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女性の発達障害について考える⑪ASD女子の友人関係


Ⅰ.社交的でもどこか変なASD女子

ASDさんは「孤独好き」ですが
全員必ずしもそうとは限りません。

ASD女子の場合小さい頃は
積極的な社交性を持っていた人が多く
その積極さがASDの手がかりになります。

ASD女子は
人懐こく積極的な社交性を持ちます

大体他人の気持ちを理解していない
というケースが多いからです。

ASD女子が見せる
「積極的な社交性」の裏側にある特性は
主に以下が挙げられます。

(例)
✅誰にでも触れたがる
✅相手を叩く、髪の毛を引っ張るなどする
✅人懐こいけどどこか一方的
✅ありのままをはっきり言う
✅おしゃべりでも言葉の意味を理解していない
✅指差しや目配せが分からない

ASD女子は
コミュニケーションの「加減さ」が
分かりづらい
という特徴があります。

これは私自身にも当てはまっていて

どこまで付き合えばいいのか
どのタイミングで辞めたらいいか

など分からず悩みます。

Ⅱ.友達って何?

一般的にASD女子は
びっくりするくらい内気で大人しく
物静かで無害というタイプが多い
です。

静かで問題も起こさないので
ASDが見過ごされやすい要因でもありますが…

ASD女子は
一人でいることが落ち着きますが

それでも「誰かと交流したい」
という欲求はあります。

ですが小さい頃から

交流することの難しさを自覚し
結局誰かと仲良くなるのを諦めてしまう…

という方は少なくありません。

ASDさんは友達付き合いにおいて

✅「友達とはどういう存在か」
✅「友達になるとはどういうことなのか」

という重要なポイントを見逃しやすいです。

なぜなら友達付き合いには
幼い頃からの強い意識と
膨大な量の認知処理が必要となるから
です。

ASD女子はここら辺で躓きやすく
集団で孤立し疲れやすい要因となります。

ASD女子が全員誰かと交流したい訳でもなく
中には交流を積極的に避ける人もいます。

一人だけでもしくはイマジナリーフレンド
遊んだりすることを好む子も。

他に大人は
同世代の子供達と比べると

話し方も明快かつ
関わり方も分かりやすい
ことから
大人に懐く子も少なくありません。

私の場合集団で遊ぶより
一人で遊ぶ方が好きでしたし

近くに祖父母をはじめとした
年配の人達が近くにいたので
その人達に懐いていました。

他にASD女子は定型女子と比べると

同世代と親しくなろうとする姿勢が
あまりみられない
という特徴があります。

成長して心の機微や理論を
ある程度理解できるようになっても

他人の気持ちを理解することや
配慮が難しい
という特性が影響しています。

次の章から

ASD女子の友人関係について
どのような特徴があるのか
取り上げていきます。

Ⅲ.ASD女子は男子と仲良し?

ASD女子は
男子と仲良くなりやすい傾向がある
と言われています。

その理由として
「同性が理解できない」が挙げられます。

女子は他人の目を意識しやすく
また陰で他人の悪口を言う
こともあります。

ASD女子は女子の人間関係について
「複雑で繊細」と認識しており
ついていけない悩みを抱える一方で

また自身を「男の子っぽい性格」
自覚していることもあり

そこまで複雑さを求めない
男子と仲良くなりやすい
のです。

しかしそれがかえって
「男好き」と同性から嫉妬されることも。

Ⅳ.友達に執着しやすいASD女子

ASD女子の中には
友達がいる人も存在します。

ASD女子にとって「友達」とは

一般社会に溶け込む上で必要な
ライフライン的存在
であり
社交の場に入れる手助けともなる存在。

そのため執着しやすい傾向があります。

執着しやすいため
友達が別の子と遊ぶ姿をみて
不安になりやすく「独占」する子もいます。

私自身も
友達を独占しやすい方でした。

他に親しい友達がいなかったこと
その友達とは長い付き合いだったこと

なども大きかったです。

また自身と友達の空間に
誰かが入ることを嫌っていた
こともあり

別の子が友達に話しかけるのを許さず
意地悪して問題になったことがありました…

Ⅴ.ASD女子は物事を共有できない

しかしASD女子は

社会に適応しようと努力しても
時にはその行為の意図を理解できず
躓くことも少なくありません。

例えば
他人とモノを「共有する」こともそうです。

共有とは
一つのモノを二人以上が共同で持つこと。

定型発達の子どもは4〜6歳頃になると
共有の意味を理解するようになりますが

ASD女子は

社会的スキルの発達が遅いことから
共有の意味を理解するスキルが
同程度に育たない傾向があります。

その影響から他人も自分と同じように
「要求する」ことが理解できません。

そのため時には極端なまでの
自己中心的に見えてしまうのです。

特に女子は
他者の要求を察することを求められるので
余計厳しい目で見られやすいのです。

しかしASD女子は
直感的に他者の気持ちを汲み取って解釈し
理解する能力が乏しい
ゆえに

  • なぜ他の人もそれを使うのか?

  • いつ返してもらえるのか?

  • 何か隠れた意図があるのか?

など共有する際にも
多大なストレスが生じやすいです。

Ⅵ.思春期は人間関係が複雑になる

思春期は

  • 友人関係の変化

  • 求められることの変化

  • 身体の変化

など様々な変化が起こり
女子にとって複雑な時期です。

ASD女子の場合
ASDの特性の問題も加わってくるので
対応するのも一苦労。

思春期とはASD女子にとって
周囲との違いが浮き彫りになる時期なのです。

小さい頃のASD女子は
男子と比べると

社会性やコミュニケーション面での問題は
深刻ではありません。

しかし思春期になると
人間関係が複雑化するため
社会的困難を抱える
ことになります。

そのためASD女子は
社交ルールを研究し相手の行動を観察して
陰で模倣する努力を重ねています。

しかし同世代と
感じ方や考え方が異なっていることから

初めはうまく行っても
だんだんボロが出てくるようになるのです。

男性の場合
人間関係は話題や活動ベースであるため

言葉や仕草の解釈は
あまり必要としないことが多い
です。

しかし女性は男性と比べると
人付き合いやコミュニケーションなど
「人」との関係がベース
になっています。

言葉や仕草の解釈を求められるため
元々自然に察することが苦手な
ASD女子は特に躓きやすい
です。

ASD女子にとって
人間関係ほど難しいものはありません。

思春期以降になると

友人関係を築く上で重要となる
シグナルやルールを理解する難しさ
加えて

特別な関心を持った人間に対して
異常に執着して付きまとい独占する

という問題も出てきます。

Ⅶ.ASD女子の抱えるパラドックス

ASD女子は内心

「みんなに受け入れてもらいたい」
という気持ちと

「興味の無い話題についていくのはしんどい」
という気持ちが相反しています。

周りに受け入れてもらいたくても

興味の無いことには
とことん関心が無かったり

上っ面な人間関係に
馴染めなかったりするのです。

ASD女子は成長するにつれて
「私は他の子と違う」ことを
少しずつ自覚するようになります。

自覚する理由としては

他の子がハマっている話題に
興味が無かったり

社交性の高さを見せつけられたり
などの影響が大きいのです。

まとめ

最近はSNSの発達によって

別の場所に住んでいる知らない他人と
繋がってやり取りすることが
できるようになりました。

ASD女子にとって

SNSやネットのコミュニティは
自分の興味にあった友人関係が
築ける
こともあり

友人関係のベースが
ネットになっている人も少なくありません。

私もXを始めてから
知り合った人と何人か友人になっています。

私的にネットの交流関係は
同じ悩みを共有することができる
というのがメリットかな
と感じます。

ですが中には攻撃的な人もいるので
慎重に付き合っていく必要があります。

ASD女子の友人関係で一番大切なのは

  • 相性が合うかどうか

  • 一緒にいて楽しいか

やはり気が合うかどうかが
友人関係も長続きするかなと考えます。

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