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ヤバい体制「内なる亡命日記 ナチ政権下の日々1933-45」

<文学(100歩目)>
ナチス政権下の詳細な日記から、「国民が独裁者を止めることは難しい」ことを認識して、予防のために「苦難の時代」にならない運営に協力していくことが重要。

内なる亡命日記 ナチ政権下の日々1933-45
ヘルマン・シュトレザウ (著), ペーター・グラーフ (著, 編集), ウルリッヒ・ファウレ (著, 編集), & 1 その他
白水社

「100歩目」は、ヘルマン・シュトレザウさんの1933年から1938年にかけてのナチス政権下のベルリンでの日記です。

シュトレザウさんは図書館司書の仕事をマルクス主義的な思想で解雇。しかし、ナチスに抵抗された共産主義者とは一線を画し、またドイツの為に戦う一兵士でもなく、「傍観者」の立場に徹して6年間に見たことを残しています。

結構、細かな点まで書かれていて、「戦争前夜」の不穏な雰囲気と、それに対して市民はどうしていたのか?の言及が細かいです。

ヒットラーやゲッペルスはドイツ国民の特性をよくとらえていて、統治能力に優れていたことがかなりの部分で記載されています。

大半の国民の「総意」に基づき、ナチス政権が誕生して、やはり「総意」に基づき「統制」が厳しくなり。。。

この循環の中に「国民の大半の従順さと同調圧力」が加わり、急速にナチス政権が強化されたことが描かれています。

今の日本では同様のことは無いとは思いますが、「国民の大半の従順さと同調圧力」は日本のお家芸の様なところあり。

また、「真面目に規律を守ることによる立身出世」の志向はドイツ同様に我々も近いところあり。

特に、官庁や大企業に勤務されている方には同意できるところだと思います。

すると、「苦難の時代」に「日本人をよく知る」者が政権を取り、合法的に「全体主義」体制を固めていくことはとても容易だと感じました。

「国民の大半の従順さと同調圧力」「真面目に規律を守ることによる立身出世」が染みついた習性だとしたら、不幸な状態にならない様にするには「同調圧力に屈せず」とか言っても実際のところは困難であろう。

すると、「苦難の時代」に陥ることの無い「舵取り」がとても大切であると感じました。

「独裁者を生み出さない」ためには、「今」の政治家と国民がバランスよく「大国のターゲットにならない」ように立ちまわることと、「何が何でも『経済=財政』を守ること」が大切だと感じました。

少しでもバランスを失調すると、ヒットラーを生み出す状況になってしまう。

「誰が」かはわからないが、議会制民主主義の根幹は「苦難の時代」に陥ることの無い運営が大切だと思いました。

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