『君のために作った歌』 松山千春
古いレコードの整理をしていると、自分の音楽史を振り返ることができる。特に中学時代や高校時代は“なけなし”の小遣いを工面しながらレコードを購入していたから、真剣に聴いた。今のダウンロードやスポティファイのような配信サービスで慣れてしまっている若者は、多分じっくりとステレオの前で音楽に没頭するなんてことはできないだろう。
レコードジャケットや歌詞カード、ライナーノーツなどの限られた情報の中で音楽を聴き、歌の世界観だけにとどまらず、作り手の気持ちにまで想いを巡らせ、無限の妄想を膨ら