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高架下。

 私を取り囲む壁は堆い。何よりも強固で、何よりも堅牢な揺るぎない壁。そうそう侵入出来る人はいない。門番がとても優秀なのだ。

 貴方は私が初めて入城を許した相手だった。鉄壁の私を必然的に襲った孤独を、貴方は癒やしてくれた。それは素敵な日々だった。誰しも、アルバムにはページを繰るのが楽しくて堪らない一節があると思うが、誰にも負けないくらい素敵な一節だった。しかし、物語には必ず結末がある。

 貴方は徐々に変わっていった。私は、それを受け入れる事が出来なかった。私は思わず貴方の頬をぶった。すると、貴方の仮面は脆く、崩れた。貴方は門番と同じ顔だった。

 貴方は門番を殺してしまったのだろうか。私がどんなに追い返そうとしても、門の辺りでうろちょろしている。平然と私の元に立ち戻ってくる。それでいて、貴方は門番としての責務は全うする。壁に囲まれた私に近寄る者は寄せ付けない。今は私と貴方しかいないのだ。

 高架下、私は貴方に犯される。貴方は優秀だから、私の存在に気付く人は誰も居ない。

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