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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】東洋医学からみるモクレンの世界

春の花といえば、桜、菜の花やチューリップなど。カラフルな色が特徴で、見ているだけで華やかな気持ちになりますね。
全体に小さな花が多いイメージですが、早春に咲くモクレンは花びらが子供の手のひらほどある比較的大きな花です。
花びらの外側が紫色で内側が白色のシモクレン(紫木蓮)や真っ白なハクモクレン(白木蓮)を公園など街中で目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市内千葉駅近くに所在しています。千葉市内では、近くにある千葉公園や街路樹でもモクレンの花を見かけることがあります。
また、電車で15分ほどの鎌取駅の駅前通り(千葉市緑区おゆみ野)には、通りの両側にハクモクレンが植えられたモクレン並木があります。
モクレンの開花時期は、3月下旬から4月上旬です、機会があればぜひ訪ねてみてくださいね。

また、モクレンは古くから漢方薬にも用いられている植物です。

そこで今日は、モクレンをテーマとして、東洋医学からみるモクレンの世界をご紹介していきます。
どうぞ最後まで、お楽しみください!!

1.モクレンの由来

モクレンは落葉樹で、3~4月の桜が咲き始める頃に花を咲かせます。
モクレンの花名の由来は、この花が蓮(ハス)に似ていることから、漢字では「木蓮」と書きます。

中国名で「辛夷(しんい)」と呼ばれるものは、日本のハクモクレンのことで、主な産地は河南、安徽、四川です。

ハクモクレン

この「辛夷(しんい)」という名前は、李時珍によれば「夷は『荑(つばな)』であり、その花蕾の初めて出る形は『荑』(茅の芽)に似て、味は辛味であるため辛夷と名付けられた」とされています。
また、鼻の病気に悩んだ挙人が南方の少数民族地域で花蕾を薬にするよう教えられ、症状がよくなった後、故郷にその木の苗を植えて多くの人を助けた際、辛亥年に夷地から持って帰ったので「辛夷花」といった、という伝説もあるようです。

『大和本草』で紹介されている「日本辛夷(二ホンシンイ)」は、同じモクレン科の落葉樹であるコブシを指しています。

コブシ

コブシは各地の山野に生える落葉樹で3~5月に枝の先に香りのよい白い花を咲かせます。昔から農作業の目安として大事にされており、東北地方では「芋植え花」とも呼ばれています。

2.モクレンの効能

生薬の「辛夷(しんい)」として使用されるのは花そのものではなく、花の蕾(つぼみ)の部分です。

モクレンのつぼみ

春の初めに花が咲くと、その精油の含有量が低くなるため、冬の終わりに採取して乾燥させたものを用います。

2-1.東洋医学的な効能

東洋医学的な性質、効能は次のとおりです。
【性質と味】 辛、温
【関連する臓腑経絡】 肺・胃
【中医学的効能】 
①散風解表:
悪寒、寒気がするような風邪の初期、身体の表面の浅い部分にとりついた風邪(ふうじゃ=冷えや寒さ)を追い払いうことで、初期の風邪を解消することに役立ちます。
②宣肺通鼻:
外界の空気を取り込み全身に送り届ける呼吸、水分代謝をつかさどる、肺の臓の働きを助けます。
肺の臓が上手機能しないと、鼻づまりがおきやすくなることから、肺の臓の働きを改善して、鼻づまりを解消することに役立ちます。

日本では、昔から、頭痛、鼻炎、カゼ、高血圧、動脈硬化症などに使われてきました。
鼻炎やカゼ、蓄膿症などに対しては、他の生薬とあわせて用いられ、「葛根湯加川芎辛夷」といった漢方薬で現在でも使用さています。

2-2.最近の研究による効能

最近の研究では、以下のような効能があるとされています。
①子宮筋の興奮作用
②慢性単純性鼻炎の治療
③慢性蓄膿症の治療
④小児のインフルエンザの予防
⑤気管支喘息の治療

「辛夷(しんい)」には子宮を収縮させる作用があるため、妊娠中の人には不向きです。
また、小毒性があるため、子供へに使用する際には、慎重にすることが必要といわれています。

3.よく使われる薬膳

モクレンを薬膳として生活に簡単に取り入れる方法をひとつご紹介します。

「辛夷花茶」は、モクレンの花びらを紫蘇の葉と混ぜて、お茶として用いるものです。
効果としては、モクレンの効果でご紹介したものと同様、風寒を追い払い、鼻づまりの解消しやすくします。
モクレンの花びらは、摘んだ木蓮を流水で洗って乾燥させてから使用することが多いようです。 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?東洋医学からみるモクレンの世界はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸ほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『東方薬草新書』

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