【現代詩】『Cherry Blossom.』
『Cherry Blossom.』
赤黄緑紫
死ぬ代わりに
文章をかく
〆
お前の馬鹿にしてきたもの、全部が
花弁になって
押し寄せる
お前の厭世する
得体の知れぬ
獣を殺す
〆
実は
本当の事を言うと
この、殺意は
お前自身から萌出た
他愛もない
命なのだよ
*
教えてあげる
ほらこんなにも
生、温かい
俺ひとりのもの、では
ないのだよ
*
死ぬことで 証明しよう
俺と
お前の心臓が
地続きなのだ、と
いうこと
その為に命を使い果たす
ということ
*
不幸との間に一線を引き
他人顔して
縁側で茶を啜る
=それこそが=
お前等の
命を懸けた、綺麗事
*
その上に散乱した
桜の花弁を
踏みしだき
恥ずかしげもなく
明日へと
歩いて
ゆく
ん
*
だ
あかきみどりむらさき
2024ねん