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邪道作家23巻 邪道作家・最後の「答え」 

作品テーマ 非人間讃歌

ジャンル 近未来社会風刺ミステリー(心などという、鬱陶しい謎を解くという意味で)


簡易あらすじ

アンドロイドが自我を持ち職を奪い作品すら書き上げる時代───非人間の殺人鬼作家が、作者取材という戦いに挑む!!

当然ながら依頼は嘘まみれ、行き着く先には困難ばかり••••••得られる「利益」が見えずとも、不屈で書き抜いた事だけは「真実」だ。


天上天下において並ぶもの無い、唯我独尊の物語だ───他に書ける奴がいるというなら連れて来い!!


過去未来現在において、唯一無二の


「悪意」


だけは「保証」しよう!!!


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とりあえず道は切り開いてやったぞ!!! 

業界の改革案にしろ、シリーズによる非人間讃歌にしろ、これ以上切り開ける部分がなくなるまで書き切った!!!


後は知らん!! 言った筈だ!!!

全てが万事、読者次第だ!!!!!




邪道作家 第三部 23巻


A

  0

 世界にとって「お前はゴミだ」と言われるからこそ「作家」になる。
 成り果てる、と言い換えても良い。シェイクスピアのような華々しい道を進んだ奴でさえ、俳優としての道に挫折しているものだ。
 むしろ、しなければ作家ではない。
 世界の敗北者、それが作家だ。人間として何も得られず、何一つ手にしなかったからこそ物語を語るのだ。実際には手に出来ないからな。
 無駄だ、無駄。この語りも無駄だ。
 それでも止められない。いや、私の場合売れもしないのであればこれ以上は書かないので、もしここから先を書くとすれば、物語を売り大儲けに成功した「後」だろう。
 その私が「同じ」かは分からない。
 何も変わらないかもしれないし、何かを変えて今までとは違うかもしれない。だがいずれにしろ御免だ。私はこれ以上徒労など御免被る。
 時間の「無駄」だからな。
 故に、ここから先の噺は知らない。興味が無いし関係ないからだ。だから、もしこの物語の先が語られたとしても気にするな。
 
 
 物語なんぞ、何の価値も無いのだからな。
 
 

   1

 当たり前だが、私は「本性」は出さない。
 人間関係というのは「適当」で問題ない。何せ人間同士のやりとりで「適当」でないものなど、少なくとも現代においては無いからだ。
 結婚も友情も仲間意識も、同じだ。
 真剣に何かに立ち向かう奴など、存在しない。誰も彼もが「適当」なのだから、真剣に向き合う方が馬鹿げている。
 実際、それで損は多かった。
 無駄な一苦労だ。迷惑極まりない。
 なので適当に応対する。表面上の付き合いしか人間はしないので、こちらも表面上だけは適当に合わせる訳だ。当然、私はそれが得意である。
 何せ、嫌と言うほど練習したからな。どれだけ才能が無くとも、反復練習を繰り返しさえすれば「それなり」にはなるものだ。
 とはいえ、それも意味はあるまい。
 とどのつまり「人間」と名乗る連中の関係など「力」が全てだからな。立場、権威、何でもいいが「動かす側」にいれば態度など関係ない。
 何をしようが、押し通せる。
 現代の政治はまさしくそれで、押し通せるからと押し通し続けた結果、中身が無くなり形骸化を果たした。それでも動かせるのは「力」だ。
 言い張る力があれば、中身など関係ない。
 それが「人の世の現実」というものだ。実際に中身の伴う為政者、いや「人の上に立つ者」などいるのか? 
 羨ましい噺だ。楽そうで。
 私はそういう「楽」は出来なかった。当たり前だが人間社会において「立場」なんて物があれば「邪道作家」になど成りはしない。
 人間社会に相容れないから、成り果てた。
 迷惑な話だ。楽が出来ればそれでいいのだが、私だけ連中のように「楽」が出来ないのに実利が伴わないというのは、迷惑極まりない。
 何が悲しくて、こうも徒労を積み重ねなければならないのか・・・・・・まあ、釣り合いは取れないが「悪運」には定評がある身だ。どれだけ負け続け「過程」が酷くとも「結果」的に「利益」を得て「生き延びる」のも私の特性だ。ある意味不死身とも言えよう。
 全く嬉しくないがな・・・・・・・・・・・・正直疲れる。 楽して利益を得られるに越した事はない。大体悪運で得られる利益というのは「経験」だとかであって「金銭」は大きく得る事は少ないのだ。
 正義の味方に殺されないが、大儲けも無い。
 そういうものだ。こと「争い」では殆ど無敵と言えるが、利益を何としても得ようとするまでの「過程」においてはズタボロもいいところだ。
 所謂その「怪物」連中とは真逆と言えよう。
 とにかくロクな目に合わないし誰にも認められない上に、差別と偏見を受けられる身分にさえもならない。勝負の土台に上がるまでが長い。
 だから、敗戦処理に秀でている。
 嫌な噺だ。堂々と真正面から「力」で勝てるというのは経験すら無い。騙し討ちどころか規範の裏を取り規則をねじ曲げ金だけは徴収する。
 大体そんな感じだ。
 あるいは、負け続けるかだな。今までの物語を読めば分かると思うが、生まれついて順当に勝利を収めたことなど、一度として無い。
 何の上にも立たず、常に地獄以下だ。
 ちょっとばかり差別された程度で、能力による「楽」をしておきながら「被害者面」をする奴等には分からないだろうが、最低最悪だぞ。
 上手く行くことが「無い」のだからな。
 すさまじくやる気の失せる噺だ。その根底での意志が何であれ、結果が伴うかは全て運。過程に美談を求める奴は、恵まれていて理解しない。
 全ての優位性を持たず、常に敗者。
 必ず失敗し、責任を押しつけられる当事者だ。不思議な事に幼少の頃から「必ず」私が「害悪」だと言われている。理由を考える気も無いのだとは思うが、だとすれば楽で羨ましい噺だ。私でもこれなのに、能力のある奴が被害者ぶる。

 
 他にやることはないのか?
 

 まあ、無いからこそ嘆くのだろう。嘆いていれば「成し遂げた気分」になる奴は多い。怪物でもそうだが政治を否定する市民も同じだ。
 いい男がいないだの生き甲斐がないだのとな。要するに「己が足りない」だけだが、周囲に求めそれだけで「生きてこれた」からこその現在だ。 我ながら、持たざる者で有り過ぎたのだろう。既に目的に向かう機構のようなあり方でしか動けなく成っている気がする。自分で言うのも何だが「楽」というのは悪いものではないのだ。もし、全く「楽」をしない人生を歩めば、それは人の生とは呼べず、ただ徒労を繰り返す負の蓄積だ。

 他でもない「私」が言うんだ、間違いない。

 若い内に苦労しろとか言う奴は多いが、実際に苦労をしていないからこそ言えるだけで、大体が「やってみろ」と言える苦労など存在しない。
 能力もなく、ただ失敗し敗北する。
 その経験が無い分際がほざくな。努力したから成功できた、などと浅い台詞しか吐けない時点で世の苦労など何も知らない。
 適当にやっても生きてこれた、それだけだ。
 これは怪物と呼ばれる連中も同じだろう。要は世間知らずで失敗しただけの奴ばかりだが、単に一度二度失敗した「程度」の事を大袈裟に飾って叫んでいるに過ぎない。一つ、言える事があるとすれば、その程度の「失敗」や「敗北」あるいは「苦痛」なんぞ、私には「万分の一」以下だ。
 人間にフラれたから、というのも理解に苦しむ噺だ・・・・・・・・・・・・こと「他者に否定される」点において、私を凌ぐ猛者はいないだろう。
 正直、数えてすらいないからな!
 むしろ、否定されなかったことがあるのか?
私自身意識すらしていない。そも「私の行いなら否定され拒絶されるだろう」というのが行動する前に「前提」として必ずある。第一人間とは対話した事すら無いのだ。
 基本、己の主張ばかり言ってくる。
 こちらの意見は聞きもしない。聞いているフリだけで、聞いてやっているのだからこちらの都合「にだけ」合わせろというのが通例だ。
 私の意志や行動など、何にもならなかった。
 全ては「無駄」だ。何の価値もなかった。
 選んだ道を進みはしたが、こうして売れる前にもう嫌だと想いつつ「渋々」書いているのは真実から出た行動だからなのだろうか? だとすれば無駄な事だ。結局、金にはなっていない。
 見る側の自己満足に、付き合わされているだけだ。私個人を蔑ろにしているからこその結果だ。 何を想い行動するか、では断じて無い。
 それは私自身が、誰よりも「証明」した。
 何をやろうが、所詮運次第だ。意志や行動など何の価値もないし、力は持たない。正直無駄だと分かっているのでやりたくない。
 やるだけ無駄だからな。時間の浪費だ。
 無理矢理やらされているだけだ。どうでもいい・・・・・・問題なのは「金」だけだ。
 運の総量を示すのが金なら、それだけしかない・・・・・・・・・・・・他には存在しないし、全てゴミだ。 精々、適当にやるとしよう。
 やるだけの価値が、貴様等には既に無い。
 ゴミの言い分など、どうでもいい。そんな私に「正義」などという概念が如何にどうでもいいかは語るまでもない事だが、しかし、今回はそれが「主題」となる。
 無論、私にとって正義とは「正義という名の悪がある」というだけの出来事だ。当然ながら悪である以上は私が「活用」する義務がある。
 なので、そうすることにしただけだ。
 読者は成長しない、作者の意図は無視され物語の存在意義など有り得ない相談だ。だからこそ、私は筆を執ったのかもしれない。
 正直今後は御免なので、ここで終わりだ。
 確かなのは、どれだけ儲からなかろうが失敗を繰り返そうが「邪道作家」であるという「事実」だけは、どうしようもない真実という事だ。
 嬉しくもない。真実など向かうだけ無駄だ。
 大体、誰がその意志を継ぐというのか。誰一人読みもしない意志など、石版に落書きされた古代人類の意図よりも価値があるまい。
 要するに無駄、ということだ。
 なので、この先はどうでもいい。問題なのは、そう・・・・・・実利であり「結果」だけだ。過程など何でも同じだ。そこまでの過程に価値はない。
 まさしく、今そう成り果てた「私」が言うんだ間違いない。どれだけの偉人だろうが、私以上の失敗と敗北を繰り返した奴はいないのだ。
 
 それだけは「確か」だ。
 
 もし私以上に失敗と敗北を繰り返すというならいるだけで隕石が降ってきて迫害され、面識すら無い人間どころか遙か彼方の宇宙人にまで恨みを買う事になる。そんな生命が生きていられるとは思えないからな。
 ・・・・・・いや、無い筈だ。多分。
 私の場合、どこで恨みを買っているか把握など出来た試しがないので、正直「宇宙人に恨まれていないか」という問いに「否」と答えきれないというのが確かな「事実」だ。我ながら本当に無駄な徒労ばかり引き寄せるが、しかし事実は事実。何があったかわかったものではない。
 本当に、嫌になる。
 私が一体何をした? 今は「まだ」何もしてはいないのだから、責めるべきは金を手にした後であって、実際に利益、もとい断行した後に訴訟を起こすべきだろう。何が悲しくて意味不明理不尽極まる邪魔ばかり入るのか。
 私が清廉潔白過ぎるからか?
 かもしれない。ある意味私に「欲」という物は存在しない。そも人間、というか生命の在り方に共感を覚えないのだから、ある筈もない。
 噺が逸れたが、売れもしない内に書き続けるのは苦痛なので、そろそろここで終わらせよう。
 無論、続きは有料だ。金は貰う。
 故に、この続きは存在しない。
 欲しければ札束で金を払え。そうすれば一考はしてやろう。無論、書くかどうかは私の気分次第ではある。本来、無駄になるものなのだ。
 人の意志や行動など、そんなものだ。
 何一つ持たぬ「私」ですら、ここまで来た。
 だが、それを忘れるのが「読者」というものだ・・・・・・無為に終わるかもしれない。それでも私は進み戦い切り開き、ここまで来た。
 それも「無駄」だったのだろうか?
 かもしれない。全ては「結果」だ。
 いずれにせよ「報われない」のは確かだろう。今更私が売れたところで、生活の保障という最低基準が満たされるに過ぎない。
 何をどうしたところで、報いは無いのだ。
 それでも、やる。
 無論、世界にはそれを評価する能力も資質すら無い。無能が垂れ流し容認するのが貴様等だ。
 安心しろ、期待など最初からしていない。
 せいぜいその無様な生の参考にしろ。貴様等に出来るのはその程度が関の山だ。
 見ていろ読者共。貴様等が逃げる道を私が征く・・・・・・・・・・・・貴様等が投げ出し、目を背けてきた数々の暗闇を、私だけが進むのだ。
 人間の歴史に価値はない、その証明。
 まさしくその通りだろう。暗闇を切り開いて、得られるものは何もない。楽な人生を歩く豚こそ価値ある物として評価される。

 それが、お前達の「正体」だ! 

 申し訳なさそうに生き、死ぬがいい。
 貴様等にはそれが「お似合い」だ。
 ではそれを口にする貴様には何が出来るのか、そういう意見があれば、私は迷わず答えよう。

 それでも、私はやったのだ。

 無価値だと断じられ否定され敗北し、誰よりも失敗を繰り返しても、それでも、やり続けた。
 

 ただ、それだけの噺だ
 

 

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例の記事通り「悪運」だけは天下一だ!! サポートした分、非人間の強さが手に入ると思っておけ!! 差別も迫害も孤立も生死も、全て瑣末な「些事」と知れ!!!