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「書店からの業界改革」と「街の本屋&小さな出版社への配慮」

「書店からの業界改革」「セブン&アイグループだとか、だいたい小売りからの改革が成功しているんだよ」

イチ非正規書店員の身ですが、紀伊國屋書店・高井社長の見解に同意します。付け加えるなら、お客さんと接する機会が最も多いのは店舗の従業員です。末端の声に耳を傾ければ、より現状に即した改善をおこなえるはず。

もちろん現場の意見がすべて正しいわけではない。玉石混淆。でもそれは社員や役員でも同じでしょう。

紀伊國屋は海外と営業が強い印象です。だから他の事業に手を広げすぎず、利益率の低い本が商材として占める割合を下げずにいられる。本にこだわるならオンラインを含む新たな市場を開拓し、こだわらないなら書泉のレトルトカレーフェアみたいに意外な売り物を採用して客層を広げる。基本の方向性はそのいずれかだと考えます。

私は本で勝負したい。カジュアルな文具とかならまだしも、あまりにも懸け離れたものは置きたくない。紀伊國屋も同じ姿勢みたいなので嬉しいです(TSUTAYAはわかりませんが)。

紀伊國屋・TSUTAYA・日販の「ブックセラーズ&カンパニー」には、大手版元の4社(小学館、集英社、講談社、KADOKAWA)が協力の意思を示しています。売り上げを伸ばし、返品率を下げることで本屋の利益率3割を達成し、他の書店へ参加を呼び掛ける日はたぶん遠くない。

そうなれば、競合するトーハンと系列の八重洲ブックセンター辺りも動くでしょう。いい流れが生まれます。

ただそこへ至るまでのプロセスが気になる。ひとつは選書。他の商材を扱ってもメインが本だからこその書店です。専門店が矜持を放棄して売り上げ至上主義に走ったら存在意義を失う。もうひとつは街の本屋及び小さな出版社への配慮。マクロな大義名分の中で埋もれてほしくない。

本屋も版元も大手だけが潤う状況では「三方よし」から程遠い。改革が私利私欲の正当化に堕さぬことを切に願います。

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