本を読む時間のない方はぜひ「パン」と「スープ」を
↓が店頭に並んでいます。
出版社はKADOKAWAで著者は柴田ケイコさん。待望のシリーズ第6弾です。
去年も同じ時期に「パンどろぼうとほっかほっカー」が出ています。2年前の「パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち」も9月8日発売でした。
「9月といえばパンどろぼう」が定着してきた印象を受けます。ぜひ継続してほしい。どれか買ってみようかな。
ところで、少し前に「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」(集英社新書)という本が出ました。売れ続けています。
本当はもっと本を読んで学びたい。でも時間がないし、体力的にしんどい。挫折してついスマホを見てしまう。こういう悩みを抱えている人が多いのかもしれません。
気持ちはわかります。私も月に休みが2~3日しか取れなかった営業マン時代、似たような思いを味わいました。しかしムリに読んでも内容が頭に入らず、そもそも楽しくない。疲れるだけ。これでは意味がありません。
まずは何でもいいので一冊読了。そこから始めてみませんか? あまり難しく考えず、気軽に楽しめる「パンどろぼう」みたいな作品から入るのも有効です。近頃の絵本は大人が読んでも満足できるものが少なくないので。
働くようになると、どうしても人生の教訓や仕事に役立つ情報を本に求めがちです。その向上心、学ぶ姿勢は素晴らしい。ただ時には即効性への期待を忘れ、頭を空っぽにして書店の棚を眺め、気になったものを手に取ってほしい。そこから始まるものが確実にあります。
文系の人なら数学や物理、社会人なら児童書や絵本、年配の方なら若い作家の書いた娯楽小説など、普段はスルーしているジャンルへ飛び込むのも一興です。
かくいう私は少し前に↓を買いました。まったく料理をしないのに。
出版社はWAVE出版で著者は荻野恭子さん。100ページ弱です。
ボルシチはウクライナの郷土料理だと知ることができ、またシンプルに美味しそうで心のコリが解されました。伝統的なキャベツのスープであるシチーや魚を使ったウハー、ウズベキスタンの手打ちうどんラグマンをいつか体験したい。おかげで人生のささやかな目標が増えた気がします。
イチ書店員による「パン」と「スープ」のススメでした。