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#22 悲しくなる前に
大人になったら、あまり泣かなくなるんだと思っていた。
当然のようにある程度の感情はコントロールできて、人前で泣くことなんかもってのほかで、感動したり、誰かが世界から消えてしまったり、暗黙泣いて然りとされるシーンだけ、さめざめと泣くようになるのかと。
でも現実はどうだろう。涙が出る時、大抵は理由がどこにあるのかわからない。違うな、正しくは理由がひとつではないからどのことに対して泣いているのかわか
#21 Sleep slowly.
「今日、この後予定ありますか?
無ければ帰って、ゆっくり眠ってください」
身体の限界を振り切ってしまったいつかの日、
施術台の上に座ってぼんやりしている私の腰にテーピングを施しながら、同い年の先生はそう言った。
「できたら眠る前にスマホは触らずに。
見るならホラーゲーム実況じゃなくて、お笑いとかコメディ映画とか、なるべく明るいものにしてくださいね。毎日、たくさん笑うといいですよ」
仕事中のア
#19 take a picture of a beautiful view
誰かが撮った写真、
そこに写る海を眺めていた。
黄昏時を写した写真の中で、優しい風が流れているのを
どこか〝その人のようだな〟と思った。
写真を撮ったその人が見ていた景色。
刹那、感じていたであろう自然の手触りを、
写真の向こうから感じる。
その人の視界と私の視界がひとつに重なり、
そのうち、
宵を待つ海辺に伸びた薄い影は、ふたつになった。
隣りでシャッターを切る横顔をみつめた。
#17 pray for
真夜中に通りに出て、空をみあげる。
路地裏は空が高くて広いから
いろんなことを思い出して少し寂しくなる。
閉まっている商店の暖簾が揺れた。
目に優しくないコインパーキングのネオン。
ひとつも明かりの点っていない廃マンション。
御伽の国への入口のような、
煙草の香りが染み付いたBARの扉。
環状線。
私は昨日と今日の境を行ったり来たりして
心を宥めるように目を伏せる。
暗闇にはどんな色
#12 今日もあなたは。
最近、朝にカーテンを少し開くのがマイブーム。
仕事をしている時は眠たい頭で電車に乗る。
なんとなく車窓からの景色や光の模様は見ているけれど、〝光が差し込む朝〟を感じ取ることがほとんど無かった。
夏場でもない限り、仕事が終わると大概日没を迎えている。夕方の時間は良い。
夏の日の入りに染まる海が、世界で一番好きな景色だと思っていたけれど。
朝日にもまったく違った嫋やかさがあることを、
最近思い出し
#11 25時じゃないけど。
最近、note文芸部仲間い〜のさんのツイキャスをよく聞いている。
聞き取りやすくて耳に心地いい声と、テンポのいい話し方。
ゲストに来る方々も直接関わりがなくても知っている方が多くて、ああこんな声でこんな風に話すんだなぁと急に輪郭を帯びてくるのもなんだか面白い。
今まで表現や趣味の為のSNSを色々なシーンで活用してきたわけだけど、note界隈って類を見ないほど基本穏やかで平和だなぁと感じる。
#9 あさのひかり。
太陽の光を久しく浴びてなかったので、
朝、
電気を消したままの部屋でカーテンを少しだけ開く。
なんだか心地いい。
とても静か。
こんな時間を愛していられたら。
#25時じゃないどころじゃない #朝 #日記 #光 #おはよう