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反りが合わない人でも話し合えば、何やかんやで やっぱり反りが合わない!
数年前、弟が一軒家を買った。部屋を持て余すのも何だからと親父を引取り一緒に暮らしている。その親父は一年前に再婚した。四十を越えて新しい母ができた。当然、義理の母も弟宅で暮らしている。
大人な弟は上手く義理の母と折り合いをつけて仲良く付き合っているが、僕は正直苦手だ。反りも気も合わない。だからと言って、どうこう言うつもりはない。
一方、兄である僕は住むところもままならず社会的地位も金も毛もない。パチンコやって目先の金に翻弄され底辺で生きる破綻者。圧倒的敗者。
そんな弟宅に寂しさなのか、家族の温もりを欲するのか分からないが、たまに泊まりにいく。仕事柄、弟は9時過ぎには寝る。歳のせいか、両親も9時過ぎには寝て、僕だけが起きてるから何をするにも音をたてないように気をつかう。
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そんなある晩、ダラダラとスマホとティンコを弄(いじ)っていると気づけば22時を少し回っていた。みんな寝て静まりかえった家の中、シャワー浴びるのも結構気をつかう。
着替えのシャツと下着を持ち脱衣所へ。シャワーを浴びて出てから気づく、パンツがないと。持ってきたつもりだったが……。
どうする。自分の物とはいえ、風呂上がりに一日履いたパンツをまた履くのはちょっと気が引ける。待てよ、ここは公共の場ではないし、どうせみんな寝てる。ノーパンとはいえ、一気に自分の部屋に駆け込めばいいだけのこと。簡単なミッションだ。
躊躇(ためら)いもなくノーパンで部屋に向かったが、二階へ向かう階段に差し掛かる手前で、パッと廊下の電気が点いた。目の前にはトイレにいく為に起きてきた義理の母が立っていた。
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状況が飲み込めず震えるしかなかった。まるでマドラーをストローだと思って吸い続け「なんで?どうして?」と困惑するように状況が全く飲み込めなかった。まさにマドラー現象、状況も飲み物も飲み込めないってね///って、やかましわwwwwwwwww
( ゚д゚)読んでる方々も内容飲み込めてないと思いますよwwwwwwwwwwww
どうしてだよーwwwwwwどうして、いつもこうなるwwwwww簡単なミッションのはずなのにwwwwww
ここは敢えて冷静を装い、「人生とはノーパンみたいなものだ。どちらも、はかない(履かない、儚い)。歌丸です。って、やかましわwwww」と、はしゃいでやり過ごせる良好な関係でもない。
只々、呆然と立ち尽くす四十後半ノーパン剥き出し男と剥き出された粗末なシシトウ。
終わった。走馬灯が見える。
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この状況、アダルティーな映画なら、「あら、◯◯ちゃん!そんな格好で歩いてたら風邪引くわよ。でも、◯◯ちゃんのあそこは、ちゃん付けじゃなく、さん付けしないと失礼なほど立派ね。」「お、お母さん///」とウホウホ喜んで観る展開だけど、実際は過呼吸になるぐらい辛い展開。
圧倒的絶望の中、ディオのスタンド、ザ・ワールドが発動したかのように時が止まり、そして、また時は動きだす。
「あ、明日からしばらく晴れて暑いらしいですよ。」と震える声で話しかけた。
人はなぜ気まずい雰囲気になると天気の話をするのだろう。って、言うか、今その話するw
「そ、そうなんだ。」と僕を見てはいるが、その視線は僕の身体を通り越し ずっと遠くを見るように母は答えた。無難にやり過ごし、見なかったことにする優しさかもしれないが、正直、辛い。蔑(さげす)んでくれ、この見窄(みすぼ)らしい剥き出しの僕を罵倒してくれ。
そんな状況に耐えきれずなのか、精神が崩壊して開き直ったのか僕は何事も無かったかのように「おやすみ」と言い残し、剥き出しのまま二階の部屋へとゆっくり歩みだす。部屋のドアを閉めると同時に膝から崩れ落ちた。
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ハグしてほしい。誰かにギュと強くハグして「大丈夫、大丈夫だから。」と無責任な言葉で励ましてほしい。枕に顔押し当て叫んだ。恥ずかしさと気まずさを拭い去るように叫んだけど、いくら叫んでも拭い去ることは出来なかった。
そして僕は間接照明の淡い光だけが照らす薄暗い部屋の片隅で、今日も一人、剥き出しで記事を書き続けている。
来世は折り合いつけれる大人になれますように。
(。-人-。)
音声配信スタエフでジャンクという名前でひっそりこっそりやってます。よかったら寄ってくださいな。
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