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【読書】2050年の世界 見えない未来の考え方

以下の本を読みました。

2050年の世界 見えない未来の考え方


未来予測とは旅である。

以下、本書の引用です。
「未来を覗こうとしている人は、だれもが旅をしている。新しいエビデンスが出てくれば、考え方は変わる。わたしたちがたどっている地図を書き換えなければいけないからだ。地図がまったくないよりも、地図を修正しながら進んでいくほうがずっといい。」

本書はこの地図に当たるわけです。著者の視点で未来を予測し読者に語りかけてきます。

未来予測と言うと仰々しいですが、私たちも普段から計画を立てたりしますよね。

これも一種未来予測だったりします。
自分の欲しい未来に近づくために、目標とのギャップを埋めていくわけです。

計画は立てたものの予想外に時間がかかったり、うまくいかないこともありますよね。
ここで投げ出す必要はないわけです。

本書で言う「地図」を片手に一歩ずつ進んでいき、変化点があれば都度修正していくのです。歩みは遅くとも着実に進んでいき、状況を見ながらまた修正する。特に答えの無い問題に取り組んだり、結果が予測しにくい不確実な状況では有効なやり方なのではないでしょうか。


変えられるものに眼を向ける

以下、本書の抜粋です。
「国の経済の強みと弱みを考えるときには、変えることができるものとできないものを区別する必要がある。」

確かに近隣諸国と場所は変えようにも変えられませんよね。また、他国よりも自国を変えるという方が現実的なことも多そうです。

変えられないものではなく変えられるものに眼を向けること、また他国と異なる自国の個性を理解して生かせると良さそうです。

これは個人の人生において、自分と他人の関係に置き換えて考えても生かせそうですよね。


革新的技術が生まれる瞬間

以下、本書の抜粋です。
「革命的な進歩が起きるのは、科学のブレイクスルーが突然生まれるときか、既存のテクノロジーを組み合わせて改良し、そこから開発された商品やサービスが世界中に一気に広まるときである。」

前者の例として「抗生物質」
後者の例として「iPhone」
が挙げられます。

以下も本書の抜粋です。
「このように革命的な変化を予測するのがむずかしいのは、それが起きてしまえば当たり前のことに見えて、どうしてだれも思いつかなかったのかと思うのに、起きるまでは想像もつかないものであるからだ。」

なんだか納得してしまいますよね。
そもそもiPhoneも要素を分解すると

電話
音楽プレーヤー
インターネット

から成っており、一見、なぜ組み合わせていなかったのか?と思ってしまいます。

結局、適切なタイミングで上記の要素を組み合わせたスティーブ・ジョブズがいかに凄かったかということでしょう。

誰もが気づいていないことに気付ける能力もさことながら、特筆すべきはタイミングです。

初代iPhoneは2007年に発売されました。
通信規格は、3G
携帯電話で写真付きメール(写メ)が送れるようになった頃ですね。

通信規格が、2010年頃に4Gとなると動画の視聴が可能となったわけですが、この3Gから4Gへの過渡期に市場に初代iPhoneを投入できたことが勝因かもしれませんね。

スマホで動画を見るのが当たり前になる前に、消費者の手元にiPhoneが行き渡っており、ある意味スマホのデファクトスタンダードとなった状態を作ったのです。

スティーブ・ジョブズも完全に未来を見通せたというわけではないでしょう。

iPhoneの大成功の影には幾多のボツアイデアもあるわけです。そんな中でも現実と向き合い、自分の頭の中の「未来予測」を都度修正しながら進み続けた末の偉業かもしれません。

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