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「最近お客さんに言われて嬉しかったこと」を話そう

「じゃあアマゾンで買う」

お問い合わせを頂戴した本の在庫がないと、しばしば言われます。

他の書店員がどう感じるかはわかりません。少なくとも私は気にしません。申し訳なさはあります。場合によっては自分で注文するか、担当に伝えます。嫌な気持ちになるとかはないという意味です。

アマゾンを敵視はしていません。便利だし、在庫の量やスピードでは到底かなわない。だったらアマゾンにはできないことをやればいい。意外性のある棚作りや丁寧な接客など。

原点は2009年に亡くなったプロレスラーの三沢光晴さん。総合格闘技がブームになり、最強集団としてグレイシー一族が脚光を浴びた際に「俺たちはヒクソン(グレイシー)にはできないことをやっている。そこにプライドがある」と話していたのです。

一方で、先日「なるほど」と思える体験をしました。

あるお客さんが海外の旅行ガイドを購入。急に思い立って行くことを決めたとのこと。「近くに本屋さんがあると助かるよ。欲しい時にすぐ手に入るから」「アマゾンだとこうはいかないよね」と喜んでくれました。

たしかに近くの本屋に在庫があるなら、そこで買う方がアマゾンに注文するよりも早い。当然です。でも私はお客さんから言われるまで、まったくその事実を忘れていました。

いちばん早いのは近くの本屋で買うこと。

とはいえ、複数フロアの大型店は書籍を探すのも一苦労。小さな本屋では何でもあるというわけにはいかない。しかしいずれにせよ、あらゆるジャンルを網羅していれば、ご期待に応えられる可能性は高まります。

特定分野しか扱わない書店にも良さがある。ただ、私はそういうお店ではあまり見掛けない地図や学習参考書、「地球の歩き方」なども置く本屋で働きたい。そこにプライドもあるけど、お客さんに「近所にあって良かった」と喜んでほしいのがいちばんかもしれません。

嬉しいお言葉をありがとうございました。

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