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君は諦める快感に溺れている。君は抗うパントマイムに拘泥している。君は70億分の1の、それ以…
蜜蜂がいる庭に、僕は君の骨を埋めた。 葬式は寂しかった。君はとても社交的で愛されていたの…
俺は蛹なのに、偉いから動いている。まだ成虫になる過程なのに、普通に動いている。幼虫のまま…
止まらない嘔吐のせいで、その日はずっとトイレから動けなかった。便座につっぷして一日を摩耗…
彩られた樹海。ハロウィンにかこつけて、死体達にはラブホテルの内職みたいなコスプレが施され…
イマジナリーな森を抜けようとして、1ヶ月が過ぎようとしていた。 「君は本当に……害しか…
自己破壊。サンクチュアリは汚された! でも、むしろそこはユートピアみたいな表情を浮かべて、麻薬的なハピネスを脳裏にべっとりと、溶け出したバターみたいにぐちゅぐちゅに、聖者の行進が始まる。ファンファーレの音は寡黙だけれども、フォルテシモはとても律儀に遵守する。虹! 七色は気持ちが悪く混ざり合い、サイケデリックな吐瀉物は正直言って気持ちが悪い。 鳥は自由落下運動を初めて、葱の矢がそれらを穿つ。炎はこの世界に存在しないけれども、水は命を奪うメドゥーサの眼だ。心臓を取り出して握り潰
地球を舐める舌がある。ついばむようなキューティクルじゃない。唾液で溺れさせようとするグロ…
「時々、洗濯機に閉じこもってしまいたいと思うの」 私は宇宙服の頭みたいなドラムを撫でて、…
パンダくんは、君付けを極端に嫌っていた。 「正直言ってさ、飽き飽きしているんだ。パンダっ…
-ねぇ、どうして壊れてしまったの? たぶん、君のせいだ。 -どうして、私のせいだと思うの?…
君は涙に溶け落ちてしまった。余りにも泣きすぎて、肉体が溶け落ちてしまった。水溜まりになっ…
ほとんどの人生は1ページにも満たずに要約できる。産まれ、生きて、死ぬ。平穏な数年間に都合…
夢の連環から抜け出すことが出来ない。 「ちょっと待って」 僕の声はナレーションのように響くだけで、登場人物の耳には届いていない。(もしくは、貫徹された作為的な無視か?) 僕は意識が夢の中にあることを自覚し、言葉によって登場人物を動かそうとする。僕にはそうすることしかできないからだ。でも、登場人物はめいめいに動き、内容の幾ばくかの可変を除けば、一貫して連環を繰り返す。僕は最後まで諦めなかったけれど、結局言葉が力を持つことはなかった。とても長い連環だったけれども