【図解読書】アイデアのつくり方のレビュー
この図解レビューでは、筆者が価値高く感じたビジネス書を中心に、図解による概念化と引用を用いながら重要なエッセンスをレビューしております。
「締め切り間際なのにアイデアが浮かばない...」
「良いアイデアで新規事業の提案をしたい...」
そんなお悩みをお持ちの方は多いと思います。
技術が発達し、必要なものは大体手に入る現代で、新しいアイデアを生み出すことはそう簡単ではないですよね?
今回レビューする「アイデアのつくり方」は、そもそもアイデアとはどう定義されるのか、どのような手順でアイデアを生み出せるのかということを教えてくれます。
・良いアイデアが浮かばないコピーライター
・新規事業を提案したいビジネスパーソン
・日々新企画に追われている編集者
など、アイデアに関わる全ての方におすすめの1冊です。
著者のジェームズ・W・ヤングは、アイデアとは「既存の要素の新しい組み合わせ」と定義しました。
この表現、たしかにとてもしっくりきますよね。
アメリカ最大の広告代理店でコピーライターをしていたということもあり、日々新しいアイデアを生む経験に基づいた秀逸な表現だと思います。
みなさんも周りのものを見渡してみてください。
どの商品も、過去の人々の習慣や地球に存在する物質等の何かしらの既存の要素を組み合わせて作られたものですよね。
したがって、新しいアイデアを生み出すには既存の要素の関連性を見出し、いかに組み合わせるかという行動が重要になってくるのです。
それでは、具体的にどのような手順でアイデアを作っていけば良いのかみていきましょう。
いかがでしょうか?
意識していなかったけど、よく考えてみるとこの手順でアイデアを生み出した経験がある方は少なくないのではないでしょうか?
自分の脳内で既存の要素が新しい組み合わせになる流れを明確に確立できている点は素晴らしいです。
特に、ステップ④で思わぬタイミングでアイデアがひらめくことを入れ込んでいる部分には強く納得感がありますね。
また、ステップ③にあえて思考を放棄する工程を入れていることは、ヤングが「アイデア」というものを深く理解し、人間の脳構造や心理学についても経験則に基づいて理解していることが伺えます。
一方、もしステップ①の知識の収集なんて当たり前だと軽視されている方がいたら要注意。
ヤングは本著の中で、世の中の実態としてはステップ①が不完全なままステップ②に移ってしまう人が驚くほど多いと警鐘を鳴らしています。
知識を収集することは、なんだかとても地味で、退屈な作業の割に大変疲弊するものなのでごまかしてしまうことが多いのとのこと。
アイデアとは「既存要素の新しい組み合わせ」ということもあり、自分の中に既存の要素があればあるほど組み合わせ数を増やすことができるのです。
逆に知識が少なければ当然組み合わせ数が少なくなり、良いアイデアは生まれません。
ここは妥協せずにしっかり収集しきりましょう。
いかがでしたか?
本著はアイデアに関する本質が端的に整理していて、時代が変わっても陳腐化しない真理だと思います。
5ステップの具体例など引用しきれていない部分もありますので、ぜひお手にとって読んでみてくださいね。