「ABC w/」への期待と「発酵する日本」の思い出
4年前、表参道にある青山ブックセンターさんが作った写真集「発酵する日本」を購入しました。
装丁がカッコいいので、定期的に眺めています。再読時に読書メーターへ書いたレビューを紹介させてください。
クールなBGMを楽しめるスタイリッシュな空間に良書を置いてくれるだけで素晴らしい。しかしそこに留まらず、自ら本を企画し、出版する。歌い手が理想の音楽を追い求め、作詞作曲やプロデュース業へ進出していくように。
一見「新しい本屋の形」と映りますが、元々この国の書店はそういうものでした。来年の大河ドラマの主人公・蔦屋重三郎がオープンさせた「耕書堂」も本の企画、制作、販売をおこなっています。原点回帰。ここに本屋が生き残るヒントの一端を感じました。
版元が作った本を仕入れて売るだけではなく、自分たちで宿願の一冊を生み出し、お客さんへお届けする。本を出版している書店チェーンはあります。名著がないわけでもない。しかし「発酵する日本」ほどのスペシャル感を纏い、かつ所有する喜びに浸らせてくれるものには出会えていません。だから期待しかない。
今回の新出版プロジェクト「ABC w/」では、企画段階から印刷会社やデザイナーに入ってもらい、横並びで制作しているとのこと。
楽しみにしています。
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