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反りが合わない人でも話し合えば、何やかんやで やっぱり反りが合わない!
数年前、弟が一軒家を買った。部屋を持て余すのも何だからと親父を引取り一緒に暮らしている。その親父は一年前に再婚した。四十を越えて新しい母ができた。当然、義理の母も弟宅で暮らしている。
大人な弟は上手く義理の母と折り合いをつけて仲良く付き合っているが、僕は正直苦手だ。反りも気も合わない。だからと言って、どうこう言うつもりはない。
一方、兄である僕は住むところもままならず社会的地位も金も毛もない。
死に至る病、そして!
七夕の夜にしか会うことが出来ない悲しい運命の織姫と彦星だけど、星の寿命における一年間を人間の時間感覚に置き換えると約2秒に1回は会っている計算になるそうです。
そんな事を思いながら夜空を見上げると「悲しい運命なのは、人間、お前達の方だよw」と織姫と彦星が笑ってるのかのように天の川が輝いていた。頬が自然と緩んだ、ある年の七夕。
皆さんはどんな七夕を過されるのでしょうか?短冊に願いを託し素敵な夜に
テトラの親子 ~中編~
昼過ぎに浜名湖中央署に電話を入れ担当者から説明を受けた。
簡単に言うと、親父の知人が詐欺行為をした。それに加担、即ち共犯の疑いで連行したとのことだった。親父の意思でやったのか、それとも上手く利用されただけなのかは分からない。
ただ息子として言わせて貰うと、うちの親父はすぐ人を信用すると言うか、人が良いと言うか、警戒心が無さ過ぎと言うか。
何はともあれ、一度親父に面会したい。そう担当者に伝える
テトラの親子 ~後編~
某年 初夏
あれから数十年、親父は残念ながら相変わらず元気です。ただ、困るのは差し入れで持っていったジャージを夏になると今だに着ている。
新しいジャージを買えと勧めても「このジャージはお前から貰った唯一のプレゼントだからな。」と言って譲らない。
俺は親父に誕生日も父の日もプレゼントを渡したことが一度もない。勿論、そのジャージはプレゼントではなく、留置所にいた親父への差し入れだから返事に困る。
追想。~桜の咲く頃に~前編
その日、会社に無理を言って有給を取り、入院している母方のじいちゃんに会いに行った。
病院の駐車場に着き、フロント硝子越しに眺める病棟は、空の青を後ろに押しやるように輪郭が鮮やかだった。駐車場の隅に植えてある桜は前日の雨のせいでかなり散ってはいたが、春を喜ぶかのように咲き誇っている。
車から降りて背伸びをしながら深呼吸すると、静けさだけが胸に流れ込んでくる。風も温かく、とても気持ちがいい。こんな
グリーンサラダ~前編~
朝と言うには遅すぎる。かと言って、昼と言うには早すぎる中途半端な時間に母のマンションを訪れた。
年に数回、母と晩御飯を一緒に食べるのですが、運が良いのか悪いのか今日は地元の祭りと重なり早くに来たが、間がもたない。
暇潰しにスマホを開く。脂でテカテカの画面を拭く為にティッシュに手を伸ばした。
「ん?ティッシュきれてるやん?」
「寝室の化粧鏡の横にあるから取ってきぃ」
仕方なくティッシュを取