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おなかすいたー。えいがでもみるか。

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  • 年間ベスト

    上京した2012年から現在までの年間ベストの記録。 順位はその日の気分によって変動します。

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    こわいえいがだいすき

  • 日本ホラー映画大賞

    日本ホラー映画大賞の極私的な感想と備忘録です。

  • 映画(ホラー以外)

    明滅する光と闇の記憶装置に関するてきとうな感想を、それっぽく書いているだけです。

最近の記事

【2012年映画ベスト】

【外国映画ベスト20】 1位 ペドロ・アルモドバル『私が、生きる肌』 2位 リドリー・スコット『プロメテウス』 3位 トーマス・アルフレッドソン『裏切りのサーカス』 4位 ラース・フォン・トリアー『メランコリア』 5位 トム・シックス『ムカデ人間2』 6位 ウィリアム・フリードキン『キラー・スナイパー』 7位 ナ・ホンジン『哀しき獣』 8位 デヴィッド・フィンチャー『ドラゴン・タトゥーの女』 9位 ティム・バートン『ダーク・シャドウ』 10位 マーク・ウェ

    • 第3回日本ホラー映画大賞【極私的】総括② または私は如何にして心配するのを止めて日本ホラー映画大賞を愛するようになったか

      この度、第3回日本ホラー映画大賞応募作品として『絶縁』を監督しました、杉浦と申します。 今現在、この文章を記している時点で、コンペティションのすべての結果が発表されています。 僕の作品は【一次選考】を通過した末に、残念ながら【最終選考】の9本には至りませんでした。 悔しい!!!!!!!!!!!!!!!! 死ぬほど悔しいです。 しかし、生きていてこんなにも心から悔しいと実感できた経験もありませんでしたし、今ある実力で「ホラー映画」について真剣に探求・思考できたこと、そし

      • 『メリー・ポピンズ』 スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスな映画と、カウンター・カルチャーとしてのメリー・ポピンズ

        『メリー・ポピンズ』(1964年/ロバート・スティーヴンソン) 【あらすじ】 空からメリー・ポピンズが降りて来る 星10。いつ何度観ても圧倒的に素晴らしすぎる、愛すべき大切な一本。 とにかく「映画が喜んでいる」という楽しさでみなぎっている。ほとんどドラッグ的な幸福感の連べ打ち。ジュリー・アンドリュースは生きて歌って踊る「幸福」そのもの。ウルトラナイスガイの我らがディック・ヴァン・ダイクは、彼が楽しそうに思い切り踊っているだけで、涙が出るような感動が湧き上がる。本作が名作

        • 『オースティン・パワーズ:デラックス』 バカでアホでどーしようもない映画には、それだけで価値がある

          『オースティン・パワーズ:デラックス』(1999年/ジェイ・ローチ) 【あらすじ】 スケベでアホなスパイが再びスケベでバカなことをする 人間なんか平等にクソで、平等になんの意味もない。そして、そんな人間の100年も無い人生なんてクソまみれだ。苦しみや絶望が止まない雨のように降り続け、欺瞞と嘘で溢れ返った最低の世界で、ぼくらは今日も「クソッタレが」とつぶやきながら、腹にクソを溜め込んで生き続ける。 しかし、どんなに辛いときにも、芸術や表現はすぐ隣でぼくらに微笑みかけてくれ

        • 【2012年映画ベスト】

        • 第3回日本ホラー映画大賞【極私的】総括② または私は如何にして心配するのを止めて日本ホラー映画大賞を愛するようになったか

        • 『メリー・ポピンズ』 スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスな映画と、カウンター・カルチャーとしてのメリー・ポピンズ

        • 『オースティン・パワーズ:デラックス』 バカでアホでどーしようもない映画には、それだけで価値がある

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        記事

          『突然炎のごとく』 恋愛の成就よりも、恋愛の破滅を描くために映画は存在している

          『突然炎のごとく』(1962年/フランソワ・トリュフォー) 【あらすじ】 男二人、ひとりの女に出会い、勝手に破滅してゆく 恋愛映画ではなく、男と女の戦争の映画。『死刑台のエレベーター』や『恋人たち』で、男を破滅させる女性を演じ抜いてきたジャンヌ・モローが「お前ら男の考えるステレオタイプな恋愛観なんかに負けてたまるか!!」と闘いを挑み続ける。もはやホラー。トリュフォー他作品だと『アデルの恋の物語』と同じおそろしさがある。 "男のように"髭を描いたカトリーヌが、男二人とかけ

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          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 絶望の時代には、それ以上の絶望を

          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012年/庵野秀明、摩砂雪、前田真宏、鶴巻和哉) 【あらすじ】 目が覚めたらみんなめっちゃ怖い 新エヴァで唯一繰り返し観ているほど好きなのが『Q』。その理由はまず、旧エヴァ特有の病み感、真っ黒なドロドロ感、居心地の悪さみたいな鬱屈したヤバイ感覚に、本作が最も近いからなのだと思う。 あともう一つの理由としては、単純に作画のレベルがシリーズで最も高い。死ぬほど画が美しいアニメーション。 『破』でせっかく新しいことをしたのに結局鬱アニメに戻

          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 絶望の時代には、それ以上の絶望を

          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 アスカ搭乗時に映画館で「嘘でしょ……」とつぶやいた女の子は元気にしているだろうか

          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009年/庵野秀明、摩砂雪、鶴巻和哉) 【あらすじ】 俺たちの知ってるエヴァじゃない?! 誤解を恐れずに書いてしまうけれど、それまでの旧エヴァの惣流・アスカ・ラングレーという人は、かなり"病みがち"なキャラクターだった。ツンデレでありながらメンヘラ。自信過剰でありながら自己嫌悪に陥る。外面と内面のアンビバレントに引き裂かれながら嘆き苦しむアスカの姿を見ているのは、エヴァファンとは言えど辛く悲しいものがあった。 それに比べて、式波アスカ

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          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』 この時は、まさか完結まで14年掛かるとは思いもしなかったよ、綾波ィ!

          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(2007年/庵野秀明、摩砂雪、鶴巻和哉) 【あらすじ】 エヴァの作画が変わる 『序』に関しては、めちゃくちゃグラフィックの美しさが向上したのは確かだけれど、テレビシリーズ及びヤシマ作戦までの総集編という印象が個人的にはどうしても強かった。 仮にも、旧エヴァを認知していない人にとって、『序』は一本の映画として歪な作品になっているはずだよなー、くらいには思っていた(ストーリーテリングとして)。劇場鑑賞時も「おさらいあざっす、で、破の予告早く

          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』 この時は、まさか完結まで14年掛かるとは思いもしなかったよ、綾波ィ!

          『バッファロー'66』 物語とは切り離された「あってもなくてもいい時間」の心地よさ

          『バッファロー'66』(1998年/ヴィンセント・ギャロ) 【あらすじ】 ボンクラ男の前に天使が降りてきた オシャレ版『タクシードライバー』。ダメ男と小太りのぽちゃ娘の拉致から始まる恋愛という設定からしてヘンテコなのだけれど、やっぱり面白い。ヴィンセント・ギャロのナルシズムが(良い意味で)キモくて可愛くて、アーティスティックな作風にてらいが無いのも、今になればとても好感が持てる。 この作品自体が僕にとって、なんとなく微妙な位置・距離にあった感覚というのは、たとえば「『バ

          『バッファロー'66』 物語とは切り離された「あってもなくてもいい時間」の心地よさ

          『その男ヴァン・ダム』 結局、映画を観ることは孤独な行為なのだから、その孤独が自分にとってどんな意味があるのかだけが重要だ

          『その男ヴァン・ダム』(2008年/マブルク・エル・メクリ) 【あらすじ】 ヴァン・ダムが酷い目に遭ってメソメソする 確か公開当時、シネコンが一軒しかない田舎(実家)に住んでいた僕は、ヴァン・ダムのメタ映画!俺の住む街ではやらない!でも観るっきゃない!と、この映画を観るためだけにユナイテッド・シネマ豊洲まで片道2時間掛けて上京したのだった。 豊洲のロビーには007の『慰めの報酬』のバカでかいポスターが吊るされていて、やっぱり東京はスゲーと胸躍らせながら客席へと向かった。

          『その男ヴァン・ダム』 結局、映画を観ることは孤独な行為なのだから、その孤独が自分にとってどんな意味があるのかだけが重要だ

          『いぬばか』を観て時間を無駄にした人間はあなただけではない、そう投げかけるために映画ファンは存在している

          『いぬばか』(2009年/ヨリコジュン) 【あらすじ】 スザンヌがペットショップで働く この映画よりも酷い映画を作れと言われても作れないレベルで壊滅状態だが、こういった映画のフリをしたやる気のない破廉恥な犯罪的駄作からしか摂取できない豊かさというものは絶対にあり、そこには常識を逸脱したクリエイティビティの一端を垣間見ることができるはずだと、とにかく90分間DVDを停止せずに画面を見つめ続けることから逃避しない懸命さをもってして、映画ファンも映画作家も形成されるはずである。

          『いぬばか』を観て時間を無駄にした人間はあなただけではない、そう投げかけるために映画ファンは存在している

          『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』 モノは買うな!作れ!そして家族も作れ!という超過激クリエイト主義の怪作

          『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』(2023年/小中和哉) 【あらすじ】 ミッドサマーみたいな村で娘がお母さんへのプレゼントを熟考する 激DIY創作推奨映画かつ反資本主義映画。でありながら、ほとんど宗教的とも揶揄できるファミリー大賛美映画でもある。クライマックスなんか統一教会かよと感じた(褒めています)。結婚最高、夫婦最高、家庭最高、親最高、子は親を崇めよ、そんな思想で埋め尽くされたシルバニア村は必ず「二人身」以上のコミュニティとして機能していて、夫

          『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』 モノは買うな!作れ!そして家族も作れ!という超過激クリエイト主義の怪作

          『Cloud』 映画の中だけに存在する「映画内世界」というリアルで、ひたすらに「面白いこと」だけをやってみた映画が面白くないはずがない

          『Cloud』(2024年/黒沢清) 【あらすじ】 転売ヤーなのでめっちゃ恨まれていた テーマとかメッセージとかドラマとかを語ることのすべてを葬り去って、「面白いこと」だけを羅列して「面白いこと」で数珠繋ぎしただけの果てしなく「面白い」映画。ゆえに、黒沢清のフィルモグラフィ、特に『クリーピー』以降だと間違いなくダントツで「面白い」。言葉通りの意味で「ずっとめっちゃ面白くて楽しい楽しい映画」。 黒沢清の映画でこんなにも笑える日が来るとは。いや、いつだって黒沢清の映画には笑

          『Cloud』 映画の中だけに存在する「映画内世界」というリアルで、ひたすらに「面白いこと」だけをやってみた映画が面白くないはずがない

          『Chime』 ディスコミュニケーションの作劇が、映画と観客のディスコミュニケーションにまで侵食する、ただ一本の新しい恐怖映画

          『Chime』(2024年/黒沢清) 【あらすじ】 誰も気がついていないが、わたしもあなたも全員狂っている 自分がホラー映画を撮るタイミングで絶対に観ない方がいいと思って暫くスルーしつつ、座組のほとんどが本作の話ばかりするので、折れてやっと観て、あまりにも創作意欲の糧となり励みとなった。 怖いよりも前提に、「まだこんな表現があるのか」「こんなことでいいんだ」「ホラーはやっぱり最高に面白いな」と勇気をもらえた。 好きなものを撮っていいよと言われてコレを撮ってしまう、黒沢清

          『Chime』 ディスコミュニケーションの作劇が、映画と観客のディスコミュニケーションにまで侵食する、ただ一本の新しい恐怖映画

          『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』 アニャさんを正統に評価しないクラブなんか潰れてしまえばいい

          『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』(2021年/エドガー・ライト) 【あらすじ】 ロンドンに来たらアニャさんの悪夢を追体験する 上京残酷物語スゥインギングロンドン編。大好きエドガー・ライトが満を辞してホラーを撮ったというだけでも充分嬉しくて、ヒッチコック『フレンジー』やローグ『赤い影』、ポランスキー『反撥』にパウエル『血を吸うカメラ』、果ては黒沢清『回路』的幽霊描写まで、好き勝手に傑作を取り入れながら楽しそうに映画を撮っていることが伝わる。ちゃんと"作家"の映画なのも、彼

          『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』 アニャさんを正統に評価しないクラブなんか潰れてしまえばいい

          『マザーズデー』 少女が少女のために「母」を殺す通過儀礼の美しさを、ゴミ映画として忘却してはならない

          『マザーズデー』(1980年/チャールズ・カウフマン) 【あらすじ】 女友達サイコー!って楽しんでたらキチガイ親子に拉致される 観たことなかったんだけど、信じられないくらいに素晴らしい傑作だった……。 この映画、ラストばかりが有名で、自分もそのラストだけを認知していた。所謂『キャリー』や『13日の金曜日』ラストをパクったクリシェで、これはこれで唐突に終わりすぎて笑える(草むらから出てくるバケモノのポーズがアホすぎるし、4回もズームしてめちゃ面白い)。 が、それだけで消

          『マザーズデー』 少女が少女のために「母」を殺す通過儀礼の美しさを、ゴミ映画として忘却してはならない