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二女のキセキ

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難病の二女のこと。
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#車椅子

4年ぶりに、車椅子の二女とショッピングする

4年ぶりに、車椅子の二女とショッピングする

もうそろそろ、二女と一緒にお出かけしてもいいんじゃないか、と、やっと思えるようになった。

この4年間は、娘を数回ほど実家や冠婚葬祭には連れて行ったが、外出といえば、病院か施設にしか連れて行ってやれなかった。

繰り返されてきた同じような日常から、彼女がちょっとはみ出せる日を、ずっと待ち望んできた。

あと数日で娘は26歳になる。

だから、誕生日プレゼントを買いに、夫と一緒に娘をショッピングセン

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思い返せば、あれは旅行でした

思い返せば、あれは旅行でした

何年ぶりだろう、二女と長男を車に乗せて、3人でお出かけするのは。

先月末のこと。

「バイトは休みだし、明日は特に予定がないよ。」という夏休み中の息子に、二女の病院の付き添いを頼んでみたら、二つ返事でOK。但し

「診察や訓練には付き添わずに、俺はロビーで待ってるから。」

とのこと。
それで母は充分。車から車椅子を降ろす手伝いを、彼にやってほしいのだ。

現在、二女のゆうは2つの病院に定期通院

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車椅子の娘が、2年5組の子どもたちと大縄跳びを跳んだ日

車椅子の娘が、2年5組の子どもたちと大縄跳びを跳んだ日

「体育の授業なんですけど、生徒たちが、ゆうさんと一緒に大縄跳びをやりたいらしくて。」

「え?どうやって?」

学校に娘を迎えに行った時に、サラッと担任から言われた話に、私はびっくりした。

娘のゆうは先天性の難病で、歩くことも、寝返りさえもできない。
移動には車椅子を使っている。

そんな娘が、どうやって大縄跳びをするのだろう。

担任は、当日をお楽しみに、と言って、にっこり微笑んだ。

これは

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「安心してください、それ、習慣ですよ。」と言われたい

「安心してください、それ、習慣ですよ。」と言われたい

ひとりごとなのか、二女に話しかけているのか、誰と話しているのか、自分でも時々わからなくなる。

二女と2人の時は、いつも音楽をかける。
そして気づくと、私はおしゃべりしている。

これは、二女が幼児の頃に親子で通っていた療育施設の先生からのアドバイスと、二女の目の病気がきっかけだと思っている。

小さい頃の二女は、とにかく泣いてばかりいる子だった。
新しい人、新しい場所、新しい遊びや音など、特に「

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お姉ちゃんの結婚式に、みんなで行こうね

お姉ちゃんの結婚式に、みんなで行こうね

何日も前から天気予報ばかりを気にしていた。日曜日がどうか晴れますように、と願いながら。

4月23日、日曜日。
この日は長女の結婚式だった。

長女は結婚して約1年になる。
結婚式はしないかもしれないと言っていたが、昨年末に

「春になったら、家族だけのこぢんまりした挙式をしようと思ってる。ゆう(二女)も大丈夫なところだからね。」

と長女から連絡をもらった。
親に晴れ姿を見せようと考えてくれたの

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