ちなり けいご@小学校の教師

小学校教員|教員歴10数年目の30代前半の教師です。|保護者からの理不尽なクレームをきっかけに悪循環に陥り、現在休職中。|休職した人と、どう過ごしているのかなどの情報共有をしながら、自分の過ごし方や心の様子、移り変わりに関して主に発信していきます。みんな、ひとりじゃないよ。

ちなり けいご@小学校の教師

小学校教員|教員歴10数年目の30代前半の教師です。|保護者からの理不尽なクレームをきっかけに悪循環に陥り、現在休職中。|休職した人と、どう過ごしているのかなどの情報共有をしながら、自分の過ごし方や心の様子、移り変わりに関して主に発信していきます。みんな、ひとりじゃないよ。

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【私の教員休職記・さようなら、教室。】

記憶が薄れて行く前に、もっと早くこの文章を書きたかったが、病院に行ったり、土日には家族と出かけたり、知り合いの集まりに行ったりと、時間が経ってしまった。しかし、まだ遅くない。記憶が残っているうちに書いておこうと思う。 3月の末、私は久しぶりに学校に向かった。数ヶ月前に休職に入ったのだが、その時、代わりに入る先生が使えるように、教室のカレンダーやハンコ、その他の私物をそのままにしておいた。終業式も終わり、私にとって、やはり最終的にはつらい思い出となってしまった今回の担当学級の

    • 【私の教員復職記・復職】

      この4月に現場に復帰した。 約1年ぶりの復帰であったため、本当にまた仕事ができるのだろうかという不安はあった。しかし、始まってみると、10年以上続けてきたことは、良くも悪くもあっという間に記憶が戻り、1年前の感覚に戻っていった。 「ああ、こういう感じ・・・。」 新年度の職員会議の最中には感慨深い思いが募ってきた。 それでも、久しぶりに仕事というものをしているということと、新しい職場ということ、そして、以前とは違う端末のシステムのため、4月はなかなか思うようには進まなか

      • 【私の教員休職記・再帰に向かって】

        いよいよ復職が迫ってきた。 昨年の12月あたりは、復職の時期はまだまだ先で、現実的には考えられなかったが、年が明け、4月が視野に入ってくると一気に現実味を帯びてきた。 私の自治体では、復職の前の約2か月間、短時間から始めて少しずつ職場復帰を促す制度がある。1月から、週2回程度、一日2時間から始めて、現在週3回、朝から午後2時ごろまで出勤をしている。 学校現場に来るのは、実に1年ぶりだった。 「普通に子供と接することができるだろうか。」 復職のためにお世話になる学校は

        • 【私の教員休職記・英会話カフェ〜人との出会い〜】

          昨日も英会話カフェに行った。 自宅から電車で30分。 普段はオンラインで英会話をしている。外国人の、主にはフィリピンの講師と約30分間話をするのだが、6ヶ月も経ってくると仲のいい講師の人と楽しく話ができるようになり、それはそれでとてもいい経験になっている。 しかし、やはり対面で人と話すことは、とても楽しいと感じた。 その日は、私を含めて二人の生徒と、先生。もう一人の方は個人で建築業をされていて、ヨットを2隻も持っている。私とは全く違った世界。こういう方と一緒にお話がで

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        【私の教員休職記・さようなら、教室。】

          近 況

          いつものと違う文体で描いてみようと思います。 最近、調子の方が顕著によくなってきました。 夏頃までは風邪をひいたり、体がだるかったり。また、メンタルの方も、朝起き抜けに当時の嫌な記憶が蘇ってそのまま気分の悪い一日を過ごすなどしていました。 しかし、秋ごろになって、朝に記憶が蘇ってくることも少なくなり、体調面でも、体が重いということもなく、風邪をひくこともなく過ごせています。 心身ともに健康でい続けられるということが少し前まで想像できなかったので、本当に清々しい気分です

          【私の教員休職記・人の熱量を感じられるのはやはりオンラインでなく、、、英会話教室】

          休職してまもなく始めたオンラインでの英会話も、すでに半年が過ぎようとしている。休みに入る前は、毎日話をしたくなくても人並み以上の量で話をしなければならなかった。しかし、それがなくなると、人と話すということが急激に減少し、自らが進んで話しかけない限り一日中言葉を発しなくても過ごせる状況になってしまった。そんな中で、英語での会話、しかも外国の方との話とはいえ、人と言葉と交わせるとても大切な機会になっていた。 しかし、パソコンを通しての会話というのは、やはり味気ないものだ。遠くに

          【私の教員休職記・人の熱量を感じられるのはやはりオンラインでなく、、、英会話教室】

          【私の教員休職記・坐禅を組む〜静謐〜】

          かつての勤務校の通学路にあたるところに、その寺はあった。その時は全く気にも留めていなかったが、なんとなくそこに寺があった気もした。 入り口がわからず、周辺をうろうろして、インターホンが見つかったので、押してみた。裏口のような感じであったので躊躇したが、女性の声で応答があった。正面におまわりください、ということだったので、左の方に移動した。立派な門があり、そこから中に入った。 入ると、住職らしき方が箒を持って掃除をしているところだった。 「よくおいでくださいました。少しお

          【私の教員休職記・坐禅を組む〜静謐〜】

          【私の教員休職記・坐禅を組む】

          聞こえてくる音。 蝉の声。 国道を走るトラックの音。 散水機から出る水が葉に当たる音・・・。 私は、坐禅を組んでいた。 休職した時から、一度坐禅をしてみたいと思っていた。その時の心はもうぐちゃぐちゃで、混乱状態だった。ネガティヴな思考ばかりが頭の中を駆け巡り、楽しい思いなどは入り込む余地はなく、嫌なことばかりが頭の中を何度も何度も回る。それまで楽しみにしていたテレビも、ラジオも、聴くことができなくなった。 「坐禅をすれば、何か変わるかもしれない。」 それ以前から

          【私の教員休職記・坐禅を組む】

          【私の教員休職記・映画「ブータン 山の教室を見た】

          こんなに深く気持ちを動かされたのはいつ以来だろうか。 劇場で映画を見ながら、自然と涙が頬を伝った。いつの間にかどこか遠くへ行ってしまった教育に対する情熱、感動が、その映画を通して伝わってきた。 「ブータン 山の教室」 SNSで、教師をしている人が映画のことを発信しているのをたまたま見かけ、興味を持った。いわゆる大作ではなく、単館上映というのだろうか。そういう映画を見るのは私はほとんどなく、久しぶりだった。近くの映画館でまだ上映中なのを確認し、終わってしまう前に早く見に行

          【私の教員休職記・映画「ブータン 山の教室を見た】

          【私の教員休職記・体の不調に対処する方法は・・・】

          かなり長い間noteへの投稿が滞ってしまった。 今回は、最近の気分について、自分の気持ちを確かめるために書いてみようと思う。 6月は本当に心も体もしんどかった。 半ばに入ると体がだるくなり、これが倦怠感、というものなのかとはっきりわかるほど、やる気というものが出なくなった。 原因ははっきりとはわからない。本格的な梅雨の季節になり、どんよりとした天気が多かったせいなのか、それとも他の原因があるのか。 最初は、休職当初から開始したトレーニングに疲れてきてしまったからかと

          【私の教員休職記・体の不調に対処する方法は・・・】

          【私の教員休職記・おしゃれな家具屋さんでお話したことの話②】

          (続き) そして、北欧での買い付けの様子を少し話してくれた。 北欧に行けるといっても、時間にも限りがあって、観光どころではないそうだ。いい品を求めてトラックで走り回り、それを日本に送る。そんなことをしているうちに一週間などすぐに経ってしまうということだった。何となく、「北欧」という響きに憧れていたが、仕事となると、やはりどの業界にも大変さがあるのかもしれなかった。 倉庫のような店舗の2階に上がると、そこは1階のような雑然と椅子が置かれている場所ではなく、アンティークな机

          【私の教員休職記・おしゃれな家具屋さんでお話したことの話②】

          【私の教員休職記・おしゃれな家具屋さんでお話したことの話】

          休職していると、人と話す機会が圧倒的に少なくなる。私は、小さなジムに通っているので、そこのトレーナーさんと話すことができるが、ジムに行かない日だと、自分のコミュニティがないので、普通にしていると人と話すことがない。しがらみがなく、楽だと感じる反面、人間というものは、基本的には人と話すことを欲してしまうものだと感じる。 先日、とあるアンティーク家具の店に立ち寄った。日曜日の午後、あまりすることがなく、このまま一日が終わってしまいそうになったのでもったいないと思い、いてもたって

          【私の教員休職記・おしゃれな家具屋さんでお話したことの話】

          【私の教員休職記・一通の手紙】

          あれから数ヶ月が経った。 当時、私は絶望の淵にいた。やりたい仕事もあった。まだまだ子供と触れ合いたかった。しかし、それらを全て奪われ、身動きも取れなくなり、ついに休職を決意するに至った。本当に、本当に不本意だった。 だが、時間が解決してくれるものもあると、改めてわかった。もちろん、悔しい気持ちは今でも変わらない。嫌な記憶が蘇ってくることがある。自己嫌悪に陥る。あの出来事全てを忘れることはできないだろう。しかし、時が経ち、出来事が過去のものになったという実感も少し出てきた。

          【私の教員休職記・一通の手紙】

          【私の教員休職記・さまざまな本との出会いが私を変えてくれた】

          休職してから、この数ヶ月で読んだ本をまとめてみました。(書名・作者名等間違いがあればご勘弁ください。) これからの生き方        北野唯我・百田ちなこ 心               稲盛和夫 教師という接客業        齋藤 浩 転職の思考法          北野唯我 マンガ歎異抄をひらく      和田清人 くり返し読みたい空海      近藤尭寛 お金の大学           両@リベ大学長 1年で1000万稼ぐ副業FX          

          【私の教員休職記・さまざまな本との出会いが私を変えてくれた】

          【私の教員休職記・これからの人生をどう生きるかを考えた「ノマドランド」】

          ※ネタバレあり。見ていない方は気をつけて。 先日、「ノマドランド」という映画を観た。ドキュメンタリータッチの、人間模様を描いた作品が好きなのと、評価が高そうだったので、気になってみる気になった。 ほとんど事前情報もなしに見たが、引き込まれるものがあった。 主人公の女性が自分の車をキャンピングカーのようにして、そこで生活し、転々とアメリカ各地を旅しながら生きていく。同じような立場の人たちとそこで出会っていく。それを描いた物語だ。 私も旅が好きで、いわゆるバックパッカーと

          【私の教員休職記・これからの人生をどう生きるかを考えた「ノマドランド」】

          【私の教員休職記・お寺にて】

          5月12日、雨。 近所のお寺へ。 どこかへ行きたい。しかし、どこに行こうか。思いつかなかった。ただ、家を離れ、どこか別の場所に行きたかっただけだ。 表の立派な門をくぐると、本堂のほか、いくつかの建物が広い敷地内に点在していた。天気もよくないせいか、人もまばらだった。 正面の本堂に向かった。立派な御堂だ。中からお経を読む声が聞こえたので、行ってみようと思った。子供の頃、祖父が熱心な仏教徒だったせいで、よくお坊さんが父の実家に来て経をあげていた。たくさんの人がいたような記

          【私の教員休職記・お寺にて】