ハードボイルド書店員は「小さな声」を届けたい
西武池袋本店のストライキに伴い、同店で営業している「三省堂書店・池袋本店」も8月31日は臨時休業となったようです。
例の感染症に端を発する緊急事態宣言下の休業時、書店員は人数を絞ったうえで出勤し、品出しや返品をしました(少なくとも私の勤めていた本屋はそうでした)。しかしこういうケースはどうなのか。ストの最中ゆえ、出勤が認められなかったかもしれない。
だとすると、翌9月1日に2日分の荷物と向き合わないといけない。そろそろカレンダーや手帳が入ってくるのでかなりの量でしょう。まだ展開しないそれらを裏にストックするだけでも相当しんどい。さらに催事の入れ替えや客注のピッキング対応まで考えると背筋が凍りつきます。
3.11の直後、ガソリン不足の関係でしばらく入荷が隔日になったことがありました。2日分の本や雑誌が1日に凝縮されるとどうなるか? 控え目に言って地獄です。当時は閉店時刻が早かったので、営業が終わってから残業して翌日発売の雑誌を棚に出しました(雑誌が発売日前日に入る店だった)。
休みの日に午後から数時間だけ出勤し、膨大な荷物を開けて台車に積んだこともあります。
いずれにせよ「三省堂書店・池袋本店」の皆さま、おつかれさまでした。
↑の記事によると、西武渋谷店でもヨドバシカメラの出店が計画されているとのこと。「紀伊國屋書店・西武渋谷店」は大丈夫なのか? そごうにも紀伊國屋書店と三省堂書店はお店を出しています。
もちろんストライキは労働者の権利。かつて職場の閉店で仕事を失った経験を持つ身ゆえ、雇用の確保を求めて声を上げた人たちの心情は理解できるつもりです。一方で、本を買えなかったお客さんや不測の事態に苦しむ書店員の気持ちも理解できてしまう。
議論を戦わせる人たちの大きな声をメディアが報じるなら、私はこういう小さな声を皆さまに届けたいです。