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エッセイ

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記事一覧

プレーンソングについて

 保坂和志氏のプレーンソングを少し読み返してみた。  この小説は、僕にとっては結構思い出深い小説で、漫画以外で初めてちゃんと読んだ本だった。それまで僕はほとんど本(小説)を読まなくて、小説自体あまり好きではなかった。と言っても、今でもあまり多くの小説は読んでいないのだけれど…。  この小説は、僕が出会った小説の中で、群を抜いてグダグダだった。そして、小説によくある、と言うか小説は普通そうなんだけれど抑揚が無くて衝撃的ですらあった。だから僕は保坂和志の文章が好きになったのだ

下町のGOEMON ~立ち飲み屋で遭遇したおっさん~

 以前、一人でプラッと立ち飲み屋に行ったときのこと。 僕が立っているカウンターの隣には、パチンコ帰りのおっさんが2名、ワイワイと民度の低い会話を繰り広げていた。  その会話が面白かったのでちょっと紹介しようと思う。 オッサンA「今日俺、暇だったもんだからさぁ、パチンコ行く前にDVD借りたのよ。GOEMONってやつ」 オッサンB「へぇ・・・。知らなねぇなぁ。時代劇かぃ?」 A「まぁ、時代劇みたいなもんなんだけど、CG(“すぃーぢー”的な発音)がすんげぇの」 B「へぇ

【M-1グランプリ2021】優勝予想と個人的な希望

 いよいよ明日に迫ったM-1グランプリ2021。  決勝進出者発表後のネットニュースを中心に、今年はランジャタイの期待値が高いという記事をよく見るが、準決勝後から決勝戦本番までのこの期間は、どのコンビが優勝するかを予想するのも楽しい期間だ。  さて、それでは今回の決勝進出者の顔ぶれが下記。 もも(吉本興業) 真空ジェシカ(プロダクション人力舎) モグライダー(マセキ芸能社) オズワルド(吉本興業) ランジャタイ(グレープカンパニー) インディアンス(吉本興業) ゆ

 ウエハース地獄 ~クリスマスの思い出~

 クリスマスと言えば、両親から「サンタさんはいません」宣告をされた翌年のクリスマス。それでもプレゼントは買ってくれるらしく、オカンに何が欲しいかと聞かれ、 「ビックリマンチョコ箱買い」 と即答した僕。  ちなみに当時小学生の僕は、チョコレート等の甘いお菓子があまり好きではなく、さらにウエハースのあの口内の水分をすべて持っていかれる感じも得意ではなかった。プロ野球チップスはカードもポテトチップスもどちらも楽しみにしていたけれど、ビックリマンチョコはシールが目的でウエハース

ゴスペラーズの方ですか?

先日遭遇した女性の話をひとつ。  田舎から東京へ帰る為、ボクは高速バスの停留所でバスを待っていた。しばらくすると、女性が一人停留所にやってきた。 その女性は“ふくよか”という表現では到底コーティング出来そうもない、あり余る霜降り肉とパッションの所有者で、その眉毛の細さと体格から一見して常人の感性では決して辿り着けないであろう場所から世界を見ている方なのだということがわかる。 彼女はその能登半島と見紛うばかりの眉毛をさらに鋭角に尖らせながらあたりを見回して、おもむろにバッグ

歯医者での永遠の課題。

 先日歯医者に行きました。治療で歯医者に行くのは約20年ぶりです。先日、歯のクリーニングをしに行ったときに虫歯が見つかってしまい、20年ぶりに虫歯治療のために歯医者に行ったわけです。  小学生の頃行ったときより、恐怖を感じました。  で、お約束の 「痛かったら左手を上げてくださいね」 コールですが、あの基準が歯医者初心者のボクには分からないわけです。  あの小型電気ドリル(仮称)が虫歯に当たった時点で実際は痛いわけです。虫歯だもの。でも、歯科医はその基準で手を挙げる

ゲロとウンコとファンキーガッツマン

 ダーツバーを貸し切るというプチバブリーな幼馴染の誕生日会に出席するために、土日を利用して地元に帰っていたわけだが、そこに集まった同志は約30名。お見合いパーティーの雰囲気がプンプン香り立つ会場でその彼を祝い、僕はというと女性と話すのは毎週事務所の掃除にやってくる金髪で前歯のないおばちゃん以来なので否が応にもテンションがあがる。  久しぶりに会う友人や、どこのプリケツか分からないような人々に囲まれて、ボクはダーツで人のケツしか狙えなくなるまで飲み、その後の二次会でも人妻を口

「幸せですか?アナタ、今」~何かの勧誘とのバトル~

 駅前でスーツの男に話しかけられた。 僕はイヤホンで音楽を聞いていたので奴が何を言っているか聞こえなかったし、それでなくても無視を決め込んでいたのだが、あまりにもしつこいので足と音楽を止めた。  「アナタ、今幸せですか?」 という趣旨のことを聞かれ、金銭的な話と宗教的な話を散々された。基本的にある程度の幸せはお金で買えると思っているので、幸せとお金の関連性はそうそう否定する気も無いが、それに宗教のエッセンスをプラスするなど言語道断。  僕が相当不幸そうに見えたのか、相当

京都っていいよね・・・vol.3【学生時代の壮絶エピソード】

 京都の大学に通っていた頃に僕が住んでいたのは学生専用のオートロックマンションで、オートロックというと聞こえはいいが、正面玄関、いわゆるエントランス以外なら低い塀を乗り越えてどこからでも入ることができて、ほぼ防犯の意味はなかった。まぁそれはいいとして、間取りは7畳の1kユニットバス。時代は既に高校生や大学生が携帯電話を持ちはじめた頃頃だったが、部屋にはホテルにあるような備え付けの固定電話がついていて、一般回線の他に各号室ともやり取りができるようになっているのだけれど、使うこと

京都っていいよね・・・。vol.2【学生時代の壮絶エピソード】

 さて、前回に引き続き京都の話。前回も書いたが、僕はちょいちょい近くの商店街で歌っていて、その日もいつものように歌っていた。1時間くらい歌ってからだろうか、僕はその日家で聞いていた斉藤和義の「僕の見たビートルズはTVの中」という曲をなんとなく歌ってみたくなり、その曲を歌い始めたことが悪夢への出発点となってしまった。   なんだか今日はガラの悪そうなひとが多いなぁと少し思っていたが、その街の治安は僕には関係が無いことなので、特に気にすることも無く曲は進む。   その歌にはこんな

京都っていいよね・・・。【学生時代の壮絶エピソード】

 僕は、高校を卒業してから京都の大学に1年だけ通っていて、そのときは京都市の南、宇治市の小倉という地域に住んでいた。駅前には国道24号線が走っていて、スーパーとレンタルビデオ店と居酒屋とマクドナルドと無印と他数店が入った駅ビルとも言いがたい建築物が建っていた。京都といってもその周辺には平等院鳳凰堂があるだけで、他は京都らしいものはそれほど多くなかったような気がする。  僕は適当に選んだその大学に行くのがイヤになって、夏休みが終わってからは学校に行かなくなってしまっていた。  

ネコはお嫌いですか?

 現在は自宅で猫と暮らしているが、僕がまだ猫を飼う前の、20代半ば、新宿御苑前の出版社であるフリーマガジンの雇われ編集長をしていた時のこと。  その日のお昼は公園で食べた。ポカポカしていたし、胃腸が疲れているのか、お昼の定食を食べきるだけの食欲が無いし、それなら軽食でも、と、ドトールを覗いたらいっぱいだったから。  菓子パンを食べながら胃腸虚弱故の嘔吐感と戦っていると、半分にちぎって膝の上に乗せた僕が食べていないほうのパンをガサガサしてるヤツがいて、見るとネコが寄ってきて

低価格チェーン店の老フードファイター

 先日、昼に安いラーメンチェーンに行った。 そのお店は、無駄に安いので(無駄かどうかは知らないが)、変な人もたくさん来る。 そんなお昼の1コマ。  4人席のテーブルが3つ並んでいて、一番手前は既にヒトがいたので僕はその隣、真ん中の4人席に座る。しばらくすると見た感じ50歳位のおっさんと、その母(おっさんが「お母さん」と呼んでいたので間違いない)が来店した。50歳くらいのおっさんの母親なので見た目は80歳くらいで、もういいお婆さんだ。  二人は、四人席を二人で使うのをためらっ

そんなお年頃。【中二病の症状についての考察(嘘)】

「なか卯っで ご飯を食べよう♪」 と大声で歌っている子供が「すき家」に居た。 その斜向かいの席で遅めの昼食をとった。  その子が居るときはそっちが気になっていたが、その子が居なくなってから逆側の席の女子中学生二人が目に入った。乙女ロードという腐女子の楽園の近くなので、いい具合に腐った女の子達だった。  ひとりは、やたらがんばってカワイイ声を出そうとしている子で、仕草から何から延髄のあたりを刺激されるような仕上がり。僕が中学生だったら確実に手が出ているレベルだが、まぁも