女性の発達障害について考える14.ASD女性の健康問題
Ⅰ.ASD女性の抱える健康問題とは？
ASD女性は
心身面や健康面での健康問題に
悩まされる傾向が強め。
中には身体の不調に
長年悩まされているASD女性も
少なくありません。
その背景には
大体ASDの特性が絡んでいます。
ASD女性は
身体の不調をきっかけに
ASDが発見されるケースが多いです。
私自身もそうですが
ASD女性は常に
身体のどこかが不調で
100パーセントの状態ではないと感じており
不快感や痛みを抱えながら
日々をやり過ごしているのです。
今回はASD女性の抱える健康問題の原因や
主な健康問題について伝えていきます。
Ⅱ.身体不調の原因はストレス！
ASD女性の抱える二次障害は
主に以下が挙げられます。
(例)
✅不安障害
✅抑うつ
✅神経障害
✅片頭痛
✅摂食障害
✅過敏性腸症候群
✅限局性恐怖症
✅慢性疲労症候群…etc.
またASD女性が抱える身体不調には
主に次の症状があります。
(例)
✅アレルギー
✅過敏症
✅摂食障害
✅抑うつ
✅不安障害
✅自傷行為…etc.
ASD女性の抱える身体不調は
ストレスが原因です。
特にASDさんは
様々な刺激に対して
敏感もしくは鈍感という特徴があります。
いわゆる感覚過敏や感覚鈍麻ですね。
芳香剤・蛍光灯・エアコン・香水など
といった刺激の他
化学物質・薬剤・カフェイン・服の生地など
広く使われている物質の刺激に
耐えられなかったり
アレルギーを起こしたりしやすいです。
様々な刺激が
身体と脳に負担がかかるので
それが
身体面での不調となって現れるのです。
また
ASD女性の約50%が抑鬱状態を抱えている
と言われています。
ASDと抑鬱は互いに影響しており
抑鬱状態に陥ると
「気分がずっと落ち込んでいる状態」が
続いている感覚になります。
ASD女性が抑うつになりやすい理由は
「自分は人と違う」
「社会に馴染めない/受け入れてもらえない」
というネガティブ思考や
周りに馴染めず
辛い経験を重ねてきた影響が大きいです。
気分の落ち込みは
社会的に受け入れてもらえない
社会に馴染めない劣等感や
日々の様々なストレスに
さらされる影響があります。
しかしASD女性の中には
抑鬱状態に気づきにくい人もいます。
抑鬱の背景には
「失感情症（アレキシサイミア）」
の影響もあります。
失感情症は
身体の感覚と感情とを区別することが難しく
「自分がどう感じているのか分からない」
「自分がどう感じているのか言語化できない」
という悩みが生じます。
自分の感情が分からなくなってしまうのです。
またずっと気分の落ち込みや
ストレスを常に感じながら
生きてきた影響から
「大丈夫」という感覚が
実際に分からなくなっている
可能性が強いです。
その影響から
自分の中にある感情を
どう処理すればいいのか分からない
という混乱が生じ
ささくれや皮膚をむしる
皮膚をひっかく、擦る
髪の毛を抜く
などといった
「自己刺激行動」に繋がることも。
Ⅲ.ASD女性は「不安」が強い？
ASD女性にとって
「不安」という感情は
常に影のごとくつきまといます。
特にASD女性は
「不安」の感情がASD男性よりも強い
と言われており
ASD女性について書かれた書籍でも
「不安」の感情はしばしば取り上げられます。
その理由は
ASDが見逃されやすい
という背景が影響しています。
ASD女性にとって
「不安」は慢性的な問題です。
私自身もそうで
「不安」という感情が
常に私自身を支配しています。
ASD女性が不安を感じやすいのは
とめどなく混乱していて
何が起こるか分からない
不安定な世界で生きているから。
現実世界は
一貫性に欠けていて
状況はたえず変化します。
他に
自分に課せられた女性らしさへの
期待に応えられないことへのプレッシャーを
感じていることも不安をさらに悪化させます。
結果として特定の状況を避けるだけでなく
いつ不安が引き起こされるか分からない
という感覚に常に苛まれるのです。
ASD女性は
怒りや不安から生じるストレスから
感情が昂りやすいです。
ですがその感情を
うまく言葉で表現することができません。
感情の行き詰まりが起こると
昂った感情を
身体の痛みに変換させることで
自分に注意を向けさせて感情を散らし
安堵感と落ち着きを得るのです。
同じくアルコールや薬物に走りやすいのも
感情の混乱や打ちのめされた気分を
遮断する効果があるからです。
まとめ
ASD女性が
慢性的な身体不調に悩まされる背景には
感覚過敏が強い
慢性的な不安感を抱えている
自分の気持ちをカタチにしづらい
などが挙げられます。
ASD女性に対して
周囲ができる配慮として
✅ASDの自尊心、行動を肯定する
✅ASDの奮闘を認めて「あなたは間違っていない」と伝えてあげる
などASD女性の努力を認める姿勢が大切です。