📚21【おひとりさまの逆襲】というより【介護保険改悪】について

※ヘッダー画像は表紙部分です

おひとりさまの逆襲

#上野千鶴子 （1948生、社会学者、 #東京大学名誉教授 、 #認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長 ）
#小島美里 （1952生、元市議、 #NPO法人暮らしネット •えん代表理事 、障がい者•高齢者等事業運営）

#ビジネス社 　238頁
2023/5/1初版

おひとりさまの逆襲　「物わかりのよい老人」になんかならない

#フェミニスト とか #ジェンダー社会学者 と呼ばれる方は沢山いらっしゃるけれど、上野千鶴子 さんが好き
「 #おひとりさま #非婚 と言いながら #婚姻届 を出していた」と叩かれたけど、それって #事実婚 を婚姻と認めないからでしょ？

新聞でジェンダーの話題を見つけると飛びついてしまうのは、決して正義感からではなく育ちのせいだと思う
亡父はあからさまな #男尊女卑思考 ではなかったけれど、自分が働いて養うのが当たり前世代
母は #新興宗教 にどっぷり
#教祖 の発言はいちいち男尊女卑なのに、 #洗脳 されていて気づけない
後は……元夫Hかな？
介護問題=ジェンダー問題と言い切っても過言じゃない

「 #おひとりさまの老後 （ #文春文庫 ）」等の大ヒット作があり、「またおひとりさまの生き方？私は #ソロ活 でも平気だわ」と読まずにいた本書
内容は #介護 と #介護保険制度 だった
誰もがいつかは通る道
但し、介護保険制度をま〜ったくご存知ない方が読むと些か理解に時間がかかるかもしれない
介護予定、介護中、介護職、自分が介護を受けるかも？、介護保険について知りたいと思われる方は是非どうぞ

おひとりさまの老後 (文春文庫)

亡父•母親の介護に関わったし（現在進行形）、介護業界を少し知っているので、ほんのちょっぴりだけ介護保険制度の知識は持っている（つもり）
但し、3年に一度改悪 ⚫︎ ⚫︎ が行われる
つまり #ヘルパー2級 （現在の #介護職員初任者研修 ） #介護福祉士 #介護支援専門員  （ #ケアマネジャー ）を取得したときとは既に状況が変わっている

介護保険制度が始まったときの #理念 は、介護を家の中に閉じ込めてしまわないで、社会で看ましょうよという素晴らしいものだった
必ずしも #施設 に入れましょう、家族は手を出さないでね、ということではない
身体的な介護はプロがやりますから、ご家族は高齢者が幸せを感じられるよう、お楽しみの部分を担ってくださいね、ご家族も疲弊しないでくださいね、ということだった

いつもながらの付箋の数よ‼︎
「これを全部書いたら本になるわ」と
途中で貼るのをやめた
ああ、剥がすのが面倒だ……

そうそう、「介護保険なんて未だ早い」「サービスを受けるのが恥ずかしい」「チイチイパッパなんてごめんだ」と仰る皆様‼︎
介護保険料って40才から毎月払い続けるんです
保険サービスを受けるのは権利なんですよ
年金保険料を払いながら、「年金なんてビタ一文受け取りません‼︎」という方がいらっしゃいますか？
いかにしてお得に受け取れるか？ってお考えではないですか？

#認知症 ではなく比較的お元気な方が嫌がることの多い #デイサービス
それ、ただの #ミスマッチ ですからね
少なくとも私が所属していた #事業所 は、事前に #個別のニーズ をしっかりと掴んでるから、何でもかんでも「いっせーのー」で同じことを強要しない
いつの間にか、デイサービスの日が待ち遠しくなり、お洒落をして通ってくださる
ケアマネジャーさん達からも「デイサービスを嫌がってるけど、お宅なら大丈夫だと思う」と信頼されていた
当たり前だ‼︎そういうデイサービスにする努力をしたんだもの‼︎
※介護認定→ケアマネジャーが介護サービスを紹介→ #ケアプラン 作成→介護サービスを使えるようになります（雑……）

介護保険財政の逼迫や介護職員不足に抗おうと、国（ #厚生労働省 ）が繰り出してくる手口は汚く、現場とは乖離している
何故か？
その人達が現場を知らないから‼︎
お金があって、人手があって、生活の不安がないから、自分で介護をしたこともなければ、自分が介護されるときの心配もないから
介護職員の収入で生活することなんて考えたこともないから

今後、どんな改悪が私達の老後を待ち構えているかというと
⚫︎サービス利用料2割負担の標準化
今は1割負担がデフォ、収入により2割、3割負担の方はいらっしゃる
⚫︎3割負担の対象拡大
⚫︎要介護1•2の訪問（ #ヘルパー ）通所介護（デイサービス）を介護保険から切り離す
介護度は軽い方から要支援1•2、要介護1〜5の7段階
既に要支援1•2は介護保険から自治体の事業に移っていて、更に要介護1•2まで移そうとしている
職員は介護保険のヘルパーより簡単な研修だけで働けて、サービスの質にも自治体によるばらつきが出る
⚫︎低所得の施設入所者への食事•部屋代の給付見直し
⚫︎ #ロボット を活用し配置人員を減らす
⚫︎ #福祉用具 の買い取り
#レンタル なら、状況が変化すれば福祉用具を交換してもらえるのに……
#ポータブルトイレ など元々買い取りの物もある
⚫︎ケアプランの有料化

解りにくいですか？
簡単に書けば「払うお金が増えて、サービスの質が下がり、介護職員の数が減る」ということ
誰が介護職を志望したがりますか？
本当はと〜〜〜っても達成感を得られる仕事なんですよ

介護職員の収入を上げてあげましょうね、という話題があります
財源って考えたことありますか？
結局は徴収する介護保険料を上げて、高齢者の介護サービス利用料を上げるんですよ（税金も投入されますが……）
翻って防衛費ってね、全額税金なんですよ
政治屋達よ、目を覚ませ‼︎

どうして介護職員の賃金が低く設定されているか、解りますか？

政治の問題なんですよ。（中略）
なぜこれほど低い報酬設定になっているのか。在宅支援型のサービスがこれだけ低い不利な条件に設定されているから、非常に素晴らしいメニューがあっても担い手が増えないし、担い手の離職率も高い。（中略）
ケアは、女がやってきた「タダ働き」だからです。だからこんなもんでいいだろうと思っている人たちが制度設計をしてきたんです。その人たちはケアをしたこともなく、これからやる気もなく、やらなきゃいけない立場に立つという想像力もない人たちでしょう。（中略）ケアする側の処遇がこの程度でいいということは、つまりケアされる側の年寄りの扱いもこの程度でいいと、彼らが思っているということです。

第7章「在宅ひとり死」は可能か　上野氏発言部分

酷い話だと思いませんか？
ところで在宅ひとり死は可能でしょうか？

（介護業界の人たちは）優しくて、忍耐強いし、徹底的に相手の立場に立って考えようとするし、その気持ちは尊いと思います。（中略）
この人たちが、介護の仕事を好きなまま続けていられるようにしていかなければいけないと思っています。（中略）
きちんと収入が確保されなければ、金銭面的な面から高齢者施設に入ることも難しくなる。結局、在宅しか選べなくなる。

第8章　理想の高齢社会は、幸せな「在宅ひとり死」ができること　小島氏発言部分

貧富の差が広がり、 #富裕者 か #生活保護 受給者でないと施設入所が難しくなってきているという現状
介護職にある者が、低収入ゆえ介護サービスを選べないとは皮肉もいいところ
詳しくは本書をご一読いただければ瞭然だけれど、「在宅ひとり死」の可能性は充分にある
看取りができる介護職員はいる
敏腕ケアマネジャーが #訪問診療 （医師） #訪問看護 #訪問介護 を上手くケアプランに組み込めば、恐れることはない

「但し認知症でなければ」というオマケが付く
体がお元気な認知症なら、ヘルパーが訪問していない時間帯に外出して何処までも行ってしまうリスクがある
火の不始末から火事になるかもしれない
真夜中に、家族に電話をかけまくるかもしれない
でも大丈夫
素晴らしい #グループホーム だってあるからね

#対談 方式であっという間に読めるので
先ずはご一読を

おひとりさまの逆襲　「物わかりのよい老人」になんかならない

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