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『Cloud』 映画の中だけに存在する「映画内世界」というリアルで、ひたすらに「面白いこと」だけをやってみた映画が面白くないはずがない
『Cloud』(2024年/黒沢清) 【あらすじ】 転売ヤーなのでめっちゃ恨まれていた テーマとかメッセージとかドラマとかを語ることのすべてを葬り去って、「面白いこと」だけを羅列して「面白いこと」で数珠繋ぎしただけの果てしなく「面白い」映画。ゆえに、黒沢清のフィルモグラフィ、特に『クリーピー』以降だと間違いなくダントツで「面白い」。言葉通りの意味で「ずっとめっちゃ面白くて楽しい楽しい映画」。 黒沢清の映画でこんなにも笑える日が来るとは。いや、いつだって黒沢清の映画には笑
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『Chime』 ディスコミュニケーションの作劇が、映画と観客のディスコミュニケーションにまで侵食する、ただ一本の新しい恐怖映画
『Chime』(2024年/黒沢清) 【あらすじ】 誰も気がついていないが、わたしもあなたも全員狂っている 自分がホラー映画を撮るタイミングで絶対に観ない方がいいと思って暫くスルーしつつ、座組のほとんどが本作の話ばかりするので、折れてやっと観て、あまりにも創作意欲の糧となり励みとなった。 怖いよりも前提に、「まだこんな表現があるのか」「こんなことでいいんだ」「ホラーはやっぱり最高に面白いな」と勇気をもらえた。 好きなものを撮っていいよと言われてコレを撮ってしまう、黒沢清
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『ハッピー・デス・デイ』 ファイナル・ガールならぬ性悪ファースト・ガールが、自らの死を通してファイナル・ガールへと成長するという大発明
『ハッピー・デス・デイ』(2017年/クリストファー・ランドン) 【あらすじ】 ビッチちゃんが誕生日に何度も殺される ティーンスラッシャー以上でも以下でもない、と書くと批判のようだけれど、ティーン向けにこのような映画が存在していることはあまりにも大切だと思う。 ホラーとコメディは表裏一体な関係性にあり、コメディ要素を推し進めて脚本化したことによって、最終的にホラー映画の教育的側面が色濃く出てくるのは大変興味深い現象。 ビッチちゃんにタイムリープをさせる、というワンアイデ