運命の求道者
波木星龍という実占家は、
運命と運命学の"誤差"に気づいているような節がある。
波木星龍という人は、運命に随うが、運命学には必ずしも従わない。
それを磨き抜き、どれほど的中しても信じないようなところがある。
占術は道具であって、生きた事実の描写でしかない事を知っており、
運命の実際は、なるようにしかならないという達観に貫かれている。
極貧の境遇に育ち、カネもコネもなく、メディアとも談合とも無縁。
だが、札幌という大都市に理想的な風水の住居を購入するほど成功し、
かと思えばその住居を購入額以上で売却し、暗剣殺も怖れず転居する。
運命"学"より "運命"に随い、その兆しに身を任せて恐れない。
そして事実、自らを開運した成功者なのである。
自己という"事実"が、運命学に意味を与えるのであって逆ではない。
レプリカである理論や哲学を、本物より重視すれば本末転倒になる。
運命とは硬直した理論や哲学ではなく、自然なる生命であると悟り、
生きた事実と矛盾しない事を、何よりも重視して最善の判断とする。
私は、こういう実占家を他に知らない。