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徒然日記

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#読書記録

徒然読書日記~米澤穂信『本と鍵の季節』

徒然読書日記~米澤穂信『本と鍵の季節』

抱えていた原稿の今日の目標を達成。
朝に、課題をリストアップして、明確に「これを片付ける!」と宣言したのが効いたらしい。
あとは、画像やキャプションを入れて、送るだけだ。

数日前から読んでいた米澤穂信さんの『本と鍵の季節』を読了。
この人の短編は、やはり上手い。一作一作に「暗号ミステリー」や「アリバイ証明」など、異なる趣向が凝らしてある。
だが、『儚い羊たちの祝宴』や『満願』のような薄暗く、ひや

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徒然日記~朝井まかて『グロリア・ソサエテ』

Kindleで『小説 野性時代』の4月号を購入。目当ては、朝井まかての『グロリア・ソサエテ』。大正時代という、日本の伝統と、西洋風の文化が混ざりあった時代の空気の香り(バターの匂いが少し入っているイメージ)が、行間から漂ってくるかのよう。民芸運動が題材らしいが、そのうち棟方志功も出てくるのだろうか?
続きが楽しみだ。
読むためにも、自分の原稿を。

徒然日記~マンガ『舞子さんちのまかないさん』

 サンデーうぇぶりで、5巻分が無料配信中の漫画『舞妓さんちのまかないさん』を、何気なく読み始めたら止まらなくなってしまった。

 実は連載が始まった時、第一回をちらりと雑誌で見たことがある。
 その時は、「ほっこり系のグルメ漫画」の一種で、舞台設定が変ってるなあ、などと思ったものだった。
 「美味しそうなものの出てくる」話は、もはや一つの大きなジャンルを成している。
 またか、と正直思わなくもなか

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偏食家、今更ながら浅田次郎『天切り松 闇がたり』にはまる

偏食家、今更ながら浅田次郎『天切り松 闇がたり』にはまる

「世の中には美味しいものがいっぱいあるのに、人生を損している」

 とは、あまりにも偏食のすぎる私への、母の言葉だ。

 シイタケはじめ、キノコ類。

 海老、カニなど甲殻類。

 特に海老やシイタケは、あの食感や見た目を思い出しただけで、「うわあ…」と引いてしまう。

 それでも、小説などで、登場人物たちが美味しそうに食べている描写を読むのは、嫌いではない。

 それでも、「じゃあ現実で試してみ

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澤田瞳子さん『龍華記』読了

澤田瞳子さん『龍華記』読了

 いやあ、すごいものを読んだな…

 昨日の夜から読み始めて一息に半分、そして今朝はその残りを、あっという間に駆け抜けてしまった。

 書かれているのは、平家による南都焼き討ちと、そこからの興福寺の復興、関わった人々の懺悔と苦悩、そして救いを求めて生きる姿だ。

 その中に、メインの主人公である悪僧範長と、その従弟で別当として高い身分にいる信円とが配置され、対比される。

 範長は、摂関家という貴

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「過去型」と「未来型」~三宅香帆さん『バズる文章教室』を読みながら

「過去型」と「未来型」~三宅香帆さん『バズる文章教室』を読みながら

 少し大きめの書店に行くと、必ず足が向いてしまうのが、文章や小説の書き方についての本が集まるコーナーである。つい先日も、なにげなく足を向けたジュンク堂書店で、平置きされていたこの本を見つけてしまった。

 「バズる」…つまりは、ネットなどで爆発的に広まること、認知されること。私自身、文章書きの端くれとして、夢見ても見足りない現象である。

 即座に購入したのは言うまでもない。今日も出勤中の電車の中

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