【商品開発プロジェクト】金沢市でキックオフイベントを行いました
1月21日(土)石川県金沢市にて、商品開発プロジェクトのキックオフイベントを実施しました。今回の題材となる品目は、金沢の伝統野菜「加賀れんこん」と「源助だいこん」です。
※加賀れんこん・源助だいこんを共同で行いました。
このプロジェクトはJA金沢市、テレビ金沢と連携して行っています。石川県立大学、小松大学の現地の大学生が中心となり、柔軟な発想で商品アイデアを考えていただきました。
■イベントレポート
●直売所見学
まず最初に、直売所を見学しました。たくさんの野菜や果物などの美味しそうな商品のなかに、加賀れんこんと源助だいこんも並んでいます。源助だいこん部会長の松本充明さんと加賀れんこん部会長の北博之さんが加賀野菜はどういうものなのか、今回はどういったプロジェクトにしたいのか、などの話をしていただきながら、色々な商品を見せていただきました。実物の蓮根と大根を見て、参加者はどんな商品にしたいかを考え始めます。
生野菜はもちろん、れんこんチップスやれんこんそぼろなどの加工品もありました!
●講座
直売所見学の後、各部会長による講座をしていただきました。
源助だいこん部会長の松本充明さんより
源助だいこんは金沢の砂丘地帯で松本充明さんの祖父松本佐一郎さんが10年かけて生み出したもので、今年生誕80年を迎える。
源助だいこんの加工品はまだまだ少ないので、若い知恵を活かしていただきたい。
青首大根と比べてずんぐりむっくりの見た目で煮ても煮崩れしにくい。最近話題になってきている金沢おでんには源助だいこん、というのが定着すればいい。
源助だいこんは昭和40~50年代一世風靡したが現在主流の青首大根に押され一時期、生産者は松本さんのところ1軒だけになった。加賀野菜の一品目に選ばれたのがきっかけとなり現在20名まで増え、生産量も40倍、作付面積は東京ドーム1個分くらいまで広がった。
長期保存できる加工品はまだできていない。源助だいこん焼酎くらい。源助だいこんならではの特徴を捉えて加工品にしてほしい。
加賀れんこん部会長の北博之さんより
れんこんは300年前から栽培されているが、もともと薬用に用いられていた。
れんこんは品種が同じでも味は全く違う。石川は産地として大きくないが、春夏秋冬がしっかりあり、夏は暑いことから糖度が増す。
加賀れんこんの一番の特徴はねばり。細胞密度が細かく、ねばりによって、つなぎ無しで団子状にできる。加賀れんこんを植える土壌は粘度が高く、その中でれんこんが育ち広がろうとすることで繊維がしっかりする。
加賀れんこんはすりおろして焼いて食べるとれんこんか分からないくらい粘りに特徴があるのでまずは食べてほしい。現在は生産したうちの7割が地元で消費されているが、いろいろな人に食べてほしいので、この加工品プロジェクトには期待している。
●試食(加賀れんこん・源助だいこん)
そして、楽しみにしていた試食!人気のれんこんチップスやだいこんおでんなどを用意していただきました。
加賀れんこんと源助だいこんの味や特徴を実際に感じながら、みんなで美味しくいただきました。実物を味わって、今回の商品開発のアイデアを膨らませました!
●商品開発会議、発表とフィードバック
イベントの最後は、商品開発会議と各アイデアの発表でした。大学生がメンターの社会人と一緒に話し合いながら、加賀れんこんと源助だいこんを使った加工品のアイデアを考えました。
最後に、大学生が考えたアイデアを発表していただきました。JA金沢市の方からのフィードバックもいただき、学びのある充実した時間となりました。
このプロジェクトで重要なテーマは「想いを言葉に、言葉を形に」。
今回のイベントでもこのフレーズは何回も出てきました。それぞれのメンバーの想いをアイデアに落とし込み、言葉で伝えることによって、加賀れんこんと源助だいこんの新しい形を生み出すことを目指します。
■今回のイベントに参加していただいた方の声
大学生
自分のアイデアが商品になるところに魅力を感じている。授業でも商品開発プロジェクトはあるが最終的に商品に至らないことが多かった。自分の考えを伝える難しさを実感できる良い経験にもなった。
もともと商品開発に興味があった。
加賀野菜を食べたのは初めてだったがとても美味しかったので世界に届けられるような商品をつくって広めたい。大学で地域創生を学んでいるが暮らしやすい街づくりだけが地域創生ではない、その土地のものを外に広めていくことも地域創生だと感じ、もっと地元のことを勉強したいと思った。
最後に発表があるので参加するか迷ったが、大学生のうちにチャレンジしておきたいと思い参加した。少人数でたくさんの大人にアドバイスもらいながら自分の意見をかたちにしていく経験ができてとてもよかった。
終始ワクワクした。自分のアイデアを考えるのも楽しいし、他の人のアイデアを聞くのも楽しかった。
JA金沢市
学生さんの声を聞いて感動した。産学連携の取り組みはよくあるが今回は少人数で1人1人がよく考えて主体性を持って取り組めたのがよかった。
学生さんたちの目線からはこれまで自分たちからは出てこなかったアイデアがたくさん出てきたため、今後の商品化までの動きをとても期待している。
■3月に企画審査会、6月に海外展開を目指します!
キックオフで顔合わせをしたメンバーはチームを結成し、加賀れんこんや源助だいこんを活用した商品アイデアを練っていきます。まず最初の区切りとして設けているのは、2023年3月12日(日)に予定している企画審査会です。この審査会では複数の加工会社に対して、各チームが考えた商品アイデアを発表します。加工会社の方は、商品化ができそうだと判断したアイデアに手を挙げ、アイデアのマッチングが成立したチームは試作品開発へと進んでいきます。
そして2023年6月には、アメリカ・サンフランシスコにあるジャパンタウンでの出品を予定しています。このプロジェクトで誕生した地域の産品を、日本の食文化として海外に伝えるとともに、日本の地方を盛り上げていくことを目指します。
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