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はらりはらりと葉っぱが落ちる 風はひゅるひゅる吹き荒れて 君をぶるりと震わせる た…
時間は不可逆で、その流れは一定らしい。しかし、物理学に時差という曖昧な概念が定義されて…
何度も見かけるランナーがいた。いつも決まった蛍光のジャージと、特徴的なランニング・フォ…
父と観た映画を憶えている。あの日、どうして父と映画を観に行くことになったかを覚えてはい…
「あなたのせいで」 「…花はいつか枯れるものだよ。」 「あなたのせいで」 「…一…
手紙は私の一部だ。私は宛先のない手紙を毎日したため続けている。それを日記だと言ってくる…
空。青い空。曇り空。仄明るい空。真っ暗な空。 あなたは空みたいな人だ。ひとりの人格であることを疑ってしまうくらい、表情が豊かだった。まるで同じ表情を浮かべたら命を奪われる契約でも結んでいるみたいに、ひとつとして同じ表情を浮かべない人だった。 それは、私のがわにも原因があるのかも知れない。私もあなたと生活していくうちに、感情を得ていった。『素晴らしきかな、人生』みたいだ。感情がひとつひとつ、私の元を訪ねてきた。私のがわの喜怒哀楽が豊かになるにつれて、感情の掛け算は多岐
- Merry Christmas - I murmured to you . You were in front of me . You were . I rep…
物置を掃除していると、線香花火がパラパラと落ちてきた。「懐かしい」そんな感情が僕を押し…
野原を駆ける犬がいる。名前はなんていうのだろう。風は涼しく、日光は暖かい。世界中でピク…
物事、先ずは隗より始まる。渦のもつ、蓋然的な中心をあなたはどこに置くのだろう。それを形…
夜に乗る自転車は、なんだか郷愁的だといつも思っていた。彼女と僕は、想い出話に花が咲いた…
青い鱗粉が失われていく。無邪気というものを憎むことは出来ないが、少年は好奇心に苛まれ、…
私を取り囲む壁は堆い。何よりも強固で、何よりも堅牢な揺るぎない壁。そうそう侵入出来る人はいない。門番がとても優秀なのだ。 貴方は私が初めて入城を許した相手だった。鉄壁の私を必然的に襲った孤独を、貴方は癒やしてくれた。それは素敵な日々だった。誰しも、アルバムにはページを繰るのが楽しくて堪らない一節があると思うが、誰にも負けないくらい素敵な一節だった。しかし、物語には必ず結末がある。 貴方は徐々に変わっていった。私は、それを受け入れる事が出来なかった。私は思わず貴方の頬