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【マーケティング】自分のビジネスの「消費者ニーズ」の解像度を高める方法

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
情報過多で“選択疲れ”する消費者……。
技術革新により商品やサービスの差別化が困難になり、「コモディティ化」が進み続けている……。
 
今、本当の消費者ニーズを反映した差別化ができない時代です。
 
消費者の立場になってみると感じることですが、栄養ドリンクにせよ、洗剤にしろ、家電にしろ、効能や機能などは一定水準を超えており、何がどう違うのか、その差が見えにくくなり、どれを買おうかわからなくなるときってないでしょうか。
 
消費者心理分析専門家今まで2万人超の消費者の潜在ニーズを掘り起こしてきた犬飼江梨子さんは、「今の消費者は、情報過多で選択疲れしている」と指摘します。
 
それをふまえると、商品開発やマーケティングをする側としては、今まで以上に、消費者のニーズを正確に把握し、ターゲットの問題解決となる商品戦略を打ち立て、売れるコンセプトに落とし込むことが求められているわけです。
 
そんななか、先述の犬飼さんが、脳科学と心理学をベースに、これまで培ってきた経験、知識、知恵から導き出した「ニーズ・ファインディング・メソッド」について、豊富な事例を交えながらわかりやすく解説した新刊『「消費者ニーズ」の解像度を高める』が11月13日(Amazonでは11月11日)に発売されます。

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そこで今回は、同書発売に先立ち、このnoteで特別に、同書「はじめに」「目次」を全文公開します。

はじめに──消費者ニーズの解像度を高める、究極のニーズ発見法

消費者ニーズを反映した差別化ができない!?

「お客様に不満を聞いても、〝特にありません〞と言われるばかりで、目新しいニーズを発見することができない……」
 こんな悩みを抱えていませんか?
 技術革新により商品やサービスの差別化が困難になり、「コモディティ化」が進む今日。それでも、競争に勝ち抜くためには、自社商品の優位性を確立しなければなりません。この課題に、マーケティングや商品開発に携わる皆さんは日々頭を悩ませていることでしょう。
 私は2005年からマーケティングリサーチの現場で活動し、これまで500件以上のプロジェクトで、消費者ニーズの発見を支援してきました。
 2万人以上の消費者にインタビューを行ない、彼らの声を引き出してきましたが、クライアントの多くが共通して抱える悩みは、
「消費者ニーズを反映した差別化がうまくできない」
 という点です。
 情報があふれる今の時代、専門家であっても、消費者の本質的なニーズを見つけるのは簡単ではありません。本書では、独自メソッド「ニーズ・ファインディング・メソッド」を使い、マーケターたちの製品づくりや売上アップを支援してきた実績を基に、消費者の本質的なニーズを見つける方法を解説します。

「ニーズ・ファインディング・メソッド」の5つの原則

「ニーズ・ファインディング・メソッド」の5原則は次のとおりです。

①デプスインサイトクエスチョン:消費者インタビューを通じて、消費者の深層心理を明らかにする究極の質問技法。
②4セグメント・ブラッシュアップ:消費者ニーズの解像度を高める、知らなければ損をするニーズ4分類理論。
③ニーズ・ヴィジュアライズ:発見したニーズを整理し、重要なポイントを可視化する構造的フォーカススキル。
④ニーズ・フォーカス・コンセプトメイク:ニーズを売れるコンセプトに変換する翻訳メソッド。
⑤販売期待値シミュレート:売れるかどうか、コンセプトの商品購買確度を予想する手法。

 本書では、以下のような方々にとって役立つ情報を提供します。

◎消費者が本当に求めているニーズを見つける方法がわからない人。
◎消費者調査の結果を効果的にマーケティングに活かせない人。
◎新商品開発のための最適な調査方法を模索している人。
◎消費者のニーズを引き出し、売れる訴求やコミュニケーションを考えたい人。
◎定量調査はよく行なうが、定性調査の経験が少ない人。
◎現在の消費者調査に物足りなさを感じている人。

本書で得られる2つの効用

 本書で紹介するメソッドを実践することで、消費者ニーズの理解が飛躍的に向上し、売れる商品コンセプトに落とし込むことができるようになります。
 さらに、消費者心理を巧みに活用したコミュニケーション戦略によって、リピーターを増やし、市場での優位性を高めることも可能です。
 ある食品メーカーでは、これまで担当者のインスピレーションに頼って商品開発を行なっていましたが、売上が徐々に下がっていき、今一度、他社との差別化を明確にする必要が出てきました。
 そこで、「ニーズ・ファインディング・メソッド」を用いて、自社ブランドのロイヤルユーザーに調査を行ないました。
 お客様が達成したいと考えている人生の目標(BEニーズ)は何か、それに対して、自社の商品はどのように貢献しているか(エンドベネフィット)を紐解いていき、1つの答えにたどり着きました。
 それは、「機能や価格ではなく、人と人とをつなぐ役割」という結論だったそうです。
 そのストーリーをTVCMや動画広告で展開し、多くの消費者に共感してもらえたことから、売上を1・5倍に伸ばすことができたと言います。
 さあ、次はあなたの番です。
 人の心の仕組みを理解し、「モノが売れない時代」において「売れる手応え」を得られる勝ち組の仕掛け人になろうではありませんか。

無意識に眠る「消費者ニーズ」を引き出し、商品&マーケティングに落とし込む方法、大公開

 本書では、次のような構成で、「消費者ニーズ」の解像度を高める方法、そして、それを商品開発やマーケティングに活用する方法をお伝えしていきます。
 第1章では、「見えざるニーズを探せ!コモディティ化時代の消費者心理」と題して、「他社よりも良い商品なのになぜ売れないのか」という命題を掲げて、最新の消費者心理や行動の傾向を中心に解説します。
 第2章「『深層消費者ニーズ』を丸裸にする」では、独自の定性調査メソッド「ニーズ・ファインディング・メソッド」の全体像を解説し、消費者ニーズの解像度を高めるために、どのようにフォーカスしていけばいいのか、私が培ってきた経験・知恵を活用しながらお伝えしていきます。
 第3章「『ニーズ・ファインディング・メソッド』を実践する」では、章タイトルどおりに、本メソッドの5つの原則に基づいた、メソッド実践法を解説していきます。
 第4章では、「失敗事例から成功法則を理解する」と題して、消費者ニーズの発掘、活用における失敗事例を取り上げながら、成功法則を理解していきます。
 第5章では、隠れた消費者ニーズに基づいた購買喚起ワードを活用した成功事例を見ていきます。そこから見えてくる、隠れた消費者ニーズやマーケティング手法のヒントをまとめています。
 第6章「自分事化で、消費者ニーズがわかるようになる」では、マーケティングや商品開発の方々が陥りがちなワナから距離を置くためのマインド、向き合い方について、あらためて消費者心理分析専門家という立場から自戒を込めてお伝えします。
 本書を通じて、人の心の奥底に眠るニーズを解き明かし、「売れる」を確信できる新たなスキルをぜひ身につけてください。消費者の心をつかむその鍵は、本書を読み終えたとき、あなたの手の中にあるはずです。

「消費者ニーズ」の解像度を高める◎目次

はじめに――消費者ニーズの解像度を高める、究極のニーズ発見法

第1章 見えざるニーズを探せ! コモディティ化時代の消費者心理

◎「コモディティ化」「不満なし」の時代の抜け道はどこにある?
◎消費者の無意識に潜む深層ニーズを掘り起こす2つの手法
◎他社よりも良い商品なのに、なぜ売れないのか?
◎消費者が知りたいのは、「機能的な特長」ではなく、「どのように良いのか」──明確にすべき4要素
◎情報過多で選択疲れする消費者
◎「能動的」から「受動的」にシフトした消費者の購買行動──4つの要因
◎選択疲れの消費者に訴求する3つの視点例
◎行動の95%を支配する「無意識の力」
◎消費者は自分のニーズがわかっていない!?──ニーズの発生モデル
◎イノベーションのヒントをつかむ3つの未充足ニーズ
◎【未充足ニーズ①】実現を望むが、まだ叶っていないニーズ──真の未充足ニーズ
◎【未充足ニーズ②】満たされているが、さらなる向上を求めるニーズ
◎【未充足ニーズ③】新規性を求めるニーズ
◎隠れたニーズ発見の3つの視点

第2章 「深層消費者ニーズ」を丸裸にする――「ニーズ・ファインディング・メソッド」の全体像

◎「ニーズ・ファインディング・メソッド」の5原則
◎真のニーズを捉えたいなら、定性調査一択
◎消費者のニーズを、3段階で構造的に理解する
◎3つのニーズの詳細
◎な消費者ニーズに応えるベネフィット表現の重要性
◎「機能の説明」は「ベネフィット」ではあらず
◎ニーズを把握するときは、まずは顧客のセグメントから
◎顧客セグメントごとに、調査課題を設定する

第3章 「ニーズ・ファインディング・メソッド」を実践する

【原則1】デプスインサイトクエスチョン:本当のニーズを調べるための「無意識領域調査」の実践法

◎ニーズを把握するためのスタンダードな聞き方
◎自社のヘビーユーザーへの聞き方
◎未顧客(認知非購入者、未認知者)への聞き方
◎生活文脈の中で商品ニーズを掘り起こす
◎【事例】「パン」の商品ニーズを掘り起こす
◎プロセス感情の言語化で、潜在的ニーズが見える
◎プロセス感情の言語化に向けた聴取法
◎【事例】食器用洗剤を使用するプロセス感情を明らかにする
◎言葉の意味を深掘りしたいなら、メタファーで捉える
◎【事例】スキンケア商品をメタファーで捉える
◎メタファー画像は、用意するのがいい? 出してもらうのがいい?
◎真のニーズを捉えたいなら、ニーズの上位概念を聞く
◎BEニーズを抽出する方法
◎【事例】クリームチーズでBEニーズを引き出す

【原則2】4セグメント・ブラッシュアップ:消費者ニーズの解像度をさらに上げる、知らなきゃ損するニーズ4分類理論

◎人間の本質がわかる10の根源ニーズ
◎時代とともに変わるニーズと、10年後も売れる商品をつくる秘訣
◎時代とともに変わってきた4つのニーズ
◎ロングセラーコンテンツに求められる4つの視点
◎あなたの顧客はどのタイプ?──ニーズ4分類理論
◎4つのニーズの内容
◎4象限各タイプの特長
◎4分類理論でニーズを整理する
◎【事例】ニーズを4分類理論で整理して、レシピ企画・コンテンツ作成に役立てる
◎ニーズ4分類理論でセグメンテーションを行なう
◎【事例】エンタメやゲームに求めていることを探る

【原則3】ニーズ・ヴイジュアライズ:商品価値構造マップをつくれば、なぜ商品が売れているかが明らかになる

◎エンドベネフィットを、3段階で構造的に理解する
◎「記憶に残る体験価値」の威力
◎エンドベネフィットを明確にするための「ラダリング法」
◎【事例】「1本満足バーPROTEIN」をラダリング法で解析
◎商品の価値を整理すると、自社のUSPが見えてくる
◎4つのステップで分析する
◎USPを特定するときのポイント

【原則4】ニーズ・フォーカス・コンセプトメイク:フォーカスしたニーズから、売れるコンセプトを考える翻訳メソッド

◎誰でも簡単にコンセプトをつくれる! 「コンセプトメイキングフォーマット」を公開
◎コンセプトを考えるための必須3要素
◎「消費者ニーズ」から「商品コンセプト」を作成する手順
◎コンセプトフォーマット記入のポイント
◎「購買喚起ワード」とは何か?
◎ニーズを価値ある商品に変換する10の引き出し
◎2つの思考タイプを意識して売れるコンセプトをつくろう
◎「目的達成型」の消費者へのアプローチ
◎「リスク回避型」の消費者へのアプローチ

【原則5】販売期待値シミュレート:コンセプトの商品購買角度を調べて、方向性を考える

◎作成したコンセプトを評価する「コンセプト・スクリーニングテスト」
◎商品の成功確率を高める「コンセプト・スクリーニングテスト」の実施方法
◎定性調査でコンセプトをブラッシュアップする
◎価格評価を提示するタイミング
◎定量調査で「売れるコンセプト」かどうか、商品購買角度を調べる
◎定量調査の結果分析における設定すべき判断基準の指標
◎コンセプトを絞り込むときは、誰に評価されたかで判断する
◎「売れるか、売れないか」推計値を出して市場ボリュームを算定する

第4章 失敗事例から成功法則を理解する

◎シーズ起点の新商品が陥りがちなターゲット不在のプロダクト
◎【失敗事例】効果をイメージできなかった新成分の化粧水
◎【失敗事例】欲張りすぎた? 多機能炊飯器の落とし穴
◎C/Pギャップが生まれると、リピート購入してもらえない
◎【失敗事例】誇大表現によるパフォーマンス不足の補正下着
◎【失敗事例】消費者の期待とズレるスキンケア・ヘアケア製品
◎失敗事例から見えてくること①
◎こだわりすぎて売れなかった!? 消費者ニーズとのズレがもたらす失敗
◎【失敗事例】本格的すぎて手間がかかりすぎた冷凍パン
◎【失敗事例】素材にこだわりすぎたクラフトビール
◎失敗事例から見えてくること②
◎No1があふれすぎて、効果が弱まっている
◎「社会的証明」を使うときの注意点
◎他社の後追いで迷子になる? 模倣商品開発の落とし穴
◎【失敗事例】家電メーカーが模倣した掃除機
◎失敗事例から見えてくること③

第5章 「購買喚起ワード」で商品が売れた成功事例

◎「オノマトペ」は、なぜ購買喚起ワードとして強いのか?
◎「オノマトペ」を使ったヒット商品を分析
◎伝わりにくい・既視感のある商品特徴をメタファーで表現する
◎「メタファー」を使ったヒット商品を分析
◎「どうなりたいか、どうなれるか」 感情にフォーカスした訴求
◎「感情アプローチ」を使ったヒット商品を分析
◎リアルなシチュエーションが、購買喚起につながる
◎「リアルなシチュエーション」を使ったヒット商品を分析
◎結局、一番強いのは「新技術」
◎「新技術」を使ったヒット商品を分析
◎「コモディティカテゴリー」は、「効能」で一点突破
◎「効能」を使ったヒット商品を分析

第6章 自分事化で、消費者ニーズがわかるようになる

◎今の訴求で、あなたはその商品を買いますか?
◎昔の自分に聞いてみよう
◎機能や価格だけで売ろうとしていないか?
◎「感情が動いた体験」だけが「情緒価値」をつくることができる
◎消費者として心を動かされた商品体験①──期待を超えたおせんべい「瀬戸しお」
◎消費者として心を動かされた商品体験②──ニッスイ「ちゃんぽん」冷凍食品
◎「ちょっとした期待を超える」レベルで、「情緒価値」は十分生まれる
◎なぜ「自分感覚」と「消費者感覚」を重ねることが大事なのか?

おわりに――世の中に、フィールドマーケターを増やしたい


 〈著者プロフィール〉
犬飼江梨子(いぬかい・えりこ)

消費者心理分析専門家。株式会社イー・クオーレ代表取締役。米国NLP協会認定マスタープラクティショナー。LABプロファイルトレーナー。
2005年、株式会社ドゥ・ハウス(現・株式会社エクスクリエ)に入社。マーケティングリサーチ部に所属。食品、飲料、化粧品、医薬品、日用雑貨品のメーカーを主なクライアントに持ち、クライアントの課題解決に向けて、定量調査から定性調査まで幅広い調査に携わる。2013年、株式会社イー・クオーレ創業。定性調査をメインの事業に据える。膨大な質的データをわかりやすくビジュアル化することが得意。消費者心理分析専門家として、20年間に500案件以上を受託し、2万人の消費者にインタビューを実施。人の心と脳の仕組みを学び、インタビューに活かすため、心理学・脳科学について学ぶ。心理学的アプローチを取り入れたラポール形成、深層心理を掘り下げるインタビュー手法について研究。エビデンスを踏まえてユーザーを体系的に分類するプロファイリングメソッドを確立。リサーチ結果からより精度の高いセグメンテーションとターゲティングを可能にした。狙うべきメインターゲットに対し、どのような施策を行なうべきかの提言には定評がある。全国各地での講演会や「デジタルマーケターズサミット」への登壇、「MarkeZine」(翔泳社)等の各種メディアに寄稿し情報を発信中。

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