどちらで?』と訊ねられる事で気付きました。
今まで『福島県の新幹線が停まる、割と福島県の中では都会の方です。』と答えていたのですが、あれは、地元を聞かれているのではなく、私が建築出身者である事を前提で、出身大学や研究室を問われていたっぽいです。
夫が、『ああ、彼女は建築関係者ではないんですよ。』と毎回言葉を添えてくれるので気付きました。
建築学生時代にパートナーを見つけ、建築家夫婦になったりするらしい
もしかして、建築界隈って学歴至上主義のとってもアカデミックな場所なのか…?と思いましたが、そういう訳ではなく、単純に『建築学生時代に、同じ建築好きの相手を選び、社会経験後、独立して建築家夫婦になる』事は割とあるあるな事象らしいのです。
だから、『XX大(夫の出身大学)のお知り合いとかだったのですか?』とかもよく聞かれていたのか〜!と納得。
『構造家』がレア職業たる所以
私が建築人たちに『奥さんも同業者だろう』と思われるのも仕方ないのかも知れません。なぜなら、構造家って、建築業界でも生息数が少ない様なのです。
建築の設計は、意匠設計、構造設計、設備設計という3つのパートに分かれ、それぞれが関係し合いながら建設物を作り上げます。
意匠設計というのは、皆さんが一般的にイメージする図面を起こす・建物をデザインする業務です。
建築物の美観と機能性を高めることに焦点を当てた設計活動です。意匠設計者が業務を行い、建物の外観だけでなく、内部空間の配置や材料の選択、照明や色彩といった要素を通じて、使う人の快適性や建物の環境への配慮を考慮します。
構造設計は、建築物が安全に機能するための骨組みや支持体系を計画するプロセスです。
構造設計者が業務を行い、意匠設計者が作成した物に対して、建物が自然災害、特に地震や強風に耐えられるようにするための詳細な計算と分析をするプロセスになります。
設備設計は、建物内の快適で健康的な居住環境を提供するために必要な機械的、電気的システムを計画します。
設備設計者が行い、これには、暖房、換気、空調(HVAC)システム、電気配線、水道設備、排水システムなどが含まれます。
つまり、構造家は、建築の美観と、機能を融合させる立場であり、それを実現するために、建物の荷重分析や構造的強度の評価をする、数学や物理のスキルが必要という事ですね。
『一級建築士』と『構造設計一級建築士』という資格
構造家として活動する際に役立つ資格としてよく挙げられるのが、『一級建築士』と『構造設計一級建築士』の2つの資格。
建築初心者である私としては、一級建築士という言葉は知っていても、『構造設計一級建築士』という資格は夫に出会うまで知りませんでした。
この資格が出来たきっかけとして、2005年に発覚した耐震偽装問題(構造計算書偽造問題)があります。
耐震偽装問題(構造計算書偽造問題)
2005年(平成17年)11月17日に国土交通省が千葉県にあった建築設計事務所のA元一級建築士によって、地震などに対する安全性の計算を記した構造計算書が偽造されていたことを公表したことに始まる一連の事件。
地震多発国の日本において、建築基準法に定められた耐震基準を満たさないマンションやホテルが建設されていたという事実は、人命や財産に関わるものであることから、大きな社会問題となった。
この事件の発覚がきっかけとなり、建築基準法の改正が行われ、2008年には『構造設計一級建築士』というより専門性の高い資格が新たに設けられたのです。
この資格は、建設物の構造の安全性を評価し、設計する専門的な能力が求められるため、構造力学、建築材料学、建築法規など、複数の分野にわたる知識とともに、実際のプロジェクトで起こる可能性のある問題の解決能力や判断能力が必要とされるのですって。
そもそもの受験資格のハードルの高さもあってか、一級建築士の全体数に対し、構造設計一級建築士はそのうち数%程度とかなり少ない比率で存在している様です。
■構造設計一級建築士の資格受験資格
・一級建築士免許を取得している事
・5年以上の実務経験(構造設計業務や審査)がある事
そんな構造設計一級建築士の資格ですが、建築物の中には、『構造設計一級建築士による設計への関与が義務付けられる建築物』という、資格所持者が必要となるものもあるらしい。
・高さが60メートルを超える建築物
・木造建築物で、高さが13メートルを超えるか軒高が9メートルを超える場合
・鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造で、高さが20メートルを超える建築物
・鉄骨造の建築物で、高さが13メートル超、軒高9メートル超、4階建て以上のいずれかを満たす場合
・柱の間隔が長い、または耐力壁が少ない建築物
簡単にまとめると、マンションや、学校や図書館などの公共施設とかですね。厳しい受験資格のハードルには、人の安全を守るという倫理観や誠実さの重みも求められているのかも知れません。
構造設計一級建築士の倫理観が伝わるマンガ
そんな構造家ですが、建築の美と安全を守る戦士として、日々アンテナを張って生きている様で…。夏の暑い日にはこんな光景を見かける事も。
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こんな感じで、夫は日々、何かに取り憑かれた様に建築と向き合っています。
ちなみに、夫は本当に安藤忠雄(あんただ)さんみたいな髪型をしているので、SDレビューの展示でそんな感じの人を見かけたら、ぜひ声をかけてみてくださいね。
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夫のプロフィール
村上翔 / SCALA Design Engineers (スカラデザイン)
横浜で事務所を構え、建築物その他工作物に関する構造設計、現場監理、構造コンサルティング業務や既存建物の耐震診断・改修業務を中心に取り組んでいる。1987年、神奈川県生まれ。横浜国立大学、東京工業大学で建築を学び、卒業後は株式会社構造計画プラス・ワンを経て、2020年SCALA Design Engineersを設立。
こんなにキャラの濃い構造家でも、立ち位置は『建築家の女房役』?
建築は、意匠設計、構造設計、設備設計のそれぞれの領域を行き来しながら、美観と機能の辻褄が整えられていく訳ですが、構造家は、『建築家の女房役』とか、『裏方』として表現される時代もあったようです。
たとえ、どんなにその空間の実現に対して重要な貢献を果たしたとしても、構造家の名前が建築家と共に並んで社会的な評価の場に表されることは稀といえます。
協同の楽しさを味わう一方で、満たされぬ気持を抱くエンジニアが多いかも知れません。
それでも、現在は、構造家に焦点を当てた展示もあるように、少しずつ認知は広まっている様です。
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感覚する構造– 法隆寺から宇宙まで –
会期
2024年4月26日(金)―8月25日(日)
会場
WHAT MUSEUM
(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺⽥倉庫G号)
開館時間
火曜—日曜 11:00 — 18:00(最終入館 17:00)
※月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入館料
一般:1,500円
大学生/専門学校生:800円
高校生以下:無料
でも、それでもやっぱりまだまだ構造家の認知度は低い気がします。
きっと、建築フリークの間では、構造家はきちんとその存在や重要性は知られていると思うのですが、私の様な建築界隈以外の人間からはまだまだ認知度の低いレア職業が構造家…。
「建築家をやっています。」は、建築を知らない人が聞いても、「へえ〜!なんかスゴイですね!」ってなるけど、「構造家をやっています。」は、「へえ〜!?そういう職業もあるんですね!」になりますもの。
そうだ、私が『構造家』を広めてあげよう!
という事で、妻として、頑張る夫を応援したい!
夫の人柄や思考を『らしさ』として伝え、彼が好きな人を集めよう!『構造家』という存在を、建築界隈以外の人にも知ってもらおう!と思っています。
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構造家の扱う、数学とか物理学だったり、構造デザイン自体の面白さって、領域以外の人からすると、なかなか小難しく見えると思うけれど、今回の様に、漫画にしてみたりしたら、ちょっとは面白がってもらえるんじゃないかな?
そして、『女房役』や『裏方』と称されるかつての構造家の立ち位置が変化してきた様に、これからの構造家の在り方も変わっていく様な姿が出来たら、とっても嬉しいな。
建築と、それ以外の領域を横断しよう
夫が主催する、SCALA Design Engineers (スカラデザイン)は、横浜・関内に事務所を構える構造設計事務所。
スカラデザインという屋号は、ラテン語が由来なんだって。
■スカラの語源について
ラテン語の階段,または目盛を意味するscalaからきた。長さ,時間,温度,質量,電荷などがスカラーである。これは力のように大きさと方向をもつベクトルと区別するために用いられる概念である。
英語のスケール(scale)とも同じ語源だそうで、他にも、梯子という意味も含んでいます。
『力の様なものを計測する』という、単語自体の意味もそうですが、夫は、構造家として、建築家の思い描く意匠を実現するエンジニアとしてだけではなく、建築と、例えばマンガやアニメ、哲学など…様々な建築以外の事も領域を横断しながら、自分自身と世界を考え、構造家としての作家性に深化していきたいらしいので、『階段』や『梯子』といった何かを行き来する機能を持つものを表すこの屋号は、とても夫らしいな、イケてるじゃん。と感じています。
私は、アートディレクターとして企画をしたり、何かを作ったりする他に、作家として絵を描く一面もあるのでわかるのですが、『作家性』は、自分と世界を行き来する中で、自分の中からこぼれ落ちた発見や溢れた感情から始まるものだと思うので、その姿勢にはすごく共感できるし、自分のマンガや文といった発信が、夫と世界を繋げていく架け橋になっていったらいいなと心から思うな。
『建築とアニメを交互に語るラジオ』で領域を漂う
そんな彼ですが、建築仲間と共に、spotifyで建築とアニメとかそれ以外の事を語るラジオをやっています。
月に1回くらい、仕事後に夜な夜なマイクを用意し、仲間たちと一緒に2時間くらいぶっ通しで話しているのを見かけます。
正直、結構睡眠の妨害になりますが、これも夫にとっては作家性を高めるための大事な時間なのでしょう。ヨシとしよう。
そして、男3人組が仲良く雑談している様は、割と癒され、ある角度から捉えるとBL的でもあり、特定の層から意外と需要がある様です。
建築好き、アニメ好き、BL好き、作業BGMを探している…という方は是非聞いてみてください。
また、ラジオメンバーの1人、田中麻未也(たなかまみや)さんはアマミヤデザインという屋号で建築家として活動されています。
そんな彼ですが、ただいま開催中の『蟲??? 養老先生とみんなの虫ラボ』という養老孟司さんの展示の、企画・広報・グッズ制作・協賛関係など…を手掛けたんですって!
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蟲???展は、noteやInstagramでも情報を発信しているので、昆虫好き、養老孟司さんファン、鎌倉で遊ぶ予定がある…なんて人は是非チェックしてみてくださいね。
グッズも可愛かったですよ。
そういえば、美しいモノが解る、数字に強い人と結婚したかったな
ここまでで『構造家って、数学や物理学の深い理解もいるし、美的感覚も必要だし、すごい職能だな〜』、『その割に認知度が低いから、私が広めてあげよう!』というだけの話をしているのですが、ついてこれている人はいるのでしょうか?
居ないと思うので、以下は夫への『語り』とします。
敬愛する夫へ
私は、とても数字が苦手で、時計すら、いつもパッと見では時間を把握できません。
なので、仕事をする時は、googleカレンダーに予定を入れ、『あ、あと次の予定まで白いマスが3個あるから1本くらいは企画書できるな!』みたいな捉え方をしています。(やばい)
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いっぱいあると
その日は安心できます。
そんな自分がなんとか社会でやってこれたのは、『この人の作ったモノはなんだかんだ売れるから、原価計算がすごい事になっているけど、やらせてあげよう』とGOを出してくれた上司だったり、
『仕事はチームなので、数字以外の得意な部分をやらせてあげよう』と仕事を分担してくれたチームメンバーが常に居たからです。
そんな感じで、今所属しているfūunを始めとした、いくつかの会社では適材適所で働かせてもらえ、色んなタイミングとご縁が重なった時には、『伝説のプロデューサー』なんて呼んでもらえる事もありました。(人生のネタになるとても貴重な体験でした。)
そんな一連を通じ、思ったのです。
私の『苦手な事』が『得意な事』な人と一緒に居たら、最強かも!?
夫婦って、チームであり、戦友であるらしい。
夫婦を2人だけの最小単位の組織、運命共同体だと考えると、その1対1の関係からどれだけ世界を発展させていくかが重要だったりするんじゃないだろうか。
私は、人生の中で『美』が大きなテーマなので、同じくらい美について考えようとしている人と一緒に生きていきたかったし、その中で、私が苦手な事を前に躓いてしまう時は、一緒に転んでしまうのではなく、導いてくれる人と結婚したかった。チームとして発展しやすい相性の人が良かった。
私の弱みをカバーしてもらう代わりに、私が得意な事、全部でその人を応援したかったのです。
私は、建築家夫婦として、夫の設計を手伝ったり、模型を作ったり…。そういう事は出来ません。数字も苦手だから、事務所の経理も出来ない。人付き合いも苦手だから、営業して仕事を取ってきたりも出来ないです。ごめん。
でも、企画したり、文を書いたり絵を描いたり、それを元にSNSで広報をしたり、webサイトをディレクションしたり…。そんな事は出来ますよ。
夫が、自分の見せ方が上手な、器用な構造家じゃなくて良かった。
SNSの広報をついつい後回しにしてしまうタイプで良かった。構造家でアニオタっていう分かりにくいパーソナリティで良かった。
一般的な『建築家夫婦』では出来ない様な捉え方の、建築とそれ以外の領域の横断に、私が建築以外のあの手この手で、挑戦していくぞ〜!と意気込んでいます。
これは、そんな歪な2人から初める壮大な実験であり、ストーリーなのです。
恋は事件ではなく、事故なのだ
友人から、夫に対する私の動向を見て、『ヤンデレだね』と言われました。
■ヤンデレとは
誰かを慕うあまりに精神が病んだ状態を指す言葉。
簡単に説明すると、「相手への好意が強く高まり過ぎた結果、病的な精神状態になってしまうこと。もしくはそうした精神状態」といった意味合いの言葉である。
言われた側としては、割と満更でもありません。それだけ夫が好きだという証なのでしょう。
それに、私の好きな言葉に、こんな言葉があります。
恋するひとは狂気のひとだ。彼らの目は中心を失い、虹色になって輝いている。うらやましいがおそろしい。それはもはや、尋常な状態ではないのだから。恋は事件でなく、事故なのだと思う。
私は、夫が出張でいない時など、寂しさを紛らわす意味も兼ね、夫の広報をしまくってしまうのですが、恋しいがあまり、狂気が高まってしまっていると考えるとそれも納得です。
そういえば、万葉集の恋の歌は『相聞歌(そうもんか)』と呼ばれるのですが、相聞歌の割合は万葉集全体の約半数を占めているんですよ。
恋しさのあまり、広報活動がブーストする私のように、1300年以上も前の人々も、恋の狂気に駆られて何かを創造してきたと思うと感慨深いです。
これからも構造家を観察し続ける、という選択
恋という感情は、ドーパミン量の関係だかで、3年くらいで消える反応らしいです。
私は、その感情が消え失せた後も、構造家である夫を、自分の出来る事で応援し続けたい、し続けなければいけない、と思っています。
なぜなら、夫は、生涯現役の構造家でいる人生を選んでいるから。
夫婦はニコイチ!!!夫のより良い構造家ライフを2人一緒の目標といて全力応援するぞ!
それに、私は私で、そんな夫を一番近くで凝視しつつ、己の『美』について考えていきたいと思っています。
いやはや、夫を選び、選ばれた事が、私の人生のハイライトです。本当。
以上、そんな感じの記事でした。
私の狂った広報や夫が気になる方は、是非以下のまとめからチェックしてくださいませ。
インターネットの端っこから、愛を込めて。
fūun・『ハッカ』より。