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【私の教員休職記・おしゃれな家具屋さんでお話したことの話】
休職していると、人と話す機会が圧倒的に少なくなる。私は、小さなジムに通っているので、そこのトレーナーさんと話すことができるが、ジムに行かない日だと、自分のコミュニティがないので、普通にしていると人と話すことがない。しがらみがなく、楽だと感じる反面、人間というものは、基本的には人と話すことを欲してしまうものだと感じる。
先日、とあるアンティーク家具の店に立ち寄った。日曜日の午後、あまりすることがなく、このまま一日が終わってしまいそうになったのでもったいないと思い、いてもたってもいられず、雑誌に載っていたその店に行ってみたのだ。
その店は海沿いの工場地帯の外れにあり、目的がなければなかなか見つけることもできないような店だった。
想像していたのは、おしゃれな店にきれいに家具が並んでいる。そんなイメージだったが、それとは全く違った。倉庫のような場所に所狭しと椅子が積み上げられている。しかも、そのどれもがびっくりするくらいの値段なのだ。また、どれの何がいいのかも見ただけでは私にはわからなかった。
しばらくその雑多に積み上げられた椅子たちを眺めていると、ひとりの店員の女性に話しかけられた。
「いいもの見つかりましたか。」
「いえ、どれがいいのか。でもすごいですね。こんなにたくさん。」
「掘り出し物を見つけて欲しくて。こうしておいてるんですよ。」
「・・・結構な値段しますね。」
「そうですね。0ひとつ多いような?間違いじゃないですよ。北欧に買い付けに行ってるんで、その輸送量とかもまあ入ってて。年代物のいいものを揃えてもいます。」
「そうなんですか。いいですね。こういうの。なんか好きです。」
「“セカホシ“みたいですか。いろいろ見ていってください。」
「ほんとですね。ほしいもので溢れてますね。」
などと話した。どうやら、その店のたくさんの椅子たちは、北欧に買い付けに行って取り寄せているそうで、その店の店長さんがスウェーデンなどに行って見つけているそうだ。その後もまた、いろいろなことを教えてくれた。
「いいなあ。買い付けとか行ってみたいですね。」
「でも、思っているのと違って、結構大変なんですよ。」
次回に続く