ミツバチ。
蜜蜂がいる庭に、僕は君の骨を埋めた。
葬式は寂しかった。君はとても社交的で愛されていたのに、葬式の参列者は僕しかいなかった。それはとても悲しい因果で、君は幽霊になって運命を呪うことしかできない。君に呪いは似合わないけれど、運命がそうさせた。僕は君の幽霊を見て、いつもやるせない気持ちになる。死してなお運命が続くことに対するやるせなさよりも、君という存在に対する憐憫が勝った。僕が庭に君の骨を埋めても、幽霊としての君は留まれなかった。僕が君を強く抱き締めても、君は呪いを続ける怨霊だった。
僕は裸になって、巣に対峙した。蜜蜂達は僕を責めなかった。ただ慈みながら、僕の手によって崩れ去る巣を見つめていた。僕は蜜蜂のそういう所が好きだ。
「蜂蜜が、取れたよ」
君はその頃もう言葉を忘れていた。これは僕の自己満足に過ぎない。でも、イニシエーションは伝統を守るためではなく、その個人に必要だから存続しているのだ。
「塗るよ」
呪いは気分が悪そうだった。でも、自分もそれを振り撒いていることを自覚しているのか、静かに受け入れた。僕はベタつく手を最後に舐め回した。