睡眠障害

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新潟は面影の町③~キーマンとの出逢い~

ズルッ…ズルズズゥッ……………。 店には私を除き、 テイクアウト待ちをしているおっさんが1名のみ。 特段うまくはない麺を業務的にすする音が店内に響いていた。 旅の根幹となるメインストリート、古町通り。 その途中に、この中国料理屋は位置していた。 怒りのキャプションに目を通すのは程々にしていただいたところで… 私はマーボー麺で腹を満たしながら"""ある男"""との約束の時間を待っていた。 男の正体についてはプライバシーの関係上、 詳細まで語り尽くすことはできないこ

    • 新潟は面影の町②~新潟古着調査編~

      「デルマーのデカマラー。」 突然思い出したように、 ぼけっとした顔で、そう呟いてみた。 正面の席に座るおばあさまは、 私に目線をやると、いぶかしげな顔をした。 まあ、そりゃそうだ。 いきなり若い男がデカマラ、なんて呟くんだから。 しかし、こちらの身にもなってほしい。 新潟なんて片田舎でDel Marのゼブラ柄を自慢気に着ている人がいたら、小言の一つも言いたくなる。 もう一度、同じ呟きをかましそうになったが、 煙草を吸引することで、それを抑えた。 私が発しそうになった小言

      • 新潟は面影の町①~マンハッタン上陸編~

        旅狂いと言われてもぐうの音も出ない程に、 このところの私はあちこちへと足を伸ばしている。 先週は神戸、そして今週は新潟だ。 理由は勿論、会いたい人に会いに行く、というのが先行して出てくるのだが、 第二に「沸き上がる好奇心」を抑えるのが困難なのである。 その好奇心の対象というのが「人とその暮らし」だ。 大学で関西に進学した私は、 そこではじめて、関西という異文化に触れた。 さらには、全国津々浦々から集まってきた学友たち(ここでは大学で何も学んでいない、愛すべき友人たちを指

        • そして、神戸②

          本稿は、前編「そして、神戸①」の続編である。 さて、その前編が思いの外好評につき、 多少なりともプレッシャーが掛かっているが、 私は相変わらずの意気地無しの男であることを念押しておく。 どれほどかというと、それはまるで浜田省吾の歌詞に出てくる男のようだ。  ※浜田省吾「片想い」「いつかもうすぐ」「丘の上の愛」等々を参考にされたし。 昔から浜省の描く男性像は、一部の女性たちに不評であった。なんというか、女々しいのである。 いつまでも、女性を想い続け、相手の幸せを思って、身

          そして、神戸①

           そして一つが終わり  そして一つがうまれ… 私が敬愛している歌手、前川清の代表曲ともいえる 「そして、神戸」の一節である。 この曲が世に産声をあげた年とはかけ離れるが、 そののちの阪神・淡路大震災において甚大な被害を受けた神戸の、いわば復興ソングとして 市民の心の支えとなったのが、 この「そして、神戸」といわれている。 作曲家 浜圭介先生が新人賞をとったのも納得のゾクゾクくるようなイントロは、 私同様に、歌い手である前川清自身も、 デモテープを初めて耳にした際に衝撃を受

          そして、神戸①

          さらば岐阜高島屋~7月東海地方巡業・岐阜編2~

          Yさんとの別れが惜しい。 これも一晩だけの関係(あの、ただデュエットしたですけど…)と自分に言い聞かせる。 コンビニで軽食を買った私は宿舎に戻っていた。 今すぐにでも寝てしまいたいが、 レンジであたためたパスタをズルズルと啜りながら、本日の大須DIYメンバーへお礼DMを送る。 ………やれやれ。 やっていることは月金の営業職と変わりない。 この睡眠時間を以てして完走できた理由は、 大須で出たとんでもないアドレナリンと、柳ヶ瀬の夜の素敵な出逢いに他ならない。 さて、あすもイ

          さらば岐阜高島屋~7月東海地方巡業・岐阜編2~

          柳ヶ瀬の夜に泣いている~7月東海地方巡業・岐阜場所後編1~

          雨の降る夜は、心も濡れる… まして一人じゃ、尚寂し…   岐阜行きの列車に乗った私は、北へ進むにつれ田園地帯へと変わり行く景色をぼんやり眺めては、そう口ずさむ。ちなみに雨は微塵も降っていない。 私が愛して病まない名曲「柳ヶ瀬ブルース」の歌い出しである。 1966年、当時、青春歌謡路線だった美川憲一の演歌・ムード歌謡への路線変更曲でもあり、彼を一躍スターへと押し上げた出世作でもある。 当時、曲を提供された彼は「こんな湿っぽい曲歌いたくない」という思いから、 あえてレコーディ

          柳ヶ瀬の夜に泣いている~7月東海地方巡業・岐阜場所後編1~

          古着ヤクザって、一体何?~7月東海地方巡業・名古屋場所~

          インスタを開けば、今日も同じような服。 人気の形、人気の素材、人気のメーカー。 何がどう凄いか、全てが情報化された市場。 皆が教科書に載った、共通認識の正解を追い掛ける時代か…。 一人のジジイの呟きは、 煙草の煙と共に、茶色がかった喫茶店の壁面へと吸い込まれていった。 ここは太閤口の喫茶店、モック。 岐阜在住の古着好きの知人から紹介いただいてからというもの、名駅付近で時間を潰すときはここだ。 私は、このあと合流する名古屋の古着ヤクザパパ達とのことを考えては憂鬱な気分にな

          古着ヤクザって、一体何?~7月東海地方巡業・名古屋場所~

          ハバナのひとよ⑧(最終章)

          回り道でも 旅の終わりに 君にもう一度 逢えたらいいね…🎶 上記フレーズは、 『人生(たび)の空から』の歌詞より抜粋したものだ。 この曲は松山千春のシングル・コレクション『起承転結II』にも収録されており、知名度も高いだろう。 80年代に入ったところで彼の音楽活動において、 最もセールスを連発していた、いわば最盛期に相当する。 芸術という領域、とりわけ音楽というジャンルにおいては、 どうしたことか「デビュー当初は名作が多いが、次第に良い曲は少なくなっていく」傾向にある。

          ハバナのひとよ⑧(最終章)

          ハバナのひとよ⑦

          『あたしバカよね🎶 おバカさんよね🎶』 と、細川たかしは唄っているが、全くもってその通りだと思う。 猛省していただきたい。 冒頭より怒りが込み上げてしまった訳は以下に続く… 古着屋訪問を終えた私は、 再度、色男と合流し、札幌の地下でひっそりと営業している「答えバー」に居た。 シングルどころかダブルをゆうに越えるほどなみなみと注がれたアードベク10年のロックをちびりちびりとすすりながら、心地よい音楽に耳を傾けていた。 「あしたどーしましょかァ………」 『そうですなァ……

          ハバナのひとよ⑦

          ハバナのひとよ⑥(札幌古着)

          さて。 そろそろ私の本業である「全国古着屋行脚」に触れないと、 フォロワーの皆さま方に愛想をつかされてしまいそうだ。 あまりご興味のない方々には申し訳ない気持ちだが、 古着を生業とさせていただいているのでご容赦願いたい。 1.数字からみる北海道の古着都市潜在力 若輩者ながら全国の古着屋を営業訪問していると、傾向や特徴などがみえてくる。 以下は「傾向」という視点で、 これは至極当たり前なことだが 名店の数や商品ラインナップの平均アベレージに「都市の規模に比例する」という事

          ハバナのひとよ⑥(札幌古着)

          ハバナのひとよ⑤

          『時計台の下で逢って わたしの恋は はじまりました…🎶』 自らを石原裕次郎と思い込んでいる27歳精神異常者ゆえ、 22歳医療関係女性との集合先を「時計台の下」と指定してしまったことを今、懺悔する。 こう考えてしまうのも、仕方ないのだ。 なぜか私に優しくするの…なこの街が悪いといえよう。 さて、前回からの続きに話を戻そう。 ""湯治""を終えた私は仕事で負った傷も癒え、 軽快な足取りで色男との集合先へ向かっていた。 初日と同じ喫茶店。100名店のうち一つだ。 店に入る

          ハバナのひとよ⑤

          ハバナのひとよ④(※R18)

          4月6日土曜日、午前10時を回ったところ。 私は、すすきの南仲通りで立ち尽くしていた。想定外の事態が起こったからである。 …………… 朝、ホテル時計台で惰眠を貪っていたところ、 色男から一本の電話がきた。 詳細をここに書くことはできかねるが、 とどのつまり、午前中の""営業訪問""に同行できなくなった、という旨の連絡である。 心細さを感じなかったといえば嘘になるが、 なんせ自身4度目となる風○調査。 もう手慣れたものであったし、新規開拓といえど恐るるに足らなかった。(キ

          ハバナのひとよ④(※R18)

          ハバナのひとよ③

          喫茶店のドアを控えめに開ける。 もちろん、いらっしゃいませの言葉はない。 誤解を生まないように添えておくが、入店時挨拶なしは加点要素である。 良い喫茶店と良い古着屋の共通項だ。 店内に大音量で流れる、ジャズの名盤たちの音圧が身体にビリビリと響く。 彼が「名店しか知らない男」というのはどうやら本当のことのようだった。 圧倒されながらも、薄暗い店内で色男の姿を探す。 男を見つけるのには2秒と掛からなかった。 ストライプ入りのダブルのスーツに身を包み、 ハイライトを深く吸うそ

          ハバナのひとよ③

          ハバナのひとよ②

          『夜の札幌 あなたに逢えて 凍てつく心にあかりが灯る…🎶』 15:20 新千歳空港、第一エアーターミナル。 一人の年金受給者が北の大地に降り立った。 「何卒。」 そう呟くと、空港ビル内の階層を下から舐めるように攻めはじめた。 中部国際空港も然りだが、国際線の往来が多い空港は土産物屋から飲食店まで、自分が見て知ってきた中では規模が違った。 空港ビルを散策する理由はそう、同年代であれば知らない人はいない、「北空港モニュメント」である。 内山田洋とクール・ファイブの代表曲とい

          ハバナのひとよ②

          ハバナのひとよ①

          「会いたい気持ちが…🎶ままならぬ…🎶」 そう呟くと会社用携帯を機内モードへ切り替え、軽快な足取りで浜松駅へ向かった。 今日と来週月曜に有給休暇を取得し、 ""極上島""(北海道です)への旅を敢行するのだ。 私にとっての北海道は、 記憶のない赤ん坊のころに両親に連れられて以来の2回目だが、実質初めてといったところ。 目的は、前回伊勢佐木町公演にて共演した、 同業の""ハバナからきてくれたお兄さん""に会うため。 札幌市内を""シマ""とする彼に、 行きつけの店店を案内して

          ハバナのひとよ①