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介護施設のICT化への期待と課題

こんにちは。

介護業界では、職員の高齢化も進んでいるため、システムの導入に積極的ではありません。(若者の介護離れもあります。)

事業所の運営者においても、パソコン操作に苦手意識を持つ方が多く、不安から消極的になってしまうのです

現場のスタッフ自身がシステムの導入に抵抗を感じる、運営者もシステム導入を強く推進できる知識がない、この2つの要素がシステム化を遅らせている要因です。

また、介護職員の日々の業務がすでに逼迫している状況で、システムの導入に手が回らない点もシステム化を進めれない要因につながっています。

しかし、高齢化がすすんでいるからこそICTの導入をしなければならないと自分は思います。

福祉とIT(情報技術)の融合は、高齢化が進む現代社会において非常に重要なテーマです。

ITの導入により、福祉分野での業務効率化や利用者の生活の質の向上が期待されており、介護や福祉サービスの提供方法が変わりつつあります。

ここでは、福祉におけるIT活用の背景、具体例、留意点、そして課題についてわかりやすく解説します。


1. 背景:ITが求められる理由

日本は少子高齢化が急速に進んでおり、特に介護の需要が年々増加しています。
2025年には「団塊の世代」が75歳以上の高齢者となり、福祉サービスの需要はさらに増大します。
しかし、福祉業界は慢性的な人手不足にさらされており、現場で働く職員の負担も増加しており、さらに近年、福祉サービスの質の向上も社会から求められています。

2. 福祉におけるICT活用の具体例

福祉分野では、国がICTシステムの導入を推奨しています。
今年からではありますが、介護職員向けのデジタル中核人材養成研修なども厚生労働省主催で開催されています。

(1)介護ロボットの導入
職員装着型の介助ロボット(筋力補助)や、自立支援用の利用者が装着するタイプのものなどがあります。
しかし、どれも値段が高く、国からの補助があったとしても導入できる施設は限られるという課題が残ります。

(2)見守りシステム
高齢者や要介護者の安全を確保するために、見守りシステムが活用されています。
これは、センサーやカメラを使って利用者の動きや環境をモニタリングするシステムです。
例えば、ベッドや部屋に設置し24時間体制で見守りができるため、介護職員がいない時間でも利用者の安全を確保することができますできます。
こちらも大きな施設では導入されている所も見られますが、まだまだ高額で手が出ないのが現状です。

(3)情報通信技術等の導入
介護ソフトの導入により、利用者情報・実績記録・支援記録などの情報を一元管理し、集計作業や帳票の作成までシステムが自動で行うので、国保連請求の業務を大幅に削減することが可能になりました。
日々の実績が請求データや記録と連動しているため、実績と記録間での転記やダブルチェックの手間を大幅に削減できています。
こちらは、ピンキリではありますが値段もこなれてきており導入されている施設も増えました。


3. 福祉とIT


(1)利用者の生活の質の向上
ITを活用することで、利用者の安全性や生活の質が向上します。
見守りシステムにより、転倒などの事故を未然に防ぐことができ、安心して生活できる環境が整います
ケアプラン作成のAI支援により、利用者個別のニーズに応じたサービスの提供が可能になるため、利用者の満足度も受け止めます。

(2) データ活用によるサービス向上
デジタル化されたデータは、利用者の健康管理や介護計画の改善に役立ちます。
同様に、健康データをAIが分析することで、病気の早期発見や予防につながる可能性があり、利用者の健康維持や予後の改善が期待できます。


4. IT導入による課題

福祉にITを導入するにはいくつかの課題もあります。

(1)導入コスト
ITや機器システムの導入にはどうしてもコストがかかります。
特に中小規模の福祉施設にとっては、費用負担が大きく、導入が難しい場合もあります。
このため、政府や地方自治体からの支援や補助金の活用が重要となります。

(2)プライバシー保護
データのデジタル化には、利用者の個人情報や健康情報の取り扱いの問題があります。
そのため、データの漏洩や不正アクセスなどに対するセキュリティ対策が重要となってきました。
プライバシー保護を徹底するために、ITシステムの導入にあたっては厳重な管理体制が必要です。

(3) 職員のITスキル
ITを活用するには、職員がシステムを正しく運用できるようにする必要があります。
ただし、介護職員の中にはITに不慣れな人も多く、ITスキルの向上が課題となります。
内部研修だけでなく、外部研修などの体制作りが必要です。


5. まとめ

福祉とITの融合は、少子高齢化や人手不足といった現代の課題を解決するための有効な手段です。
介護ロボットや見守りシステム、AIによるケアプラン作成など、IT技術を活用することで、福祉サービスの質を向上させるだけでなく、職員の負担も軽減できます。
ただし、導入にはコストやプライバシーの保護、ITスキルの向上といった課題もあります。
これらを乗り越えるための体制や支援が必要です。

今後も福祉分野でのIT活用は進歩していくと考えられ、利用者にとってより安心で質の高いサービスが提供されることが期待されています。


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