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二女のキセキ

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難病の二女のこと。
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#忘れられない先生

生徒としてだけでなく、人としてあなたが好き

生徒としてだけでなく、人としてあなたが好き

noteを始めたばかりの頃、出会えて嬉しかった大切なエッセイがあります。

読ませていただき、ポロポロ泣きました。
そうなんです、ねいびーさんが書いておられるように、我が子を「可愛い」って思ってもらえることが、親ってすごく嬉しいと思います。

身体にも知的にも重い障がいのある二女のゆうは、就学前は療育施設に5年間通い、その後は、肢体不自由の特別支援学校に12年間通いました。

その間、たくさんの先

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「安心してください、それ、習慣ですよ。」と言われたい

「安心してください、それ、習慣ですよ。」と言われたい

ひとりごとなのか、二女に話しかけているのか、誰と話しているのか、自分でも時々わからなくなる。

二女と2人の時は、いつも音楽をかける。
そして気づくと、私はおしゃべりしている。

これは、二女が幼児の頃に親子で通っていた療育施設の先生からのアドバイスと、二女の目の病気がきっかけだと思っている。

小さい頃の二女は、とにかく泣いてばかりいる子だった。
新しい人、新しい場所、新しい遊びや音など、特に「

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そして、バトンは繋がった

そして、バトンは繋がった

春は異動の季節だ。
娘のリハビリの先生が、遠くに異動になってしまった。
30代前半の若い男性の理学療法士さん。
かかりつけの国立病院で、難病の娘が約6年間、毎月の訓練でお世話になった先生だ。

彼は、「ボクは自分のプライベートを切り売りしながら仕事してるんすよねー。」と笑いながら、訊いてもいないのにいつもご自身のお話をされていた。

彼がお付き合いされている女性とのデート話から、実家を出てひとりで

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ふとした言葉に、誠実なお人柄を感じました

ふとした言葉に、誠実なお人柄を感じました

以前、こんな記事を書いた。
娘の通う施設にムロツヨシさんに似た職員さんがいる。
お名前は多田さん(仮名)。

4月に多田さんが他の施設から今のところに着任されて以来、ずっとマスクをしたままのお付き合いなので、多田さんの実際のお顔は知らない。

つまり幸せなことに、多田さんはまだ、私にとってはムロツヨシさんのままだ。

先週のことだった。
いつものように施設へ娘を迎えに行き、車椅子から車へ、多田さん

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いつも、そばにいるからね

いつも、そばにいるからね

「・・・・・・いいからね。」
自分を疑った。なぜ今、こんな言葉が浮かぶのか。消したくても、頭の中でこの非常識が繰り返される。
「バカなの?何を考えているの?大好きな人とのお別れなのに。」
焼香を待つ間、自分が自分と喧嘩してた。
悲しくて仕方ないのに。
涙が溢れてとまらないのに。

これは、先生の声だろうか。 

先生は、体育の日の前日に亡くなった。
「子どもたちみんなが、葬儀に来られるように、先生

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